オフ、アレクサンドラのライブ鑑賞

なんでもオリーブ煮込むとうまい。


帰国後(あ、ベルギーです)今世話になっている家の食材一掃ってかんじで
ベーコン、メキャベツ、たまねぎ、セロリ、トマト、レンズマメ、ついでにオイルサーディンも入れて
そうそう、忘れてはいけないオリーブ漬けも大量に入れて圧力鍋で煮込んだ。
味付けは塩コショウだけ。


オリーブオイルを入れて煮込むより味が奥行き深い。
オリーブ漬けは行きつけのモロッコ八百屋で買っている。
ここは値札というものがないのでいくらか分からないが
とんでもなく安い。
ビニールの小袋に山ほど入れて(これで1週間は持つ)たぶん200円もしない。
僕は唐辛子とピクルスと一緒につけたのが好みで、煮物によくいれる。
うまい。日本ではこれもできない料理。


こちらではスープというと、素材の原型がなくなるまでミキサーなどで
どろどろにするのが常識のようで、僕のスープのように食材の原型が残っているのは
ちょっと気味悪がられる。なぜだ。
しかし、食ってみりゃうまい。グレッグは3回お代わりをした。


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昨日は昼型までは雷雨、その後もずっと雨がち。
今週は毎日雨マーク。


晩は市内北側のボタニークにあるsazz'n jazzにライブを見に行った。
フランス人サックス奏者アレクサンドラを目当てに。
会場は古そうな建物でこっちのジャズクラブ、ってかんじ。
ビロードにシャンデリア、年代ものの装飾。

今月は金銭が結構ヤバイんだけど、やっぱライブは見たい。
で、「コンビヤン(なんぼや?)」と聞くと、5ユーロだった。
フランスから気鋭のサックス奏者を招いて、ベルギーでセリー派サックスの代表ベテラン、
それにこの国でもっとも有力なコネクションを持つ実力派ドラマーにピアニストとベース。
高そうなクラブで見て5ユーロ、感覚的に500円。
ちょいとおいしいベルジャンビアを頼んでも1ユーロお釣りが来た。
これだったらみんな気軽にライブ見れるよね。


もんのすごく難しいライン(そうとしかいいようがない)をうねる蛇のように絡み付けるサックス2本と、これいったいどうなってるの?っていうリズム構成、
ドラマー、すごいなあ、涼しい顔でとんでもないテクニックで飛ばしている。
ちょっとベーシストがグルーブに欠ける(この若さで勢いがないってのもなあ)のが残念。
しかしこっちの鍵盤奏者はみんなフェンダーローズもってるのかいな。


アレクサンドラはこちらの女性としても小柄で、のっぽの男たちに囲まれて
ちびちゃいのだが、芯の強さを感じさせる。
けして声高にブローするプレイをしないのだが。
バリトンのBOもなんか腰入れて吹かんやっちゃな、とか前は思っていたのだが
目を閉じて聞いていると、その抑揚のまったくない独特にプラスティックな音色は
音量は小さいのに必ずどこからも聞こえてくる。
こういう音色の音楽もあるんだな、と気づかされる。


終わったら仲間たちと歓談。
ここのところ界隈ではグレッグのバリトン魚事件で話は持ちきりだ。
ベルギーのミュージシャンはもう今後エマニュエルのオーガナイズを受けることはないだろう。
今日のドラムのTeun Verbruggenが話しかけてきた。
君が例のtuba吹きかい、即興やるんだろう?今度家に来てくれよ、
一緒にセッションしようぜ!とのこと。
みんなのおかげですでにブリュッセル界隈では僕の存在は軽く知られており
こういう誘いが多くてとてもありがたい。
(後で聞いたら彼は本当に有力なつながり持ってるから是非やっとけ!とのこと)


終わったらみんなで飲みに行こうぜ、と車に分譲してイクセル、近所へ。
あ、前にきたことあるバーだな。
腹ペコのみんなは食事を注文、食器が並べられた跡にラストオーダー言い渡される。
しょうがない、飲もうぜ。
見慣れない二人の男性はサルディーニャから来たらしく片方はピアニスト。
年上のほうが、俺はヒトナリツジと友人なんだ、といっていて、笑った。

ジョヴァンニとパクヤン、それになんだか華やかな雰囲気の中年男性がやってきた。
彼らの近隣で、ミュージシャンらしい。
昨日夜中3時に、ディナーに誘いに来たという、変な人。妙に好印象。

こちらで飲む、とういことは酒をつまみに会話することだ。
1時間にビール1杯くらいしか飲まない。
僕はオルヴァル1杯で2時間。
なんと華やか中年はオルヴァルを知らなかった!ここに住んでいるのに?
それは日本に住んでいて・・・ないな例えるものが。
名前的にはエヴィスビール知らんとか、そういう感じ。
聞いたらあちこちに家があって、年がら年中移動しているとのこと。
君と一緒だよ、って言われたけど、ちょっと違うよ。
なんだか顔に独特の魅力があって、思わず話してしまう。
ちょっと砕けたような、力の抜けた、しかしどこかタフそうな。


そういえばこんなチラシみつけた。


アレクサンドラは少しお疲れだが、皆がフランス語に会話を切り替えると
気を使ってわざわざ僕に英語で話しかけてくれる。
フランス人なのに。
いい子なんだ。声がとてもチャーミング。サックスもどっしりしている。
こんな子です。
http://www.alexandragrimal.com/
たまに日本のことを聞いてくる。それも面白い切り口で。


腹ペコのグレッグとお疲れのアレクサンドラと、眠い僕は先に引き上げる。
まだ話したりない人たちは居残り。もう2時だ。
ものすごいのっぽのグレッグとアレクサンドラが並ぶ。
風の強い寒い夜空の下、彼女をジョヴァンニたちの家まで見送る。
次あったときは必ず一緒に演奏しましょう、と約束。


気分よく家に戻りグレッグは僕のスープをいぶかしがりながらお代わり。
いろいろ話をして、僕はネット上で小説を読んで就寝。