直りました/doubles11

ダブルス11回めでした。
低音とダンサーx2という共演は、最初にレオナ・田嶋組が決まってから
後出しで僕とタカダアキコとのデュオにして組みました。
アッコとの共演は久しぶり。
向こうも言いますが、彼女との共演は何か特別です。
やり慣れている、というには彼女と共演するのは非常に久しぶりで
数年ぶりではあるまいか、その間にお互い変わっていることだし、
真に何が起こるかわからなかった。
安心しきっているのでも、信頼しきっているのでもなく
(そうとも言えるけど)
まあ、なんというのですかね。
「こうならなくてはならない」が全くなく、
ここまで来ると「こうならなくてはならないがない、という拘束」が
生まれそうな感じでした。
レオナ田嶋デュオは6年も続けている(がそちらも久しぶりだったそうで)
息のあった即興(変な言い方だ)といくつかの楽曲も観せてくれました。
タップは(というのは語弊があるでしょうが)このくらい目前で観ると
伝わり方が違うなあ、と。
ダンサー/踊り手との共演は、以前よりかなり多数やってきましたが、
最近は非常に少なくなりました。
音楽以外のものを共演することが、もしかすると自分で出来ない/出来ていないのではないか、という思いが強くなっていたからです。
アッコは、踊るphysic(物質/肉体/具体としての)自体が、僕には音楽を感じさせるので(音楽で踊っている、というわけではなく)
まさしく音楽との共演と素直に行えました。
第一、僕は踊り手をあまり凝視しないで共演します。
特にアッコとのそれは、以前は全体を判断して後追いしないように、
末端とその動きを主に目にして共演していましたが、
今回は薄目にして視力を抑えて何となく視る、もしくは視ない、としました。
これは、極限状態にある猟師が、獲物の動きを捉えるときの物の見方だそうで、
最近趣味で訓練していたことです。


楽器が直りました。
どうも自分は「治る」と書いてしまいそうで、文章上は誤りだけど、
そう感じてしまう。
いつもお世話になっているマイスター曰く
「(機関部である)ピストンが4本とも強いダメージを受けていた」そうで、
事故後に自分で一切触らなくて良かった…。と溜息。
恐る恐る楽器を出し吹いてみると、
非常に重いダメージを受けた3番ピストンは、
さすがに以前と違う感じで、手術後、ということを感じましたが、
他のピストンは、以前より快調に思えるほどの仕上がりで感激。
もはやマイスター小畠さんには足を向けて眠れません。ありがたや。
不思議なことに、修理後の楽器をケースに入れて担ぐと、
完全に気持ちの問題だと思うのですが、軽く感じました。
おそらく修理のために削られた重量は重くて数グラムでしょうけど
数キロ軽くなった、といっても良いくらい。
これが一日続いたのです。
人間は、なんと気持ちに左右されるのか。
ともあれ、ご心配をお掛けしました。