ムダランビックにライブ飛び入り

爽やかな目覚め。
朝食は鶏椎茸中華粥にワッフルにマテ茶。何人か分からない。
外は快晴 日差しは明るく部屋のなかは涼しくて快適 
欧州友人たちに貰った謎の音源が詰まったitunesをシャッフルでかけて聞いたことのない音楽が部屋に流れ自分で作ったうまい飯を食いたまにtubaを吹く 
極楽過ぎて部屋から出る気が全く失せてしまう
今日ライブ飛び入りしに行くムダランビックというベルギービアバー 1号店は家の近所で狭いのに400種類のビール常備 
今日やる新店は生ビールが40種類・瓶数百種。常に季節の良いものが入っている
千円ちょっとも出せば大瓶ボトルが飲める 普通のは200円位から。楽しみじゃい

ヤンに開始の時間を聞くがよく分からないという。
まあこちらもゆっくり飯をくって(昨日のカレーの残り)のんびり出かける。
ついたらまだ全然始まってない、9時過ぎ。

ヤンとソフィアンは知ってる、打楽器のピエールと弦楽器のヤニは初めて。
ソフィアンは前にスクワットに住んでいたときにルームメイト。
ヤニは一見してアフリカ系で後で聞くとアルジェリアとフランスのハーフ。
持っている楽器はコラ、かと思ったらンゴニだと言われた。よく似ているが弦数が少ない。

ペグもついて使い勝手が良さそうだ。
まあビールを飲んで待つ。ギタリストのクレモンが見に来た。
ぼちぼちで開始。僕は最初は見ていることに。
キーがンゴニに合わせているので2,3しかない。民謡をベースにヤニが弾き語り、
ベースと打楽器が伴奏、サックスが合いの手。結構シンプル。
アフロビートバンド、と聞いていたけどあの押せ押せの流行りものとはだいぶ違う。

かなり味に聞ききよい、いわば「女性っぽいアフロビート」という感じ。男だけだが。
ここらで入るのかな、と思ったら休憩だった。
その後は2部の最初から入る。曲はビタイチ知らないがヤンの呼吸を呼んでソフィアンのベースを助ける。
ンゴニはペンタトニックスケールで、欧州っぽい半音階クネクネよりもずっと自分には耳に良いしやりやすい。
tubaの癖に、だがもう一人の歌い手のような感じで演奏する。音量はデカ目、一人PAなし。
気持ちよい演奏。
途中で彼らの友人らしいマラカスを持った男が飛び入りしてきたが、これがウマイの音でかいの。
物凄い細分化したビートを気持ちよく鳴らす。こういう演奏は初めて聞いた。
最後はさらにもう一人が歌で飛び入りしておしまい。

お客さんも踊ってたし(少なかったけど)いい雰囲気だった。
この店moeder lumbicは元々は初めてブリュッセルに来たときに住んでいた家のすぐ近くにある
小さなバーだ、400種類ものビールがところ狭しと並ぶ地元民が愛するバー。
新店のここは、だいぶ雰囲気が違う。元店を愛する人はここにはめったにこない。
しかしここも僕には安い店だ。


元店でさんざん一緒に飲んだティエリが顔を見せたときは驚いた。
今日のライブは誰にもやるって言ってない。彼の家は遠いはずだ。
声を掛けると心底驚かれる。そりゃそうだ、何たる偶然。
フランスとイタリアに出稼ぎに行って(彼が働いた話は始めて聞いた)今日帰ってきたばかり、
新しい彼女の家がすぐそこでここにも初めて飲みにきたらしい。あらま。
再開をとにかく喜び、終演後はかなりゆっくり話し込む。
英語教師でもある彼の英語は非常に分かりやすいし、見かけはおっかないがとんでもなくナイスガイだ。
初めてこの街に来たときに、同じ家に住んでいた。よく朝まで飲み明かして次の昼には真っ赤な目で降りてきたっけ。
お別れの際に、僕ら一人ひとりの好みをイメージしてコンピCDを作って渡してくれた大の音楽好き。

会えて本当に嬉しい。
あの日々から、僕の生活も考え方もいろいろと変わってしまったが、こういう再会は本当に言葉にならない。
閉店準備が始まり案の定最後の客になるまでおり、ティエリの彼女は酔っぱらいお開きに。
再会を約束する。
結構遅くなったのでおっかないが、気をつけてなんとか無事帰宅。

ティエリの彼女がいってたことを思い出した
ブリュッセルでは誰もがマイノリティなの。だからいろんなことがあってとても楽しいのよ。私はこの街が好きなの!」
初めて自分がアウトサイダーであることもマイノリティであることも説明しなくて済んだ。
誰もがマイノリティ!なんて素敵な言葉だ 良い夜だった。