年越し大晦日、イタリアンディナーパーティー

晦日の街はどうなっているか少し散歩。
中心街中心に、だいたい店は開いている、人出はこの数日より少し少なめかな。
新年3日から三日間田舎の豪邸にこもってレコーディングに入るのであまり食料は買えない
けど気になるので近所の食料品店を除く。


今僕の住んでいる南駅周辺molenbeek周辺はなかなかタフな街で柄もよろしくないらしい。
アフリカ系やアジア系の人が多く、店もその人達向けが多い。
大資本のスーパーが殆どない。当然観光客も皆無。


一番明るい商店に入って思わず声が出た。
素敵すぎる。アフリカアジアの食材がびっしり。
特にアフリカ系が素晴らしい。モロッコのものが多いのも嬉しい。
今回はパンも食べるが米をよく食べている。
米はタイ米かバスマティと呼ばれるインド種。
こっちで食べるタイ米は日本で食べてるよりも何故か美味しい。
バスマティはあんまり食べていないけど、水分量はコッチのほうがすくなくて
日常食べるならタイ米が好き。


アフリカ人もよく米を食べるのでたくさんおいてある。
今まで大手スーパーで安い500gずつのを買っていたがどんどんなくなるので
5kg7.5ユーロの袋を購入。
たくさん種類と金額の差もあって悩む。
バスマティで5ユーロも高いけど袋がものすごい良いのがあったけどまた今度に。



オリーブオイルのコーナーでも声が出た。
僕はモロッコ産の精製度の低い香りが強烈なオリーブオイルが一番好きだ。
欧州人は洗練されたものを好むひとが多いけど。
お気に入りの1リットル5ユーロのがあったけど、その隣の中にもろもろが固まりまくっている
ほとんど結晶いりといってよいのに惹かれて決定。
ヴァージンオリーブでこのドロドロさはすごい。


柄が悪いと評判のmolenbeek地区、好きだなあ。生活がある。
どうも僕は移民が多いところの方が性に合うのかもしれない。


こないだ鶏を丸一匹買っておいたので(それでも3ユーロしなかった)
これに米とスパイスと野菜などを詰めて、ル・クルーゼの鍋で蒸し焼きにして
元旦にはサンゲタンのモロッコ風アレンジを作ろうと思う。
うまそう。


こっちでは楽器の練習/ライブもたくさん出来てスキルも上がるが
様々な食材を自由に試して料理の腕も上がっていると思う。
料理と演奏は僕にとってかなり近い位置にあり、食事と音楽もしかり。


今日の朝ご飯の羊の豆の煮込みも最高に美味しい。モロッコのレンズ豆安い。

今晩はイタリア人たちが自分たちのために作るイタリアンディナー、
元旦はベルギー人とモロッコ人が作るタジンが待っている。
おせちもいいけど、ここの食事の多様性には飽きないので楽しい。

さあて、年越しだ。


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夜7時半くらいに友人たちと集合してメトロで移動。
なんと年越しのこの時期は市内公共交通機関は全部無料らしい。
ブリュッセル太っ腹!と思いきや、年越し時期はみんなひたすら飲んだくれるので
酒やドラッグでイカれた奴らが車で事故を起こさないように、という配慮でもあるらしい。

年越しパーティー会場はSIMONISから歩いてのジョアオ、アゴウストたちの住む家。
なかにはいるのははじめて、一階から半地下部分が彼らの家だ。
地下にもぐるともうすでにみんな集まってきている。
主催はアゴウスト、集まる殆どはブリュッセル在住イタリアンコミュニティの皆様。
僕とパクヤンだけがアジア人でベルギー人少しチェコ人少しポルトガル人も。

前菜つまんでいるあたりからすでに食い物にやられる。
チーズサラミハム、どれをとってもどえらいうまい。
僕には分からない料理も多数、どれも郷土料理らしくてうまい。
ワインはイタリアの赤中心、されど本物のイタリア人が持ち込んできたもので
まずいわけがない。飲む度に産地の地方を説明してくれる。
 
 
 
そう、イタリア人は食べながら味について語る。
って俺も一緒じゃんか。
そうか、それでお前イタリア人か?っていわれることがあるんだわ。

膨れ上がる参加人数、別にそれほど大きくもない家に20数人が力いっぱい食べ飲み話し
騒ぎ踊る。ものすごい声量。
アゴウストはずっとキッチンに出入してどんどん新しい料理が出てくる。
もう勘弁してくれ〜っていうくらい出てくるけど、美味しすぎて食べてしまう。

渾身の力作が凄かった、
二つの生地で餡を挟んだパスタ、中はかぼちゃなどが練りこんであるがそこにアマレットを使ったクッキーの一種までが練りこまれていて、ハーブと相まってものすごい不思議な味。
甘みと旨みが渾然一体。なんだこれは?
思わず台所に駆け寄りアゴウストに「日本でレストランやれ!」って叫ぶ。
満面の笑みのシェフ。ピアニストなんだよな、まだピアノ聞いた事ないけど。


この後台所でつまみ食いした羊と豆のスープは腹いっぱいなのにうっかり食べるのが止まらない。
なんだこれは。この甘みのつけ方は僕は知らない。
そして食っても食っても出てくるのよ〜食い物が。
恐るべしイタリアン。

一度食べ過ぎでダウンして休憩を取る。戻ってまた食う。
ジョルディがここはベルギー人の意地を、とばかりに持ち込みのチーズ。
あれだ、herve、ジャムつけて食べる無茶苦茶臭い奴。
見ただけで臭うという強烈な。うまいのよ。

そうこうしているうちにカウントダウンの時間。
でも誰も正確な時計持ってなくて適当に携帯を見て「いまだ!」と
bonne annee!

ボナネーとかボナニーとかに聞こえる叫び声。
皆で新年を祝ってキス。


年が変わる瞬間、はじめてのヨーロッパ。
みんな幸せそうだ。


年を越したので続きは新年号に