giovanni di domenico/gioavanni barcera/daysuke@el negocito

最近へんなくしゃみで目が覚める。
朝飯を食うと収まる、なんだこれは。


少し買出しに出かけて帰ったら料理
久しぶりに煮込み飯、例の緑カリフラワーと香味野菜多数と鶏肉を圧力鍋で煮込む。
一番大きい皿にサラダを作る、パクチートマトセロリチコリ、オリーブオイルとバルサミコ
パルミジャーノを山ほど削り器で盛大に削ってぶっ掛ける。


近所の何でも屋で買った大きいフランスパンが意外とうまい、これで100円しないもんなあ。
一回でこのくらいサラダ作って半分は一人で食べた、スプーンと大きさ比較のこと。
とりあえずサラダとパンで腹を満たして外出。


15時からクラッピーミニバンドのメンバー集まって明日からのレコーディングの打ち合わせ。
選曲、順番、構成の確認、さらに移動や工程など。
完成直前のスタジオを借りるので機材もいくらかもっていかないといけない。


楽器なしでいくつかの曲の練習、カズーの曲のコーラスあわせがやってて笑える。
結構長くやってお開き。
僕は一度グレッグんちに戻り準備。
途中経過で煮込みを味わうとなかなかいい感じ。


7時に車に積み込みジョヴァンニと二人でゲントへ出発。
途中でダニエレの家に立ち寄り機材を借りる。
彼の家の周りはアフリカン地区で通りにいるのは黒人だけ。
こんなところで二重駐車して余り長いこと出て行かないでよジョヴァンニ。
ここらへんが結構物騒なのは知っている。時間があればゆっくり歩いてみたいところ。
ダニエレとの再会は11月だ。フェラクティのギタリスト・コロボと一緒にレコーディングやる話は前から
進めているし、ともかく帰ってきたらライブやろうぜ。


ゲントへ行く中は音楽聴きながらまた突っ込んだ音楽事情の質問などをする。
ブリュッセルのミュージシャンはゲントやアントワープへよく行くが逆はあまりない。
双方共にブリュッセルから車で1時間以内に着く。なんでだろう。
両方ともブリュッセルよりは小さい都市ながら音楽シーンがあってそこでやっていけるから、らしい。
言うと大阪でやってる人はひとんど京都には行かない、とか東京でやってたら横浜には行かない、とかか。
そんなことやってたら日本では絶対音楽で食えない。それで食えるのはやっぱりこの国ならでは。
自分が旅をする理由のひとつは、食うためでもある。


もはやおなじみのnegocitoに到着。南米料理のレストランバーでオーナー・ロジエはレーベルオーナーで
ジャズフェスのオーガナイザーでもある、インプロ音楽をこよなく愛するナイスガイ。
すでに食事で客は結構きておりちょいとよけて搬入。ジョヴァンニのフェンダーロ−ズは相変わらず重い。
今日の共演者でドラムのジョヴァンニ・バルチェッラはここの顔的ミュージシャンでドラムは一式ここに
置いてあるからやってくるのはいつも遅めだ。
この店で演奏する楽しみの一つに食事がある。
シェフのカルロスの作るチリ料理は評判のウマさ。ベルギーではなかなか食べられない魚介もうまい。
ジョヴァンニdsが来るまでに注文しておく。


料理を待つ間にジョヴァンニds登場、白ひげで巨漢、全身で感情表現するこれぞイタリアンナイスガイ。
久々の再会に猛烈な歓迎を受ける。こちらで共演する中では最長老の一人かな。
この人、なんかやけに写真にはまる、絵になるルックスをしているのだ。
この日のいでたちはフリルのついたデニムシャツにブーツ、なんだかマカロニウエスタン
目はくりくりしてかわいい、白熊のような人だ。
絶対喧嘩強いと思う。

食前酒にもらったサングリアみたいなのがめちゃくちゃ美味い。
今が旬のイチゴを中心に新鮮な果物を漬け込んだ赤ワイン、癖になる。
ジョヴァンニkeyと二人で食事。
彼はマグロのグリル、僕はサーモンのグリル。

シンプルな味付け、うまい。
しかしこちらの人は肉は日本人よりたくさん食うけど魚はそんなでもないんだな。
朝飯の焼き魚ちょっと大きめ位の感じだ。


食事を横目にジョヴァンニdsはゆっくり準備。なんかドラムがデカイ。
最近小さいドラムとばっかりやってるせいか、巨大に見える。
スネアがこれまたデカイ。この人もデカイ。
録音をするといってえらい立派なマイクとレコーダーのセッティングしてた。


1部は三人せーのではじめる。ジョヴァンニx2トリオ。
ジョヴァンニkeyのローズの音はクリアで昨日よりシンプルなセットがきいている。
dsのほうのジョヴァンニ、小さい音量でも凄まじい重量感。見ると動きもすばやい。
重くて大きいものが物凄く軽快に動いている感じ。迫力がある。


これが音量上がった日にゃあ、さもありあんで、重い爆音。
昨日のライブと編成は同じだけど全然違う演奏。
僕もかなりがんばらなくてはならない。
加えてここは人気のレストランなのは良いが、客がうるさい。
最前列の客が必ず大声で話しているのは謎だ、後ろ行けばよいのだが。
聞いているのは後ろの客だったりする。


休憩挟んで2部はソロからはじめようとdsジョヴァンニの提案。
僕のソロ、いろいろ試したがこれだけうるさいと生音だときついところ。
そのまま受け渡してジョヴァンニkeyへ。
モジュレーションをうまく使った美しいソロ。
いったん切れてジョヴァンニdsへ。
うーん、彼の小音量の演奏はたまらない味があるなあ。
さっきふと肩に手を置かれたのだが、手が重い。
あの重い手が器用に重量を運び打撃するとこんな音になる。
ボリュームとスピードがあがって軽四の軽快さを持つダンプカー。
これまた見ごたえ聴きごたえたっぷり。


続いて3人へ。今までやったノリの集大成、という感じで
この三人で(初めてやってるんだが)やるノリを全員がつかんできた感じで
大音量のシーンが多いが、かちっと何かがはまるような、それを揺さぶって崩すドラマー、
構築されては波がかぶって崩れてまた何か出来て。
面白いなあ。
綺麗な感じで終了。


終演後いろいろと話しかけられる。
ここはロジエの尽力によりアートや音楽の発信基地になっている。
おいしい料理につられてくる客も、音楽に興味津々の人たちも一緒に。
キッチンではシェフ・カルロスがガンガンに音楽をかけ歌いながら料理している。
いろいろなギャップが共存。
CD出したら、俺は日本のファンだ、今日は俺の誕生日だ、という酔っ払いのおっさんが買った。
買ってくれたはいいがかなりしつこいのでほったらかす。
詩人だという男も買ってくれた、僕の喋りながら吹く演奏が面白かったらしい。


ジョヴァンニdsはみんなの人気者であちこちで誘われ乾杯している。
細かいことは分からないけど物凄い魅力的な人なんだ。
荒事もOKな頼りになるパパって感じ。
そういえば怪我してたって噂聞いたけど片鱗もないなあ。
大きな感情表現、抱きしめられ再会と再演を誓う。
この人と遊ぶとまた面白いことがありそうだ、面白いこと好きなんだこの人。

ジョヴァンニkeyと何飲もうかと、カルロスに何が好きか聞いたらそりゃあテキーラだという。
さすが南米人である。
大阪の相棒ワタンベも好きなこいつで乾杯。ライムと塩は欠かせない。
こちらではテキーラもウォトカも必ず一気飲みだ。うまいぜ。

じわーんと酔いが身体に染みてくる。酔う気持ちがいいのは、いいことだ。
帰る前にもう一発決めて、明日は早いので名残惜しいけど帰り支度。
明後日にはまたここで演奏するのでジョヴァンニkeyはほとんどの荷物をここに置いていく。
皆に挨拶して退去、一路ブリュッセルへ。
ジョヴァンニのうちについたらシャワー借りてさっぱりして帰って小腹を収めて就寝。