リエージュから帰還、kuruwasan@murmure

朝起きると喉がカラカラだった。暖房のそばで寝ていたからだ。
ワタンベはソファーでまだ寝ている。

トシさんがいまマイナス2度だよ、という。
なかはTシャツ一枚で行ける温かさ、日差しも柔らかく感じる。
コーヒーとタバコの時間(もちろん僕は吸わないが)。

ワタンベもトシさんもそこらへんの嗜好は似ている。
朝昼ごはんには白ごはんと豚と豚肉の煮物、味噌汁と生姜の甘酢漬けを作ってくれた。
ほっこりとあったかくて本当に美味しい。こっちで和食にはまるとやばいから慎重に。


トシさんは絵描きだが擬岩師という非常に特殊な肩書きも持っている。
最初は「義眼?」と思ったがそうじゃなくて庭石の偽物を作る職人だ。
これだよ、と持ってきてもらった見本がどうみても本物ソックリ。
捏ねて重ねて塗り削りエイジングまでしてある。
今までやってきたもんを写真で見せてもらったが絶句。
こりゃすごい。崖と滝をまるごとセットで作ってある。

この仕事で、と思ったそうだが「ベルギーは本物の石が安い」のでアウトだったとのこと。
しかしこの職人仕事には日本人の魂を感じる。

お茶しまくって外に散歩。
サンレオナールの公園から病院のある小さな山に登る。
見かけは低いがまあまあある。落葉が美しい。
頂上の病院は元元砦のあったところで銃眼のある石垣が生々しい。
見下ろすと牧羊犬と羊、見あげれば木を刈る職人たち。



住宅の方に降りるとこれは懐かしい階段がある。
ワタンベとデグルチーニと深夜に登った階段だ。


降りるとアーメッドの家が近い。
そのままトシさんの友人がやっているギャラリーを見物したりして一周。
戻ってお茶をしてそろそろお暇。
楽しかった。リエージュにトシさんあり。また遊びに来よう。
 

リエージュ駅は前に来たとき非常に中途半端な作りだったのだが完成して未来駅になってた。
でかすぎて写真に入らん。

なんとかチケットを買い電車に乗り込む。
1等車と2等車を間違えて乗り込み2に移る。
車窓は田園風景、落日が美しい。

MIDI駅に戻ってサンジルまで徒歩。
家に戻ると幾つか様子が違う。
まず設定してあった無線が繋がらない。誰かがなにかいじったようだ。
そしてガスが全部切れてた。これが大変。
風呂にはいれない、料理が出きない、なにより全館暖房がない。
これから恐ろしく冷えていくベルギー。大変だ。
不法家主ムスはなんとか違法にガスを開栓しようと企んでいる。


ライブ出発の準備、今晩はクルワサン@murmureだ。
ワタンベは引越しの準備も完了、今晩から彼はヤニックの家に移る。
ついたらセッティングの時間を利用して僕はフラジェイのフリテリーへ。

なにせ暖かいものが食べたいが家では無理なので。ここのフリッツは評判良い。
プティ、サムライソース、シルブプレ。
前回来たときは閉店間際で揚がりすぎだったが、今回は完璧。
なるほど「クランチー」といわれるだけあって歯ざわりが良い。
なによりあったまる。
戻るとセッティングはほぼ完了していた。
ワタンベはかなり前に出てきている。ドラムは自前とジョヴァンニの混合。
ライブは、うーん。やっぱりバンドサウンドとしてはジョアオが不可欠なことが明白。
これはワタンベが悪いとかではない、この日の彼は結構切れ味鋭くてやりやすかった。
しかしこのやりやすさが「わたんべとdaysukeはあまりにも強く結びつきすぎている」とパクヤンに批判の対象。
そうでもないんだけど、というのが二人の印象。
まあしょうがない。多くは語るまいここでは。
 

2部も終えて友人たちと乾杯。

2年前になか良くなったドランケンシュタインのティエリが来てくれた。
彼はほんとおもしろいやつだ。
明日からデンマークにいくということで帰ってからの再会が楽しみ。
飛行機嫌いだから10数時間バスと船で行くんだって。日本にも行きたいんだけど、という。
みんな待ってるよ。

ワタンベを途中でおろしてパクヤンちで機材積み下ろし手伝って帰宅。
寒いけど無理やり寝る。