KuRuWaSan@MUZE antwerp

朝起きてゆっくりしてたら電話のメール、なんだなんだ。ジョヴァンニから。
あ、そういえば今日彼のラジオ番組に出演する約束だった。危ない、忘れてた。慌てて準備。

ジョヴァンニがホストを務めるradio paniqの(un)Limited addictionという番組。
特に打ちあわせもなく始まる。場所は普通のアパートの中。
変わっているのはほとんど誰も人が居ないこと。
ほとんどのDJや担当者は録音したメディアを送ってきて、それをプログラマー
自動的にかかるようにPCに放り込んでおくらしい。我らは思いっきり生放送。

今日の特集は高岡大祐と日本の音楽、ってな感じで、
ジョヴァンニは竹村延和あふりらんぽ、横山勝也(尺八)、富樫雅彦(ソロとドンチェリーヘイデンのトリオ!)他にもいろいろかけてたなあ。
あ、達久君の千山は2回もかけて大プッシュしてた。

始まる3分前に大祐もなんかかけていいよ、って言われて何も用意してなくて
IpodからEttをかけて番組のオープニングにした。山のてっぺん。。
そして最後にはじゃがたらの「でもデモDEMO」で番組を〆た。


tubaソロの演奏はなんと4回。たぶん合計25分くらい。
ジョヴァンニとの会話が弾んでなんか着想しやすく何ぼでもふけた。
横山の前にtuba笛やったのは愛嬌ってことで。


もうここまで来ると下手な英語も開き直りだ。2時間の間にしゃべりまくった。
僕らの大好きな音楽が僕らの大好きな町に自分らの手で流れる快感、そして僕の生演奏のtubaソロまで。

話していてジョヴァンニがこれほどまでに僕の演奏を観察していたことに気づいた。
彼特有の少しシニカルで、でも音楽に対する無限の愛情を感じる。
聴者にも分かるように噛み砕いて、僕の音楽がどこから来たかを話してくれた。


ありとあらゆる音楽のエレメンツをフィジカルに体現する、唯一無二の音楽。
彼はそういってくれた。


全部楽しかった。ものすごく。かかってる曲もあの自由な空気も。
帰るときの足取りの軽さといったら。
次はもっと長くもっと思いっきりやろうって話になった。

一度家に戻ってちょっとだけ休んで食事。
手早く手羽肉と干し椎茸、豆腐を圧力鍋で煮込んで飯を食べる。んまい。
んでジョアオの家にいくのに電車に乗るとグレッグも同じ電車だった。
これは珍しい、グレッグが時間通りに移動している。ジョアオは驚くぞ。
思った通りジョアオはグレッグが遅れると思って30分サバを読んでいたって。
なもんで余裕ででかけようとするとグレッグはアゴウストとチェスはじめてやっぱ少し遅れる。
車は快調にアントワープへ。

何度か来たことのあるMUZEは45年以上続く老舗ジャズカフェ。作りが独特で好きだ。



すでに店の中には沢山のお客。うるさくてタバコ臭いよ。とは聞いていたけどそのとおり。
セッティングしてみると思っていたよりもステージは小さい。僕が一番前にたつことになってしまう。
パクヤンは店のピアノとシンセのセット。他はみんなアコースティック。
10時過ぎからスタート。前にも横にもうるさい客がいるが気にしてられん、ガンガンやる。
ここでは結構普通のジャズが多いらしいのだが、僕らは変わり種だろう。
自分はなんだかしらんが結構ジャズっぽい演奏してたような気がするけど違うかな。
ステージ部分の天井が低くてtubaの音の返りは良い。ベルの方向を変えてあちこちに音を撒く。
グレッグとのコミュニケーションは見えていなくても良好でパクヤンのピアノはちょっと聞こえにくいがOK。
ジョアオは真後なので後ろからどんどん押して来る。早いし〜。かっこええ。



休憩を挟んで二部にはここの名物酔っぱらいオーナーがステージの端っこにちょこんと座って
ジュネヴァというオランダのジンをちびちびやりながら楽しんでいるので演奏にも気合が入る。
この店はなんと毎日ライブをやっている。、ほとんど全部入場無料で出演者はギャラ保証飲み放題。
一体全体どういう経営になっているのだか、人に聞くと
「とにかく彼は音楽が好きで音楽がないとダメらしい」とのこと。

こういうささやかな、しかも偉大な気持ちがこの地の音楽を支えている。
ちょっと終わるのが惜しいくらい楽しんで終了。ちょっとやりすぎだぜ、とはジョアオの弁。

終わってからうまいビールを楽しみさらにジュネヴァの熟成したのは楽しんでいると
エリックとジャスパーがやってきた。
ライブには間に合わなくて残念だがそれでも多忙の中きてくれたのは嬉しい。いろいろとゆっくり話。
飲んだくれの店主の笑顔最高。
tuba笛を吹いている時だけ異様に反応して吠えていたかわいい犬と遊んだり。
夜遅くなるのはかなんなあと思っていたのだが楽しくてみんなでゆっくり。






帰るときはパクヤンの車で帰るので女青砥はここでお別れ。彼はすぐイタリアに出かける。
今回彼との交流が音楽も日常もたくさんあって楽しかった。繊細で堅実で、
どこか儚いそしてとてつもなく素晴らしい我がドラマー。

別れがたきを別れ、日本での再会を約束。次は3月末に彼にとってはじめての日本ツアーで。
車はブリュッセルへ一路。帰ったらさすがに3時半越えてて少しだけ連絡仕事してバタン。