boilerz+1/kuruwasan@salle jeanne

また朝からリハ、堪忍してくれ〜毎晩朝帰りだっちゅうの。
でもしゃあない。今日はワタンベの集中特訓。
明日のトランスフォルマシオンのライブに打楽器のオリヴィエが参加できなくなってしまった。
リズムはとにかく難しい、というわけでグレッグと三人で地下室。

しかしこれは僕にも良かった。どうしてもわかりづらかったところを確認できた。
ほとんど出来るようになった気がする。
AからBにひとりでいける。


ようはアクセントの位置とニュアンスが違った。
東京弁大阪弁の違いのようだ。
僕の名前である高岡大祐、というのも
大阪地元民は

→→→→
○○○○
たかおか


と発音するのに、東京の人の何割かは


 ↑
 ○
たかおか

と発音することがある。
そのようにアクセントのポイントや強拍の感じ、ニュアンスが違う。
その違いをやっとキャッチできた。


いい財産だ。
日本にいたらこういうようなことに、たとえ習い事でも教わる機会はない。
ここベルギーで、ベルギー人ジャズ打楽器奏者とモロッコ人のアフリカリズムバリバリ、
フリーからグナワまで造詣深いベルギーサックス吹きと二人の日本人で
実際にかの地で体験したものから教わって、さらに変えていく。
エチオピア、モロッコベルベル、マリ、ベニンなどのいろいろなものでトランス。
単純にできるようになるのは嬉しい。


+++


ワタンベと飯、今日は少し軽めだがボリュームたっぷりに
ベーコンと各種野菜きのこのクミン炒め、チコリとコリアンダーのサラダ、芽キャベツ煮物、パン。
相変わらず自分飯は最高。ワタンベは黙々と食っている。


結構急いで夕方にジョヴァンニの家へ戻るとまだ誰もいなかった。
夕方からホームセッションの約束、しかしこれもまたベルギー。

少し休んでいるとジョヴァンニが帰ってきた。ジョアオは明日からのブラジルツアーの準備で来れないとのこと。
さっそく楽器を組み立ててピアノトリオでホームセッション。
ジョヴァンニの硬質で切れ味鋭い演奏、多彩なプリペアド・グランドピアノ。
ワタンベも僕も非常に静かな演奏。個人的には無心にできて非常に集中できた。
こういうライブ、こちらのバーでは不可能だもんね、うるさすぎて。
いいセッションだった。


ほんでまたパッキングの用意してジョアオの車に積み込んで、でもスペースが無いのでジョヴァンニは
単身電車での移動、アントワープの隣のドゥルン(これもどうやってかくの?)へ。
市内は混んでいたが高速に乗るとすいすい。
途中ジョアオが学生時代にオランダで聞いていたというポルトガルの音楽をきかせてもらう。
ファドやポルトガルギター、反体制のフォークソング、どれも歌いっぷりが本当に素晴らしい。
遠い土地に行くと自分の国の言葉が欲しくなる感覚、わかるよ。

会場のsalle jeanneは僕は何度目か。
隣は大きな家具屋で裏には大きな劇場と美しい裏庭にキャラバンカー。
すべてタフな未亡人が経営している女と子供と音楽家の園だ。
先に用事でこちらに着ていたパクヤンとグレッグもそれぞれやってきてジョヴァンニも到着。
家具を見ていたら上から知った顔が、こないだ一緒にやったギターのクレイグだ、驚いた。
なんでここに?ときくとここに住んでいるのだ、という。

セッティングが終わったらみんなで食事。
ここの飯はうまい、野菜と卵の焼きたてキッシュとビーツのサラダ、じゃがいもなど。
ビールはシュフで、全部うまい。
食べ終わって開始を待つのだが一向に始まる雰囲気がない。
うーんだるいなあ。10時半を越えてもうやろうということに。
最初はボイラーズ(daysuke、ワタンベ)にジョヴァンニがドラムで参加。
どうもこっちのインプロは様子見的に静かに始まるのが多くてなあ、
ボイラーズらしくばしっといきたいんだが。
でも結構沸騰して狂わせてもらった。


休憩挟んで今度はクルワサン。なんだか出ずっ張りだよ俺。
このころには客も増えて雰囲気も華やか。
パクヤンの猪突猛進型提示にグレッグの巨大なサウンド
ジョアオのドラムの迫力がすごい。この細っこい体でどこから。
床がグワングワン揺れる迫力の演奏。


ああ、よう吹いた。
朝から晩まで吹いてた気がする。




終わってからまた乾杯。
昨日は姉妹にあったパクヤンはこちらの名物のスペキュラスというクッキーを貰っていた。

サンニコラスの形をした大きな一枚。 明日はサンニコラスの日だ。
「とても高価なものなの」というこれはたぶん30ユーロくらい。
ライブのあとにみんなで割って食べた。
プレゼントは、こういうのがいいよ、ほんと。


しかしみんなライブのあと腰が重いなあ。2,3時間は平気でいるもんなあ。
こちとら結構ライブ後はスパッと帰りたくなる方。
というかつかれるし朝がつらいよ。
ああ、やっと帰れる。
明日からブラジルへたつジョアオと別れの挨拶。再会はクリスマス前。
よい旅を、とベルギーで日本人がブラジルに旅立つポルトガル人の友人に言う。
一路車でブリュッセルへ。少し寝させてもらった。
ついたら片付けて即寝。