泉邦宏x高岡大祐x池澤龍作@西荻窪clopclop

泉邦宏as 高岡大祐tuba 池澤龍作ds
まず西荻窪が久しぶり。アケタの店もなくなるというビンスパークにも顔を出すことなく
一時は短い期間であるけれども根城を持って滞在していた場所。
clopclopにくるのも10年ぶりくらいではないか、と思われる。


ライブはこれが楽しかった。
泉さんのパワーはとどまるところを知らない。
近々の幸せを前にして湧き上がる愛の音楽。
池澤君の一歩間違うと自閉症になっちゃうんじゃないかという(音楽家はたいていそうだけど)
狂気すれすれの集中力が見せる演奏も白眉。

僕は、極最近手に入れたリズム感覚、ソロや梅津さんとのデュオで発揮できた特殊なタイム感、日本人だから「間」といえばいいか、それがどこで演奏しても良いことを実感した。
新しい自由への手法の発見、これは限りない喜びだ。


2部は泉さんの提案でお互いのソロのリレーから。
tuba笛ソロやって、池澤君のドラム解体ソロ、泉さんのサックスソロ。
ここで初めて落ち着いて泉さんの新しいサックスの音を聞いた。
基本は唯一無二の泉サウンド、前の楽器に比べると音はクリアで、
前の楽器の音がディストーションかかってたのね。
あれも好きだったけど今のきれいな音もとてもよい。


ここで足もとがぐらりとするような気持ちになった。
泉さんの吹くwe shall over come、泉流のブロークンなメロディー。
ライブ直前に話してたことを思い出して瞼が熱くなった。
このクソッタレな世界を、どうやったら良くなるかなあ。
今の泉さんの言葉と音の完全な一致。
911に飛行機が突っ込んだあとの横浜ジャズプロで「歌わせてください」と
星野羅針盤絶唱しにきたwe shall over comeを思い出した。

愛なんていうとあまりにストレートすぎて引いてしまう人も多いかもしれない。
特別なものでもあるが、僕は日常的にそれといたい。
音楽だけの人生だったはずが、僕も変わってきた。

ライブ後は楽しすぎて杯を重ねる。
古い知人たちも来てくれていた、泉さんと昔やっていたバンドで良くお世話になった方たち。
お互い続けていると、いつかはまた会える。


カウンターでは西荻窪によく来ていた頃の話になった。
あの頃はお世話になった人がいて、とその話をしていたら、
なんと本人がドアを開けてやってきた。
古澤良治郎さんだ。
10年ちょっと前に右も左も分からない大阪から来た僕を誘ってくれていた。
泊まるところも食うものも演奏する場所もないときに全部面倒見てくれた。
久々の再会、しかもこのタイミング。驚く。
そのまま久々の会話。ライブしましょう、いいよ、の一声でライブすること決定。


いろんなことがたたみかかって起こった夜だった。
ねぐらに戻り、昼間の長時間ウォークもあって心地よい大疲労であっという間に寝た。