復活してます

最近またテープレコーダーにとりつかれ始めました。
元々僕の初めてのソロ作品CDR「GYRO」はテープレコーダーの名機、SONYのTC-D5Mで録音したものです。
チープな録音環境でしたが、今でもこの音は好きです。
あれから10年、あの頃でさえすでにカセットテープは過去のものになろうとし始めていて、
大阪日本橋電気屋にカセット買いに行ったら「お客さんもうカセットはなくなりますよ、もうすでにMDですよ」と言われました。
(気がつけばMDはどこへやら、その店自体がなくなっていました…)
確かに身近でカセットテープを見かけることは少なくなりましたが、僕はまだ年に数本はカセットテープ音源を購入していたし、最近はNYなのではアンダーグラウンドでカセット復活、
20台の若者たちがリリースする新譜がカセットのみ、なんてことも。
欧州の演奏家友人たちは来日すると「中古レコ屋に行きたい!」といいます。
彼らの目当てはCDじゃなくてLPです。
CDも今や過去のものになろうとしている、と言われていますが(その中で僕はコリもせずCDで新譜を出しています)
便利になりすぎた世の中、音楽くらいはファイル(情報)ではなく形のあるものにこだわろう、とする人たちもいるわけです。


で、カセットの話。
僕の愛機D5M(世間での通称デンスケ)を久しぶりに引っ張りだすと、どうも調子がおかしい。
再生も録音もできるけど、動作の時に異音がする。
まずはソニーの修理受付へ問い合わせすると「修理可能かわかりませんが見ることはできます、で〇〇円かかります」とか。
以前はこの手の機械なら5000円某でどこまでも直してくれたソニー、変わりました。
アナログオーディオにかぎらず、修理よりも買い替え、という時代です。
以前教えてもらった元ソニーの職人さん(勤続24年と11ヶ月、だったそうです)に連絡をとって送ってみると、
以前のソニー修理よりは少し高いものの、丁寧で誠意溢れる対応に物凄く信頼感を持てて、早速送ることに。

こんな写真も送ってくれました。美しい・・。
その間に手元にあったテープレコーダーを色々引っ張りだして試していました。



もういつ手に入るかわからないこれらの品々、けしてノスタルジーではなく、音が好きなんです。
ここ最近まで超高音質と言われるDSD録音を色々と試していて、それはそれで非常に良かったのですが、
合間にカセット録音してみて、どちらが好きか、どちらが音楽的に感じるか、ということになると、
圧倒的にカセットの方でした。
狭い帯域、特有のノイズなどありますが、敢えてそれを含めての話。
どちらの音源にお金を出すか、と考えても、答えは同じ。
ということで今はカセットテープ音源からの録音物の作成を準備しています。
まず最初の形態としてはCDRです。そのうちカセットテープ自体も販売します。
古いとか新しいとかは、関係ありません。自分が好きな良いと思われるものを、作っていきます。