ウィンボの家へ

朝から雨が降ったり、ブリュッセルらしい天気。
雷が大太鼓のよう。
雨を警戒してギリギリまででかけず。
夜の約束の前に楽器を練習しようと引っ張り出してやってたら
諦めかけていたtubaの新奏法が出来るようになった。
帰国直前の何故今になって?
前回の大発見tuba笛に続く久々の新作だが音は強烈に地味。
ただよく聴くと擦弦楽器に似た倍音が出る。
やった!しかし全然出来なかった上に今頃になって出来るようになるとはほんとうに不思議。
tuba笛は2年昔前にブリュッセルに来たときに発想を得た 
もしかして俺ブリュッセルに新奏法の開発のためにきてるの?
そんなつもりはないのだけど。しかしこの新しい音、気持ち良いなあ。
ただ、この音キープするの難しい 
超脱力したまま顔のポジションを保つけど緩めない 
訳の分からない筋肉の使い方。
無声音のようなイメージで音程のある一音から段々音程感が無くなっていく。
でも音程は出ている。糸が解けるみたいに細々と小さい音が途切れ途切れ出て行く。面白い。
別に技増やすのが生き方なわけでもなく、
自分の体と楽器がうまくチューニングしあってお互いの境目がなくなるような感覚で未知の音を自分たちから引き出すのが好きなのだ。
オリジナル云々とかどうでもよく、自分の体で自分の音を作る快感は果てしない。
技としてはどれも全然興味ない 音楽してなきゃ。
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電車に乗ってアンデレヒトの方まで初めて向かう。stt guidan駅で友人ウィンボと待ち合わせ。
ブリュッセル中心地とは又違った趣の落ち着いた街並み。
小さい家だよ、というが日本ならかなり立派な部類に入る。
最上のベルギービールとベルギー特産チーズとハムを中心にした夕食で乾杯。
いろいろな話をするけどやっぱり音楽!彼は素晴らしいDJなのだ。
ワールドミュージック系を中心に素晴らしい品揃え。家の音源のほとんどアナログヴァイナルだ。
エチオピアの聞いたことのない古代の低音楽器とか素晴らしい。
少し機材も揃えていて劇場用に音楽も作る彼。その音源のセンスの良さにもやられた。


飛んでいくように時間が過ぎていく。
明日又会うことを約束して退出。今度は朝から来たい。
トラムとメトロ乗り継いでサンジルへ。パクヤンたちの場所へ向かう。
ジョヴァンニとジョアオは明日フランスでコンサート(4分間だけの演奏で凄いギャラ貰うらしい)、
今回の滞在で会えるのはこの夜が最後、ということで会いに来た。
素晴らしい友達。彼らのおかげで今の僕がある。
ジョヴァンニは又10月に来日が決定している。ジョアオも日本に来たがっている。
僕は定期的に此処に来る。もうすでに橋は架かっている。
去りがたきをさり、サヨナラ、またね。
ジョアオに家まで送ってもらい最後までアホな冗談を言い合って分かれる。
家に戻ったら家主ミミがいたので久々にゆっくり話。
彼女の個性は強烈だ。どこか大阪のおばちゃんっぽい押しの強さはアラブの血のせいだと本人は言う。
ストロングウーマン。
思わず夜中まで話し込み、慌てて睡眠へ。
明日は最後の日だ。