エリックとライブでソロ

悪臭で目が覚めた、今度は何だ!
と思ったら向かいでなんか排水を汲み取っていた。
電気なしでロウソク生活とかしているといかに普段無駄なものに囲まれて生きているかよくわかるなあ
本当に必要なものだけが荷物だといったは清志郎だ。僕の荷物はtubaとPCと調理道具なのか?
しかし話題のiphone4とかも世界の果てくらいに自分には関係なくてどうでも良い話 
便利さの追求は我を盲目にする いつもちょっと不便なくらいの方が好きなのは性分だ。
自分の暮らしに満足しているわけではないが生き延びていくことには快楽を感じる。


近所の友人がチャットでヘイ調子はどうだい、とか言ってきたから現状説明したら、すぐこっちに引っ越してこい、
とのことだけど、ありがたい話、しかし一人もサバイバルも楽しいのでもう少しここにいる予定。
ニュースで見ると近所の学校でブルカを着用していた女性教師が解雇されたとのこと。ほんまか?
服装や宗教の自由が裏返しになって個人を攻める。自由じゃなくちゃいけない、ってそれのどこは自由やねん!


ほんでもって夕方に市内へ出かける。外は小雨、ベルギーらしい天気。
メトロ乗って地図を頼りに会場へ向かう。結構簡単に見つかった。
小さな広場に面した窓の大きい角の建物の一階。
zsenneというそうだ。ドアを開けようとすると脚立に乗って照明いじってたおじさんが落ちかける。
裏口から入り直して挨拶。エリック、そして初対面のリュート奏者ヨーゼフ。
いくつかの部屋が連なったけして広くないスペースだが残響が豊か。アコースティックが良さそうだ。
エリックとプログラムの話、企画段階から僕のソロとエリックたちのデュオ、ということになっていたので
それをベースに彼らのソロもやることに。僕のソロは長め。

僕は腹は減っていないが彼らの食事に付き合う。エリックのマネージャーのジャズパーも一緒。
エリックはどうもアジア料理好きみたいで今回はベトナム料理。こないだ近所でタイ料理屋に入ったな。
僕はジャスミンティーだけ。ヨーゼフはベジタリアンだそうでアメリカとこちらを行ったり来たりしている。
食事をいながらいろいろと話し。三人はフラミッシュですぐオランダ語になる。英語は全員かなり流暢(俺除く)


戻ってまたゆっくり、まあワインでも頂く。
一緒に日本を回ったウィンボと久々に再開。劇音楽を作っていて忙しかったそうだ。

あえて嬉しい。
のんびり始まり。最初はエリックのソロ。日本でもやったa snare is a bell.

この場所の残響を期待、さすがに物凄い小さなロールからすでにいくつもの音色が聞こえて陶然となる、
しかし残響が深すぎてロールが大きくなり響き線が入るとちょっと音が混乱していて残念。
最後に音量が下がったあたりで急にまた例の複数の人の声が聞こえてエンド。
次はヨーゼフのソロ。彼のリュートはとてつもない複弦。昔の楽器は弦が多い。


音色は美しく、いやひたすら美しい音楽なのだ、が、あまり面白くはなかった。良いんだけど。
次に僕。オブジェクトも用意して座る。
残響を確かめるように息の音から試させてもらう。いい感じ。ただお客の集中度がまだつかめない。
(ベルギーにしてはありえないくらい静かな客立ちだけど)
音量増大、音色、リズム、笛音、色々使って最後に試したことのないことをした。
皮を貼って串100本使用。最終的に木の串は全部床にバラバラと落ちていった。
自分の周囲から降ってくる100本の串。ウィンボは「木の雨音のようだった」という。



休憩挟んでエリックとヨーゼフのソロ。

ヨーゼフはソロと同じで美しいまま、エリックはコンサートベースドラムを共鳴体として様々な音。


とてもじゃないけど太鼓の音には聞こえない。特別だ。
普通の特別の融合。ヨーゼフって多分元々ロックやってたんじゃないかな、と思った。
ロック的なことは一切やってなかったが、そんな感じがした。
終了後はその場で継続飲み。ワイン一本槍。

この場所はまだ新しくてこの出し物でまだ2回目。これからいろいろやっていきたいということでこちらからも話をした。
関係者やお客もフラミッシュ中心でまた色が違う。面白いことが出来れば良い。
12時過ぎくらいまで飲んで話してお開き。
エリックとは再会を誓う。夜道を安全に帰ることに成功。
途中でナイトショップに寄って珍しくビールを買って家で一人飲み。
蝋燭の灯の前で飲んでると静かな気持ちになる。
はたして、あのソロはなんだったのか、自分でも分からない。また謎が増える。
ロウソクは内省的な気持ちにさせられる。そのままグースカ寝る。