Eric Thielemans/高岡大祐 tour 2011@十三宝湯

Eric Thielemans(per)x高岡大祐tuba
藤田陽介(自作パイプオルガン)
デカルコマリィ(dance)x田中康之(per)
度々お世話になっている十三の銭湯でライブ。
準備段階で面白い風景。
ライブ前に軽く食事を、とすぐ近くの立呑に入ったらこれが素敵。
お姉さん一人で切り盛りしていて、お客は60前後の男性客のみ。
皆が良く笑いよく話す。
英語なんて誰も話さないけどエリックは楽しそうだ。
演奏前には飲まない彼といると僕も釣られてあまり飲まなくなっているがさすがにここに来て飲まないのはかえって失礼、と
熱燗を少しもらうとエリックも手を伸ばす。その柔軟性がいいね。

焼きうどんを頼むとわざわざ讃岐の麺を茹でて焼いてくれるような丁寧なことを、とても安い店でしているのが好きだ。
エリックを見て「で、そこの男前の兄ちゃんは何食べるの?」という丸出し大阪弁のお姉さんも。
ご機嫌だ。


大入りの会場で僕はBGMように最近手に入れたコンパクトレコードプレイヤーを持ち込んで仕入れたレコードを掛ける。
銭湯でこういう音が鳴るのは自分だけでなくても楽しめるだろうなと思い。
エリックはそれらのジャズのレコードにため息しきり。どれも良い演奏だ。


トップバッターは藤田さん。初めて誘った人。
自作の鍵盤なしのパイプオルガンの噂は前々から聞いていて気になっていた。

左手でひっきりなしにふいごを押し、リードが鳴るのではなく空気がなるフルー管だけの密やかなオルガンに合わせて歌う。
独特の空気感。終演後お客さんが楽器を取り囲んだ。


次はデカルコマリィx田中康之。
お二人はつい先月対バンでおみかけしてのスカウト。
マリィさんの路上舞踏も見に行った。
お客さんがパンパンで踊るスペースを作るのも難しい場所で、ロッカーの上から始まり外に出て終わった踊りは、素晴らしい物だった。
お客さんの反応がまた良かった。ただしかめっ面で芸術鑑賞するのではない、見入る時間と笑う(放つ)時間のダイナミクス
終わった後の大きな拍手、マリィさんの汗。


最後の僕らは先の二つに比べると地味すぎたかもしれないが、そういう演出という物を一切配したデュオなので仕方もない。
なにかをしよう、というようなことが全くない演奏だもの。
かといって閉じようともせず。
あんな形でも対話に近いのだなと思う。


終演後は銭湯の現状復帰を皆でやって乾杯して〆。
楽しい大阪の夜。
ちょっと強行ツアーで大阪に来てしまったが、エリックをここに連れてきてよかった。
彼はこの街に来ると「ソウル(魂)だ」という言葉をよく使う。
何かを感じるらしい。宿までの案内をお願いしてまた明日からの準備。