sayonara party@art77 bxl st-gilles

1月29日 milena strange撮影の写真を追加しました


久々に少しはゆっくり寝れた。
明日から旅立つので色々と身支度。
残り物の煮込みに大根を追加して煮込む。うまい。
昼過ぎにブランチの約束にでかける。ミクさんちへ。
ジョヴァンニとパクヤン、こーしさんと愛娘のアイカちゃん、それとミクさんクリストフ。
アントワーヌは静かに小さな建物の模型を組み立てているが弟の楓は相変わらず台風。
バットマンの服を来て飛び回る。一時も休んだりしない。「なんかして遊ぼ!」が口癖。
美味しいひじきの炊き込みおにぎりやケーキもあるのだが手を伸ばす前に楓が飛び込んでくる。

もう大変なのだが楓のこのパワーは本当に凄い。暴れまわる天使。好きなんだ。
どうかこの子にはこのまま大人になって欲しい。凄い男になるぞ。
と思ったら、あらら始まった、バットマンの服を脱ぐとパンツはスパイダーマンでそれも抜いじゃった。

そのまま走り回りお尻見せまくる。もうこの子は。すごいよ。
ミクさんはその後用事ででかけ少しだけ僕らは残って話をしてお茶。
帰るというと楓は非常につまらなそうな顔をするが、初めてこの街に来て日本に帰るときに
みんなで悲しみを押さえていたところでこいつ独りが道で大泣きして帰っちゃダメ〜!と叫んだ。
アレに比べたら大人になったよな、楓。俺は将来お前と一緒にビールが飲めるようになるまでは生きたいよ。


一度家に戻りあれこれ作業をする。家には人が全然いない。
珍しくこの町在住の日本人の方からライブを見に行きたいという連絡があり。詳細を送る。
いい時間になったのでトラムに乗ってミクさんちの近所ベツレヘム広場すぐのスクアットへ。
今日の会場は先月世話になったエジプト人スクアッターのムスが占有する別の巨大スクアットのクロージングパーティー、しかも僕のお別れパーティーも兼ねているらしい。決まったのは三日前。
地図を頼りにいくとなんとかわかった場所は一見閉鎖された廃墟だが中に入るとあまりの巨大さに唖然。
実はここに住むという話もあったのだが、でかすぎる。200人は住めるとかいってたけどもっと入るよ。
消防署を幾つか足したようなとんでもない広さ。路面に書いてある矢印に従って階段を最上階まで
登るとそこは整備されていて元オフィスだったことがわかる。結構綺麗。
まだあまり人も居らずミュージシャンでは僕が一番乗り。連絡をくれたNさんと初対面の挨拶。
程なくしてグレッグたちも来て積み上げ、これがかなりきつい。階段だけの5,6階だもんなあ。

人来るのかなあ、と思っていたら時間と共にどんどん人が増えていく。近日クチコミのチカラは強い。
食事があると聞いていたので腹ペコでいくとスープだけだった。がーん。しかしいただく。
最初のバンドはニコライvlnとバンジャマンgのデュオ、東欧やジプシートルコの音楽を凄い技量で演奏する。


二人の演奏中に客はドカンと増えた。盛り上がる。
次に僕らトランスフォルマシオンの出番。天井は低くそれほど広い部屋ではないので生音で行ける、
と思ったら物凄い吸音されてデッド。しかし構わず吹きまくる。
このバンドはもろにパーティー向けのダンスミュージック(とはいえ複雑なアフロビートやアラブなんだが)で
こういう場にはうってつけ。吹く吹く叩く叩く。
たっぷりやって休憩してまたニコライたちのデュオに戻り短くやると聞いていたがたっぷり。
次の僕らもかなりたっぷり長いことやった。









僕はここらで空腹でガソリン切れ、ここ最近の寝不足と披露もトリプルパンチ。
しかもそういう状態で延々同じリズムを(いくら複雑でも出来るようになると慣れる)繰り返しまくるのに
ふらふらになってきた。俺ってあんまりパーティー向けの人間じゃないんだよな、とはこちらでの発見。
みんなも疲労の色が濃い中、グレッグはその空気が読めないようで延々次に行こうとする。
ハディですらセ・フィニっていってるつうの。このままだと倒れちまうので僕が言って切り上げ。十分。
最初の僕らの演奏初めてから3時間半も経っていた。そらふらふらなるわ。
終わったらメンバー紹介でグレッグが僕の今回の滞在が最後であることを皆に告げる。
大きな歓声、掛け声。僕を知る人も知らない人もみんな、ありがとう。
今回も多くの友人を得たよ。メルシー。
疲れがなかったら感情に飲み込まれてしまっていたかもしれない。


僕はこれからが大変なんだよ、というのをグレッグは想像もつかなかった様子だ。
まず楽器を片付けグレッグから鍵を借りて彼の家に徒歩で向かい、キッチンで楽器のクリーニングをして
地下の音楽室にハードケースで安置。次に会うのは5月末予定だ。


そして鍵を返すべく戻る。そこにはそこそこにしか人がいない。鍵を返しサヨナラの挨拶。
ジョルディ、ジョヴァンニ、ダニエレ、君たちとは今回物凄く物凄くたくさん遊んだ。旅もした。
ほとんど毎日一緒にいたよなあ。ありがとう。ジョルディが少しだけ感傷的になっているのを感じる。
彼と深く毎日いるようになったのは今回初めてだったものね。ありがとう。
ダニエレの馬鹿さ加減はたまらなく好きだ。爆発した時の彼のエネルギーは凄い、忘れない。
ジョヴァンニには言葉では言い表せない感謝を。賢者の冷静さを持つ彼と音楽で熱くなるのはいつも喜びだ。
彼は僕の肩を抱いて言った「キープするんだ、この気持を」
彼は日本のことを良く知っている、音楽で生きることがどのようなことかも。忘れないよ。
グレッグは今日はパーティーピープルモードで見かけるとウォトカを瓶でラッパ飲みしてた。
彼とは今回色々あった、本当に。言い争い仲違い、長い長い話し合い、たくさんの共演。
思うところは色々ある、彼が僕のことを理解出来ないことを苦々しく思っていることを打ち明けながら
「でも君が好きなんだ」と彼がいった年末の深夜。忘れない。
ムスもリズもクリスもノエも、みんなみんな、ありがとう。
なんで帰るんだよ、ここにいろよ、という声がずっと聞こえる。
僕もここにいたい、日本に帰るときはいつも物凄く変な感じがするんだ。
でも日本にも大事なことがいっぱいある。僕を大事だと思う人達が、少しはいる。
もし僕のことを大事に思う人が日本にいなくなったら、僕はここに居続けるよ。
ありがとう。メルシー。


独りで帰るのはこういう時は良い。
深夜人気のない道を歩いていると、やはりこの街が好きなのだと深く思う。
家に帰ったら3時過ぎてて、ようやくこれから本格的なパッキングが開始。
tubaケースが空にならないと荷物が詰めないのだ。もう大変。
思わぬことで持ち帰ることになった荷物があってちょっと大変だ。
ここに置いていく荷物も増えた。来る度に身軽になってこれる。
部屋を掃除機かけれなくてごめんねルラ。
今度も来ていいかい?ときいたら何言ってるのここはブリュッセルのあなたの家なんだから、といった。
最初に来た時から何故か彼女は僕に色々と良くしてくれた。素晴らしい女優で皆の尊敬を集める彼女、
英語がとても苦手で僕と話すのをいつも大変そうだけど、対話はいつも楽しかった。
なんでこの人は僕の音楽をこれ程までに好きなのか、少し謎が解けたのはサンラの話してて。
アーケストラとライブしたことあるよ、というと目を丸くした彼女。
お父さんがサンラに狂っていて、子供の頃から家でかかりまくり子守唄にまでなっていたとか。
素敵なお父さんにも感謝。なんだか感謝ばかりしているなあ。
だってしょうがない。本当にそう思っているのだから。
ここには僕が子供の頃から夢見ていたものがたくさんある。
沢山の友人と音楽。自分のままに生きていることでそれを喜んでくれる人たち。
すぐ帰ってくるけど、こうして日記とか書いていると、胸が苦しいなあ。


片付けも終りなんとか眠れるようになったのは朝5時過ぎ。7時にはおきなくてはいけない。
タンタンもかすんで見える

泥のように就寝。