thanks Singapore,Darren!!!

いよいよ最後の日。

ダレンに驚かれるほど早起きする。
起きる必要のある用事はないが、みみっちい言い方をすると、勿体無い。
日が昇る前から目を覚まし日の出とともに起き上がる。
彼は朝から学校の会議だそうで大儀そう。
僕に軽く野菜をココナッツオイルとチリで蒸し焼きにしてパンを焼き久しぶりに自炊。

今回はあまり料理しなかったな。
軽食は安くて美味しいので助かる。
食後片付けをして身支度して出かける。
バス停から、真夏の空を眺めた。

ニュートンフードセンターを通り過ぎ北上して大きな公園の前で降りる。
ここには3つ大きな湖がある。
前情報で釣り可能だと知っていた、
そのうちの1番南の一つは、カヤック乗り場があり、一応管理人みたいな人に釣り場を聞くと、
ここ、と言われたのはたった20メートル程しかない範囲で、
しかもただ足場が少し良いくらいで、とてもじゃないが魚がいそうな場所ではない。
つまらないのでとりあえず湖を歩き回ってみる。
いいところがあったらこっそりやっちまおう。
縁沿いに歩道が続いており、時にはボードウォークになっていて歩きやすい。
水は本当に綺麗で、水草もはっきり見えるのだが、目に見える大きな魚が殆どおらず
めだかサイズの小魚がたまにちらほら。
ここはいいポイントだなあ、と思うと釣り禁止、決められた場所でどうぞ。
隠れてやるにしてもなんとなく白けるこのムード、
「清き水に魚住まず」を思い出す。
茶色いお汁粉のような色をした、沢山の個性的でカラフルな魚がいたマレーシアの湖と、
とてもきれいな水だが魚の姿が見えないシンガポール
なんだか国柄を反映してる気がする。




何かが水面を動いているので凝視すると、なんとまたワニだ…

後で「何十年も住んでるけど見たことない」と言われたが、俺縁があるのね、ワニに…
ワニもいいけど魚が見たいよ。
この僕が水に飽きてきた、沿いの森の方が豊かそうで、
様々な生き物や花が棲息する。
しかし巨大な湖で歩いても歩いてもキリがない、
やけくそであのしょぼい釣り場へ戻り、
マレーシアでは成功したセッティングでトライ。
なんかね、つまら〜ん。
このあたりに来るとなんだか危ないらしいから近づくのやめよ、ってなるよね魚も、こんな広い湖で。
ひたすらジリジリと日に焼けて、諦めて撤収。もう来んぞ。

次は地図で目星をつけた運河らしきところ、街のど真ん中までバスでいき、徒歩で少し。
今度はきったない浅くて広い水場で釣りしてる奴なんか全くいない。
しかし水面を見ると様々な魚がいる模様。やった。
車線の多い車道わきの柵を乗り越えておっかなびっくり隠れて釣りを。
なにせ厳罰主義のシンガポール、川を渡る歩道を二輪で運転して渡ると千ドルの罰金!
しかし止められない釣り心。
魚は見え隠れするのだが、なかなか針がかりしない。
ティラピアのような大きな魚が、仕掛けをそこから上に上げるときだけに果敢にやってくるがただ体当たりのみ。
あちこちやるが全く相手にされない。
かなり粘った、しかしこれはあかん。

撤収して喉が渇いたので近所のガソリンスタンドにいきビール。たまらん。
この辺りの住宅街の雰囲気は中心街とはまた違った趣があっていい感じだ。
ちょっとニューオリンズの郊外の感じに似ている。
また別のバス停を探してダレン邸近くまで戻り、今度は家の前の汚い小川で釣り。
目の前が警察で文句付けられたらややこしい、と思いつつ、もう今日が最後でまたいつ出来るかわからない、
確実に魚がいることは分かっていたので思い切ってやってみる。
水深が浅い、浅すぎる…。30cmもない。
魚はいるにはいるがこの浅さではルアーの操作が殆ど困難。
思い通りのポイントに投げられたとしても魚の食いを誘うアクションはほぼ無理。
残念だ。今日は坊主だ。
しかし、行かないで悔やむより行って残念な方がいい。
これはあらゆることに共通する。

家に戻りパッキングをして、ラ・サールへ向かう。
6時に待ち合わせて皆で大友さん達が出るPLAY FREELYというイベントを見に行くのだ。
ダレンとブライアンと会うとそこに女の子がいてボーイフレンドと思しき男の子と車で連れて行ってくれるという。
楽器と大荷物があったので非常に助かる。
シンガポールでは車を持つのにかかるコストがとてつもなくかかるそうで(政策だそうだ)
車持ちは珍しい。

派手なペイントをされたバンでgoleden mile towerへ。
ここはクアラルンプールに向かうバスのりばと同じ場所だ。
まずはこの1階でおすすめのタイ料理を皆で。
バンコクより美味しい、という評判だったが、本当だった。
どれもこれもとても美味しい、それにしてもみんなタイ料理好きだな。
(実はシンガポールらしい中華とかが食べたかった)
ちょっと食べ過ぎた(みんな凄い残すから)。


会場はまた隣の新しい映画館で出演者を見下ろして鑑賞できるのが面白い。
始まる前に大友さんやDJ sniffに挨拶。あれ〜なんでここに?と大友さん。

スクリーンには地元の作家の映像が流れて演奏スタート。
この映像が素晴らしく、水際のシーンだけで構成されたもので、個人的にも興味が惹かれる。
つい映像のほうばかり追いかけてしまい、時には音楽は後になってしまった(この僕が、だ)。
音の方は、エレクトロニクス中心で全員の音は判別が難しいほど渾然となっていて、
誰が誰、というのにはあまり意味が無い。
その中ではっきりと誰かわかるリュウ・ハンキル(彼だけが映像をかなり見ていた)とDJ sniffの音が印象に残った。
最後は映像が先に終わり、音が残ってエンディングへ。


演奏が終わると何やら始まりそうなのだが、ダレンとブライアンがすぐ外に出ようとする、
丁度息抜きにロビーへ出ようとしていたので向かうと、
どうも中ではトークショーとかインタビューとか質問とかをやっていたらしい。
演奏の後に説明は、聞きたくない。
ロビーには見知った顔が多く、帰る直前に多くの人たちに別れの挨拶が出来てよかった。
シンガポール、マレーシア、楽しかった!
これからまたやることが沢山出来た。
なんか来た瞬間からなんとなく落ち着いてしまって海外にいる違和感もなかったけど、
帰るとなると、やっぱりここは来た場所なのだな、と思う。
ここにはまだそんなに多くのことがあるわけではないと言っていい、
だからこそ、これからがすごく楽しみだ。
全て、ありがとう。


ダレンに最寄りのラベンダー駅まで送ってもらい、2月の再会を誓う。
彼とは今回、長い時間を過ごし、いろいろな話もした。
これからいろいろなことを一緒にできそうだ。
まずは2月の来日に2つ共演するのが楽しみだ。

こんな遅い時間に空港に来るのは初めて、諸々の面倒な手続きをして
ビール飲んでネットつないで時間潰し。
0時55分発のスクートは満員だった。
昼に日焼けしまくって、夜は食べまくって飲みまくって、疲れてもいるはずなのに
なんとなく寝付けない。
本を読んだり(この便には映画も食事もない)考え事をして時間を潰して、
数時間後に台北で乗り換え、今度は成田へ。
1時間の時差で、着いたのは朝10時半ころ。
帰ってきた、これで旅の終わりだ。