eric thielemansライブ鑑賞@アントワープ

一転して良き日。



朝久しぶりにゆっくり起きた。たまにはこんなのも良い。
朝飯はホットサンド、初めて使う機器。
キノコ、トマトチーズハム、例のトリュフマヨ。これがかなりうまい。


馴染みのカフェでジョヴァンニとパクヤンとお茶して昼過ぎにワタンベ拾って散歩。

終わりかけのフリマはごみの山。
ちょっと調子よくなってきたワタンベ。
変な中国風建物を発見。
 
行ったことのない楽器屋を多数見つけて散策。特に収穫はない。

昨日行った電気屋wifiのレシーバーは購入、これもかなり安い。
wifiのタイプがgで僕のpcは対応していなかったのだ。
帰りにスーパーに寄り悩みすぎのワタンベを置いて帰宅。


pcにセッティングしたらレシーバーはすぐ動作。おお、これで生まれて初めてのwifi設営完了。
さすがに早いなあgは。
出かける前に夕食、連日のカレー風アジア料理を今度は炒め飯にしてチーズを載せてタコライスみたいにした。
これもまたうまい。

ワタンベと一緒にMIDI駅へ。berchemというアントワープの隣駅まで。
どうもこの時間は接続が悪く1時間近く電車がなかった。
しかし週末で往復チケットは非常に安い。往復7,5ユーロ。
お茶をしてから電車に飛び乗る。車内は帰宅で結構混んでいる。
アントワープの一つ手前のberchemで降りてネットで調べた地図をもとに作った手書き地図を参照に向かう。
結構わかりやすい場所にバーroot/witはあった。
すでにライブは始まっていて慌てて中に入る。古い感じのカフェ(こちらではバー)は客年齢層高めで
満席立ち見。入り口付近のなかなかいい場所で我らも立ち見。
編成はサックス、コントラバスにドラムはエリックティールマンス。
ひゃあ、エリックかっこええ〜。
エリックがジャズをやるのは初めて見るが期待を裏切らない、というかどこまでも彼でしかない音。
曲はオーネットやスタンダード、オリジナルらしき曲も演奏しているが、日本では大多数がこれをジャズとは言わないだろうが、
紛れもなくジャズだ。客の反応もかなり最高。ベルギーでは珍しく熱心に聞き反応する客多し。
途中少しだけエリックと目が合うが基本的に演奏中の彼はトランスしているかのように集中している。
といって忘我のエクスタシーでも自閉的な表現でもなくあくまで覚醒した野生動物のような。
しかしある種シャーマニック、しかし音に淫することなく。ああ、まどろっこしいな文章は。

ワタンベには千回くらいおすすめしていた彼、やっと見せれてどうかと思ったら聞くまでもない。
ワタンベの興奮は背中を通して感じられるほど、けしてダンスミュージック的ではない音楽で
こんなふうに自然に体を動かして踊る彼を初めてみた。俺も嬉しい。

しかしかっこいいなあエリック、なんだこれは。
サックス吹きは長身アルトとフルート持ちかえ、ノーマイクだがとてもいい感じに聞こえる、端正な白いオーネット。
コントラバスは非常に若い、彼だけ楽譜を用意、というのもイタリア人ベーシストのマノロがダブルブッキングで急に来れなくなった代打だ。
大盛り上がりの1部終えてエリックと挨拶。相変わらずパジャマみたいな格好してる。
ワタンベを紹介、ふたりともあっという間に意気投合。ええぞ。
こちらの地ビールde konnick(つづりあってるかな)で乾杯。
いろいろと話す。この店はこの界隈の地元に愛され支えられた場所だそうで、雰囲気が親密でとても良い。
大事なフォークロアな店、とエリック。


2部も素晴らしい。もう言葉はないな。
三人ともジャズのスタイルになぞとらわれずに自分の音で表現。
ジャズを好きなものにはこれはジャズに聞こえるだろう。
近隣への配慮で10時までの演奏、最後はどスタンダードだったが久々に良いジャズを聞けた。
終わってからもエリックと乾杯。ここにはde konnickのクリスマススペシャルがあったのでもらう。
少し甘みとスパイスが強い感じ。普通のより好きだな。
なんかやっぱエリックはたまらない感じがする、演奏も話も。その空気が人と音楽の直結を雄弁に物語る。
少し突っ込んだ話をして、なぜ彼が今の心境に至ったか、の一端をつかんだ気がした。
とても大事なことなので文章にはしない。
勝手にひどく納得した。


サックスのベンの物販を見ると一枚だけエリック参加CDがあって、悩んだが、
ええいこれを逃したらいつになるかわからん、と思い切って購入。
とはいえ12ユーロ、直接ミュージシャンに金が行くのは良い。
ベンと彼女らしき人は話すと僕のライブを見たことがある、ということ。あらら。
いい感じで話が進んでベンから2枚組のジャズコンピをもらう。これにも彼らが入っている。
嬉しいなあ。ダンケ。
惜しいが時間で帰らねば。エリックとそしてみなと挨拶。いい店だ。また来たい。

この二人、ワタンベのほうが年上・・・。


帰り道は冷え込んできたんだけど聞いた音楽の豊かさでほくほくしていた。
ワタンベといろいろ話、メッヒェレンで乗り換えてブリュッセルへ。
うちについたらソフィエンもいて三人でワイン飲んで音楽の話、またまた盛り上がる。
彼は明日ここを引き払いマルセイユに向かう。
帰ってきたらセッションしよう、と約束。
こうやって友達は増えていく、加速度級に。
気持ちよく就寝。