KOTODEN, ONSEN & MUSIC NIGHT!

前日の夜遅くに大阪に帰ってきて徹夜で色々準備して朝出発のバスで高松へ。
眠いのだけど、晴天の四国行きのバスの風景は楽しくてなかなか寝れず。
バス停で今回お世話になる二ノ宮さんと合流。ほぼ5年ぶりだ。
まずはそのままうどん屋さんへ。いやあ讃岐らしい。
週末ということでお店の中はいっぱいだがどんどん進んでいくしすぐ座れる。
なんでもここの大将が元マグロ漁船に乗っていた人だそうでマグロメニューが多く、
こちらでは珍しくまぐろ山かけうどんなんぞ食べてみる。やはり美味い。
そのまますぐに会場である仏生山へ。
僕は行くまで仏生山のことも琴電のことも知らずに来た。
琴電というこのあたりの電鉄会社の仏生山駅の脇に鎮座している大正15年製でなんと現役だという車両の中でソロライブ。
駅員さんに挨拶すると、ここだと不便だねえ、と運転して動かしてくれて感激。
これが鉄道マニアなら感涙モノだろうけどあいにく僕は違う。
それでも感慨深いのは変わらない。
車両の中は当然空っぽで、設営して準備。
フロントアクトに地元のシタールとタブラのデュオ、東京から飛び入りの舞踏の園田游さんとも挨拶。
最初にPAがはいるので僕も使うことにする。
準備はサクサクと進み、時間があったので僕は散歩に出かけた。
四国の街並みというのは距離的に近い大阪ともかなり違う。
なだらかな平地に置いてきたようにポコポコと山が並ぶ。
おとぎはなしのような風景。
旅行者にはただのノスタルジックなのだろうけど、都会でなんでもかんでもスクラップアンドビルドされた風景に慣れていると、やはり心に来る。
それは数十年前からある建物と江戸時代の建物が同居する街並み。
70年代のビルですら、懐かしい。それ以上のなにか。
お寺の隣に大きな池がある、その向こうの端に小さな山、そこの最後の夕陽が沈む。
忘れられない光景だった。不思議な水の色。
風景に誘われてどんどん遠くに行ってしまい、結局1時間半以上もライブ直前に歩いてしまった。
前日は3時間睡眠、先月からずっと続く旅の後。
やばいかな、と思ったけど、戻った車両の中の満員のお客さんを見て、疲れなんぞ消えた。
ライブの模様なこちらをどうぞ。二ノ宮さんのブログ。
http://cage238.jugem.cc/?day=20101208
動画とか恥ずかしくてみてません…。
個人的に感無量なことだらけ。
まず僕のような誰も知らない無名の音楽家の(しかも異端の)tubaソロというコンサートを
許可してくれた琴電、各駅に張られていたという「爆裂即興チューバ」というポスター、
そんな僕のコンサートに来てくれたおおよそ初めての人達、
温かいアンコール。ETCETC。
なによりこのような無茶な企画をしてくれた二ノ宮敬二さんには本当に大感謝。
今までに数多くのイベントをやってきている人ですけど、いわゆるイベント屋さんとかではありません。
普通に働いている身で、このようなことまで、しかも相当型破り。
「お遍路さんの伝統のある讃岐人に取っては、お客様をもてなすのは無常の喜びですから」なんて、さらっておっしゃいます。
ありがたいことです。

ライブ直後は先に片付けを済ませて急いで仏生山温泉へ。
なんとこのコンサートは「ワンドリンク・ワン温泉付き」なのである。
お客さんと一緒に温泉に入るめったにないチャンス、と焦る。
物凄くモダンで綺麗な場所で、泉質はとろみがあって柔らかい。
湯船に入っておかしかったのは、そこで笑っている人は皆さん僕の演奏を見ていた人だ。
目に付く限り、話しかけてみた。
地元の人、ここに引っ越してきた人、この温泉が好きな人。
演奏後に一緒に乾杯するよりも、本当の裸の付き合いをするほうが、心がほぐれるのかもしれない
今日すごい踊りを見せて(一人お客さんが感激のあまり号泣してた)園田さんも一緒に湯に浸かり歓談。
打ち上げは近所で美味しいと評判の名店で地元産の素材を使った凝った料理で舌鼓。
二ノ宮さんちでご主人が船をこぐまで飲んでしまった…。
思い出にくっきりと刻まれた一日。感謝。