楽器博物館、fete de la musicはじまる

新しい友人でマルチリード奏者のジョルディはジャズ学校の卒業試験がある、
ということに見に行った。会場は有名なあの楽器博物館のホールだという。
前から見に行きたかったので博物館を先に見る。


受付で「学生か?」といわれる、いや違う、という。
「26歳までの年齢か?」と聞かれる、思わず26歳と答える。
じゃあ4ユーロ、と値引きしてくれた。ヘッドフォンを受け取り荷物を預ける。
年齢証明が何もないけど、っていったら、いいんだそんなのは、だって。
というわけでdaysuke26歳は博物館を巡る。


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もう、あかん。
アメリカ人ならオーマイゴッドというところだった。
圧巻の展示。
古今東西ありとあらゆる楽器が陳列されている。
建物自体がアールヌーヴォー期の傑作ってことで本物。
陳列のセンスもなかなかよい。


なにせヨーロッパ、クラシック/非クラシックのヨーロッパの楽器の揃いが凄い。
アフリカもアジアも好きだが、とりわけ産業革命前後あたりの楽器の発展は凄い。
tubaは諸にそれで発展した楽器、形にしたのはベルギーのアドルフサックスさんだ。
プリミティブな管楽器群にやられまくる、ヘッドフォンからは演奏が聞こえる。
19世紀後半には数多くの管楽器が生まれ消えていった。
SAXHORN、つまりサクソルン属はサックスさんの作ったこれらであるが、
僕が理想に見ていたような楽器がいっぱいあった。
物凄い細長いtuba、欲しい・・・。
ベルが蛇になってるんも欲しい、絶対に音悪いけど。























まあそれに限らず何でもかんでも、ピアノのコレクションは圧倒的、個人的にオルガンと
ピアノ以前の鍵盤弦打楽器がたいそう楽しかった。
民族系も勿論、電子楽器コーナーにはWiiまであった。


2時間駆け足で見て回って(また絶対来るぞ)5階のホールへ。
ジョルディとコントラバス、ドラム、ピアノはジョヴァンニだ。
オーネットコールマン、ショーター、コルトレーン、ユゼフラティーフに捧げるオリジナル。
クラシックに向いたホールではドラムがうるさかったけど音はとてもよい。
ジョルディは若々しいジャズサックス、って感じ、でも日本みたいに臭いジャズではない。
(こちらではアメリカンなジャズはトラディショナルジャズ、そうじゃないのは全部ジャズ)
これからが楽しみだ。


屋上の有名なカフェに行ってビール。
ブリュッセルが一望に見渡せる有名スポットだがセントラルのこの風景は味気ない。
博物館なので閉館が早いのも難点。


ジョヴァンニとセントラルをほっつき歩きフリッツ食って
パクヤンと合流してからタイ料理レストランでディナー。
それから家の方向に戻って遊びに行く。


今日からfete de la music、フランス語圏ベルギー全体の音楽フェスだ。
以前ライブした巨大箱recycleartは満員だがまだ始まっていなくて近所の教会へ。
これがまあ日本人だと相当驚くようなでかい壮麗な教会。
なんという威圧感、これが欧州のやり方だな。



中央のステージ、最初はエレクトロソロ、macから何か発信させて小音量のノイズから
中盤は竜巻のように教会の内部を旋回するノイズ暴虐の嵐。
教会でノイズっていいわ。いろんな音がする。収束は小さな音で、台風が去っていくかのよう。
彼は坂本龍一とやってるらしい。

次はサックスアンサンブル+キーボード。
ライヒ、グラス、ライリーなどのミニマルの名品を演奏。
キーボードがちょっとでかすぎる。サックスの残響が素晴らしい。
サックス奏者は最初から最後まで循環呼吸演奏、とかで大変そうだ。切れ目ないもんな。
ライリーのだと思う、短いループが重なって消えていくのはラップトップ使用。
響きはいいがクラシック奏者だとちょっと冗長。
いきなりライヒの手拍子の音楽、これ大学のときやったなあ。
最後はサックスアンサンブルだけでライヒのディファレントトレイン。
生で聞くの初めてだ。ちゃんとアレンジもされている。
エンジニアのラップトップ操作小味だしも利いている。
なかなか良いコンサートだった。


次のがエレクトロソロで目玉、あるとても有名な人らしい。
なかなか出てこない間に早く出てこいと拍手する馬鹿どもがうっとうしい。
満を持して登場。ギターとラップトップ。

ラップトップの演奏は危険だ。退屈なのがほとんどだ。
白人がラップトップあけたら危険信号、って誰か言ってたな。
なんかあけ方で分かる気がする。
教会にぴったりのストリングスたっぷりのほわほわサウンドディストーションのギター。
つまらん。
ラップトップとギター組み合わせるんだったら大島輝之きいて出直してきなさい。
有名だかなんだか知らんが。
5分も聞かず退出、したのは数百人の中で僕だけだった。


レシクラではエレクトロパーティーが始まったみたいで凄い人だかり。
なんかエレクトロで踊ってイエイ!って感じじゃなくなってきた。
もっとインテレクチュアのでないと今は駄目だ。
踊って音に痺れてその勢いで女の子にゴー!っていうひとはいいけど、違う。


帰って独りで2種のチーズとベルジャンビア・オルヴァル、赤ワイン、チョコレート。
照明暗めで本を読んで早めに寝た。たまには楽しいこんな夜。