マチューと会う、mokerライブ鑑賞@vooruit gent

快適な朝の目覚め。
朝食をとりゆっくり。
ソフィエンはいつものようにCDをリビングで聴いてアコギを遊びのように奏でる。
これがとても面白い。テクニック派のベーシストが弾くので独特。
毎朝密かな楽しみだ、
少し話していたらおすすめ音源集を貸してくれた。
DVDの中につまったそれらは、かなり興味深いものばかりであり難く頂戴する。
しかしなかなかPCが読み込まない、おかしいなあと思って盤面見たらものすごい汚れてた・・・。
キレイにしてなんとか頑張って半分くらいは読み込んだ。


昼にはマチューハーとの会合。
パクヤンと待ち合わせてMIDI駅まで歩いてすぐ。
彼女のナヴィで行くと正直ろくなことがない…。
頭に地図を入れることできない娘。
遅れてワタンベもやってきて合流。
マチューは先日1ヶ月のアジアツアーから帰ってきたところ。
相変わらずずっと飛び出続けるアイデア、止まらない話。
どこかが共通する特別な友達。
息子のアンジェルは昨日より調子良さそう。
レゴやってmacでゲームやってチョコレート舐めてる。
パクヤンとマチューがフランス語会話になったらワタンベと日本語で話す。
ごくたまに彼と誰かを交えて英語で話すときもある。
ここでなにか妙な音がする、と思ったら自分がずいぶん前に出したソロのCD-Rだった。
洗濯機が壊れているのかとおもったら自分のtubaの生音で笑った。
ラジカセで聴いても案外音が良い。マチューのお気に入り音源らしい。
アナログじまえ録音、懐かしい手描きの盤面。悪くない。
 

途中でアンジェルの母親のルラもやってきた。さすが女優、相変わらず綺麗だ。
美しい母親に天使のようなアンジェル。
マチューの豆料理もいただく。皆はワインで僕はひたすらお茶。
パクヤンは先に帰りその後に僕らもおいとま。
近い再会を約束。


家に戻り少し楽器の練習。ネットはあまり繋がらない。
軽く食事。
パクヤンちで待ち合わせてゲントにライブ鑑賞に出かける。
vooruitは懐かしい場所だ。4,5年前に渋さ知らズで出演したことがある。
その時のライブを今につながる何人かが見に来ていた。ジョアオもそのひとりだ。
ここが初めてやってきたベルギー、まさか戻ってくることになるとは。
相変わらず古くて立派な美しい建物、ジョルディの招待で通されて部屋へと急ぐ。
今日は彼の参加しているmockerというバンドのレコ発ライブだ。
tpはbart maris、dsはgiovanni barcera、とも共演している友人。ギターのマティアスがリーダー。
以前渋さで演奏した大ホールではなく四角くて広い部屋だった。
入ったら今まさに始まるところ、お客は満杯。
マティアスのコンポジションをもとに各人がプレイ。
コントラバスの音が少しエレクトリック過ぎるか、そして運転過剰か。
管2本の音がマイクであまり拾われていなくてカーテンが多いせいか音が聞こえにくい。
バルトの音もっと聞きたいなあ。
こちらにきて金管が気になるきっかけになったひとり。
ばしっとしたジャズプレイヤーだがものすごく面白い。声のように楽器を使う。
ジョヴァンニは巨体ながらもものすごくムダの無い叩き方で肘から先のコントロールで多彩な音色をたたき出す。
重量感もスピード感もある。やはり良いドラマーだ。
ジョルディはこの中ではひときわ若さが目立つ。がんばれー。

休憩中にミュージシャンもバー周りにいるのがいい。
バルトに再会の挨拶。相変わらず精力的でよくしゃべる。
ついこないだまでコンゴにいっていたらしい。ベルギー寒いって。
ほどなく2部。
ともするとよくある複雑系ベルジャンジャズになりそうなのだが、少し愛嬌のあるアレンジは
やはり少しベルギー・フランドルの感じ、後半の方が勢いもあっていいなあ。
曲の感じが安定して(コントラバスが運転しすぎ)いるときよりも、危うげなときの方が
断然音楽が面白くなる。予期できない動きが音楽にエネルギーを与えるのはどこでも。
インプロだけが良いわけではないが予定調和にならない方が良いのは当たり前。
アンコールはちょっとぐだっとした始まりからが良かった。長い拍手。
パクヤンは集中して聴いていないのが見え見え。
ワタンベは楽しんでいた、僕っらにとってこちらのミュージシャンを見ることはいろいろと学ぶこと多いからね。


終演後もくだけた演奏者たちとわいわいと。
さすが酒場のインプロレーベルオーナー・ロジエの主催で楽屋には上等なcavaがシャンパンのように
ぽんぽん開けられパーティー気分。少しいただく。
ここら辺のメンバーはとにかく明るくて精力的だ。
再会の挨拶を交わす面々も増えて、さあいつ共演しようか、とみんなに話しかけられて嬉しい限り。
ここにも仲間や友人がいる。
インプロってのはどこいっても音楽の世界ではマイノリティなんだけど、かならずそれを愛する人はいて
結びつきは早くて強い。
音楽に限らず予期せぬ何かが起こることを心底楽しむインプロの姿勢が、なにか通底して音楽以外にも働くのだと思う。
音楽は国境を越える、なんて全くの嘘だが、音楽を携えた個人が、その歩みによってそれぞれのボーダーを越境して動くことは可能だ。
みんなそうやって自分で歩いている、いい。


ぼちぼちと別れを告げて車でブリュッセルへ。
途中でみんなで今日のライブの感想を述べ合う。
あっという間にサンジルへ。感覚的にゲントとブリュッセルは京都大阪間だ。
三人と別れ家へ、しばし音楽を聞いたりしてお茶飲んで寝る。