trance formation@cafe roskam

いつものことなんだが、朝ある時間になると家の猫がやって来る。
ドアを押し開けてにゃあと挨拶をして擦り寄ってくる。
すでにごろごろと鳴っている喉を撫でてやると首を横にむけてこっちにしてくれという。
そのまま寝転んで自分の腹の上にのっけてやるとその上で気持ちよさそうに眠る。
不思議なやつだ。

昼飯を仕込んでいるとなにやらキッチンが騒がしい。
ムスが腕をかけて魚料理を仕込んでいる。ここでは良い魚は高級品だ。
今晩のパーティーに仕込んでいる、ということ。そうなんだ知らなかった。
ということは今晩はなかなか大変そうだ。
夜出発前に昼食のような夕食。羊肉の豆煮込み。匂いでタジンか?といわれるがちょっと違う。

あっさりした味付けで羊の味わいバッチリ。
食い終わったらジョヴァンニの車で待ち合わせて会場へ。

セントラルはクリスマス前の週末ということで遊びに出ている人たちや観光客たちでごった返し。
車も混雑していてジョヴァンニはイライラ。おまけに会場であるロスカムのある当たりは
通行止めになっている。ただでさえ一方通行ばかりなのに。
まともにはいけないのでだいぶ先からバックで入ってなんとか店の前まで。
今日のライブは店の告知でも町中の告知であるアジェンダでも出ているので集客は安心。
一昨日会話中断してどっか行ったグレッグとも別にそのことには触れない。
セッティング、今日もマイク使用。
ビール頼んだら何故かウィスキーが出てきた。受け取ったらいつもより多くチケットを取られるが
なんとなく流されてみて飲むと大変うまい。怪我の功名。
ライブは全編ダンスミュージックでフロア大変に盛り上がる。
こないだのことがあったから僕の演奏は職人に徹してみた。
そのせいか、昔のことをよく思い出した。
だんだん音の情報量の多さ(太鼓が三人、そして音数がムチャクチャ多いジョヴァンニと曲の繰り返し)で
頭がボーッとしてきた。トランス?

2部の最後の方になると客席はもうばかみたいな盛り上がりで酔っぱらいのばかみたいな客が
調子に乗って騒ぐのであちこちでグラスが割れ物が壊れる。
ステージに上がってこようとするバカもいるんでなにかあるといけないので片手を開けておく。
いざというときには自衛しなくてはいけない。
というような大バカ騒ぎのライブとなった。
なんだか差し入れのビールなどを飲んでちょっといて片付け。
客は引いていったが残った友人たちは多く、演奏者たちはこちらでふつうのコトのように
長い長い話の時間。どうもライブ終わった後はちょっとだけ楽しんでさっと引き上げたくなるのは
日本人だからか?とにかく後が長いのだ。時には朝まで最低でも数時間、サヨナラの挨拶だけで20分。
ワタンベもそのようなので僕ら二人は先に歩いて戻ることにする。
ライブ後にセンターから歩くのは気持ちが良い。

サングラスハウスについてリビングに上がるとライブ会場にも来ていた友人たちやその他も多数。
広くはない部屋に最終的に20人以上が集結。
ムスの自慢のエジプト料理魚のオーブン焼きが登場。
タイのような形をした少しスズキにも似たふっくらした白身の魚を金属のバットに野菜やハーブと敷き詰めて
オーブンで焼いたもの。力作だ。

大変うまい。ベルギーに来てまともな魚を思う存分食べたのは初めてかもしれない。
ベジタリアンのパクヤンはもちろん何も食べるものがない。いいのだそれで。
誰も頭は食べないので残った頭をかなりの数もらう。うまいのだ。

食べ終わったらまたビールが回されてCDは大音量で流され(主にエジプトエチオピアロッコ
そのうちそれに合わせて楽器が演奏され、そのままグレッグがゲンブリをとってグナワをやり、
ロッコ音楽に詳しいのも詳しくないのもそれに参加、マチューが狂ったように子どもシンセを引倒し
あげくにアコーディオンを取り上げて演奏し始めたもので、ついに旧マチューバンドのライブになった。

住宅地のど真ん中、夜中2時半から。すごいもんだ。
ドラムこそ入っていないがドラムよりうるさい打楽器がなんぼも入っている。
この中眠れるかどうか非常に心配だったが、うまいこと疲れもあってとなりの大音量の演奏と歌声を
子守唄に無事爆睡。