eric thielemansのライブ見て、moeder lambicでビアパーティー

さあて、今日もオフ。
昨日の会談主と一緒にライブやる予定だったのが、会談主のほうからキャンセルの意向が出た。
保証されるギャラが低い、そのことを彼は「リスペクトが足りない」という言葉で表した。

でも入場無料、ギャラ固定保証、演奏内容は全部ミュージシャンで決めれて
しかもおまけにブッキングのオファーはこちらからしている(はず)というところで
ギャラが足らない、と(言い得るとすれば)ゴネて、当日キャンセルとは、 やはり日本とは考え方もメンタリティも違う。
あんまりそういうこというとやばいと思うんだけど。
まあどっちもどっち。ものすごい大事なことは、金は関係ないから。


というわけで今晩はキャッチした情報を頼りにライブを見に行ク予定に。
やっぱりfacebookは役に立つ。


久々にコインランドリー、ここで行くのははじめてで昨日は満員で断念。
近所を散歩するとこのあたりはアフリカン地区のようで雑貨屋がアフリカ。
マニオク(長い芋みたいな西アフリカの主食)がどこでも手に入る。
羊の家、と書いてある店は羊肉専門の肉屋で、軒先には首だけ斬られて皮を剥がされた
丸のままの羊の裸体が置いてある。こんなの見るのモロッコ以来だ。
靴が壊れて、いま手元に思い安全靴しかなくて、 ぶらりと見に入った
安い服屋の靴コーナーはいったら、見事に安全靴しかなくて驚き。
これがまたどれもこれもデザインが秀逸。しかし要らない。


まあいろいろ楽しくて 、んで夜はライブ見に行ってきた。
facebookやって良かったなあと思うのは、よそでは告知もしていないライブの情報を
生で得られるところ、しかも地元近所歩いていける範囲で。


エリックティールマンスとコントラバスとギター。

壊しちゃうんじゃないのというくらい弾き倒す吠えるコントラバシストと
ディレイを使わないエレクトリックドブロの踊り弾きする兄ちゃん。
エリック、もう壮絶なかっこよさ。なにこれ。
 

演奏中に誰かが思い浮かんだ、この野性的で攻撃的で創造的なドラム、
そうだ、中村達也だ。
もちろん出自も全然違うが、演奏中のあのシャーマニックなまでの集中力が共通する。
会わせたいなあ。


マネージャーのジャスパーと話して、彼のプロフィールは大変作りにくいという話しで共通。
ほとんど詩みたいになってしまう。
言葉にならない男、と二人の意見は一致する。


別れ際、日本の挨拶、良いお年を、を二人に教える。
うるさい人ごみの中僕の発音の悪い英語はうまく届かなくて
「have a good ear?」とエリックに言われるが、僕らにはそれもいい。
hope see you soonといったら、「当たり前だろ」と言われた。
いつも去り際の挨拶は日本よりずっと長いのがベルギーだが
まわりくどい社交辞令はないのがいい。


というわけでライブ終わって帰ってきたけど、ちょうど飲みの誘い。
呼び出しあり、馴染みの街の馴染みのバーへ。

バーの名前はムダランビック
ランビックとは酵母を加えることなく自然発酵のみで作られるビールのことで
ベルギー南西部の村に住んでいると言われる野生酵母バクテリアのみで作られる。
ムダーはマザー、母のこと。

ここは400種類の瓶ビールがあるという、以前この近所に住んでいたので毎晩通ってた。
かといってとりたてて特別なバーではない、ごく普通の近所の人達が都度って飲む場所。
値段だって普通のバーと変わらず3ユーロから3,5ユーロくらいで
極上のベルギービールが飲める。
新点では12ユーロくらいで1リットルのボトルが飲める。


顔を出したら店内はひたすら満員立ち飲み屋みたいになってる。
いたのは馴染みのラテンコミュニティ、ジョヴァンニにダニエレb、ジョアオは彼のおじさん連れ。
アジア人は僕とパクヤンのみ、他にもいろいろ多数。
 

顔出した瞬間に「あれdaysuke今日ライブじゃなかったっけ?」と言われたけど
それはキャンセルされたの、それより驚いたのは
「あれ、今日はエリックとライブするんじゃなかったっけ?」

あ、それは多分facebookにエリックのライブ見に行きます、と書いたのを
誰かが勘違いしたんだろうけど、そんな間違いを含めてあっという間に街場にいる
ミュージシャンたちに伝わっているあたりがfacebookすごいなあと。
しかもすぐに生身の情報に変換されて口伝で伝わっていく。
このあたりがfacebookいいなあ、と思う所以。
twitterで面白いと思ったことはない、ミクシィは長文で日記の下書きくらいが利点)


まあ年末ということでみんなよく集まる。
なんか日本の年末や忘年会には
「つきあいが大変で…」とかツマランこというの多いが
んならいくなっつーの。
こっちは楽しいから、行きたいから行く。行きたくなかったら誘われてもいかない。


この夜の飛び交い言語はフランス語、イタリア語、ポルトガル語、英語。
スペイン人がいなかったのでスペイン語は出なかった(はず)

ジョアオおじさんはこちらははじめてみたいで、そういう人がいると洗礼みたいに
あれを頼む。ベルギー名物くっさいチーズにジャム塗って食べるやつ。
この店のツマミはこれくらいしかない。(というかだいたい誰も飲みながら食べない)

日本人でブルーチーズ苦手で、なんていう人は来れは絶対無理。くっさいもん。
食べた後に「美味しいトイレみたいな味がする」っていったくらい。
ああ稀釈された糞尿感はまるでスカトロ?
これが香りとボディーの強いベルジャンビアに合うのよ。
間違っても華やかな香りのものとは合わせない方が良い。


僕はmad bitchと異名を取るdull teveとzinner bierのクリスマススペシャルを。
どちらもブリュッセルの地酒だ。んまいなあ。
2杯飲むのに優に2時間半、酒はつまみでメインは会話だ。
だからひどく酔うこともないし、ホロホロ楽しい。


しかし、もう相当良いお年のジョアオのおじさんと初対面で
ほとんどみんな20代か30そこそこの若いミュージシャンたちがひたすらご機嫌に
一緒に酒を酌み交わすって、なかなかすごいじゃないか。
こないだダニエレはお母さんを僕らのパーティーに呼んできていたしな。
日本だと考えられないかな、あ、うちの母親ならいけるかな。



帰る前に衝撃の事実発覚。
明日(つまり今日)でムダランビックは今年の営業を終える。
その前に長期貯蔵用以外のすべての生ビール、瓶ビールを在庫一斉セールで安売りする。
期間は30日からビールがなくなるまで、つまり朝まで!


うぎゃあ、こちとらライブだよ、といっていたけどライブ終わってもこの店は
やっているだろう。表まではみ出す大勢が最後に飲んだくれに来るだろう。
僕も来るだろう。みんな来るだろう。


普段でさえ2ユーロくらいから極上のビールが飲めるのよこの店、
それが安売りって、水より安くなるんじゃないの?
とりあえず行きます。


帰る間際に三人で記念撮影、我らのユニット名yellow jacketsに決定とのこと。
来月ライブだ。ジョルディはいい顔してる。


いつものようにちょっと気をつけて南駅をわたって無事帰宅。
かえったら珍しく深夜にルラが起きていた。2月にある芝居の準備で大変忙しそうだ。
僕が昼間に作った麻婆豆腐もどきをおいしい!と食べてくれた。ありがたい。