fanfare du belgistan@RTT

今回初、カメラ携帯忘れたので写真なし。


最近起きる時間は平均午前11時台。帰宅するのが3時くらいで寝るのが4時くらいだからまあ普通。
寝室にしているところは日がさんさんと照るのでこれで目が覚める場合が多い。
今日は久々の朝から曇りだ。


朝昼ごはんに豚バラトマトセロリマッシュルームニンニク、豆板醤などをいためてラーメンにトッピング。
仕上げの味付けはハリッサというアラブの辛味調味料。唐辛子とニンニクとレモンなどを練ってあるもの。
汗をだらだらかきながらいただく。


今日はかなり寒い、ということで本格的な上着がないので古着屋にいって調達。
ここにある無数の古着屋はたんす代わりに使えて便利だ、めちゃくちゃ安いし。


今日はイベントということで入り時間が早い、久々にトラムに乗ってRTTへ。
不法占拠地スクアットのような外観の建物、むやみに違法な感じぷんぷん。
ここにはこの2年で何回か来ている、好きな場所だ。
裏庭でマニュがサックスの練習している。彼は今日のバンドfanfare du belgistanのリーダーだ。
中に入るとジェレミーが設営している。彼はこの裏庭に自分のバスを停留してそこに住んでいる。
広い空が見えるところにしか住みたくない、といっていたっけ。
この庭にはたくさんそういうバスやキャラバンがあって人々が生活している。
三々五々集まってくるベルギスタンのメンバーたち、もはや相当な馴染みだ。


一人ずつサウンドチェック、ジェレミーはドラマーだがここではタパンを叩いている。
東欧やジプシー音楽なんかで使われる、大太鼓だが楽器より叩き方のことかもしれない。
たいていは片方の手に太い目の撥、もう片方には細長いしなる撥、大太鼓のように抱えて上にはシンバル。
ニューオリンズスタイルのブラスバンドなら大太鼓に小太鼓が必要なところをタパンなら一台でそれが完結する


しかもジェレミードラムンベースもかくや、というくらい細かく正確なプレイが出来て痺れる。
両打面とシンバルにマイクが向けられていかつい。
サックスのマニュは実はギタリストでここではギターも弾く。
本当にギタリスト?っていうくらいサックスがよい。
この地では珍しいジャズの香りが一切しないサックス、実はベルギーのアルトで一番好きだ。
ソプラノサックスのトムは普段はパリにいる、これがバリバリのテクニシャン。
ラッパのダビッドはしょっちゅう会う気のよい奴で勿論音もよい。
バリトンサックスは我らがグレッグで彼はここでゲンブリも使用する。
スーザホンのマニュ(二人目)は本来ベーシストだがみんなの長い友人でかなり最近から楽器始めた。
パーカッションのハディは最近僕も良く一緒にやってる、モロッコ生まれのナイスガイ。
このバンドはヨーロッパmeetsアフリカの今の形をうまく音にしていると思う。
数あるファンファーレ(ブラバン)の中でもダントツの人気というのもよくわかる。


サウンドチェック中にジェレミーとグレッグが激しい言い争い。
演奏続けるグレッグ、激しいタパンでそれをあっという間にかき消して音を止めるジェレミー
なんだろ?
チェックはこれでお開きになり表に出る。
裏庭には太陽が照っており、キャラバンやバスの裏手のテーブルで食事の準備。
どうやら今日の食事当番はハディらしい。
スパイスを使った野菜と豆と白身魚の煮込みがナベというかつぼにたっぷり、
各種パンやチーズ、ハーブスパイス。
煮込みがうまい、上に生のモヤシ、パクチー、いろいろ乗せて食べる。
みんなで囲む食卓、太陽のした、というのがまたよい。
彼らはこの夏に大きなアメリカツアーに出かけるらしい、こういう日々が続くんだろうな。


ここから僕らには有り余る自由時間。
この近辺に見て回るような場所がないのは散々きているので知っている。
一度出ると入るのもややこしい。マニュは夕日を浴びて昼寝(7時くらいだけど)。
僕は犬と遊んだりそこらへんに生えている怪しい植物を観察したりビールを飲んだり一人でぼーっと。
タイバンのサウンドチェックを眺めたり、結局こうやってあんまり何もしない時間が前後あわせて5時間くらい。


廻状の時頃になるとぽつぽつ人が入ってきた。おいおい今日はレコ発だろう、こんなんでいいの?
9時45分くらいだったろうか、突然何の前触れもなくドラムの爆音が始まった。
Jean-Louisのスタートだ。
エレクトリックトランペットとコントラバスとドラムのトリオ、噂の凄腕バンド。
細分化されたリズムを結構荒っぽく演奏する、小ぶりなコントラバスはかなりピーキーな鳴りで
全体的に爆音だ。ラッパはかなり潰れた音も演奏する、ドラムは思いっきりのよい動物的な。
集中力でやっている感じよりも荒っぽく難しい曲をやっているのがいい感じ。
なるほどいろんな人から薦められたのもよくわかる。
1時間以上ぶっ続けの熱演、ラッパ吹き、よくもつなあと感心。
熱狂的に踊る客、釘付けで聞く客、こんな爆音の中で喋り倒そうとする客、いろいろ。


続いてセットチェンジ後にベルギスタンだ。
僕の出番は2ステージ目に4曲で1部はゆっくり見る。
さすがにメインアクトで客もぶわっと集まってきた。
高らかに鳴り響くファンファーレ。タパンとダルブッカの容赦ない打撃。
「タダのパーティーバンドだよ」なんて言うけど、かっこいい。
本当にこのバンドを聞くたびに日本のホーンの入っている腐れたバンドの全滅を願う。
仲良しこよし技術がなくて愛があればOK僕らには目標があるんだみたいな似非バンドや、
演奏対応能力なんもない、いきってる馬鹿バンド。全部死ね!という気分になる。
全部下手糞に言い訳にしか聞こえない。
ここには気分爽快に、なんもない。
楽しければいいんだ、の延長だがそのレベルが違う。
そして今日気がついたがここにはジャズの香りがしない。
トムもダビッドもジャズ吹きだと思うけど臭くない。臭いのはイヤだ。
結構メローに聞かせる曲が多いのも意外だ。


2部の最初はいきなり参加、この曲は前回滞在中に参加したレコーディングで吹き込んだ曲ブラックスター。
僕は基本的にソロ用の飛び道具だ。ちょっと持込のマイクの具合が悪くてノイズが出るが気にせず。
半ばで前からやっていた曲に参加、その流れでトムに促され次のまったく知らない曲も。
なんだか数え切れない複雑複合拍子だったけど歌うように乗ればソロはするする吹けていく。
本編ラストとアンコールにも参加、トムとの4バース交換ソロ、ソプラノとtubaの落差がおかしい。
大盛り上がりで大団円。


終わった後はitunesでDJパーティー
いきなりKONONOがかかるのはさすがレーベルお膝元ベルギー、ライブもいいけど音源もよい。
フェラクティやアフロものも怒涛。
ライブが終わっても踊り狂うお客、女性が多い。
みんな話しまくる踊りまくる呑みまくる。
本当に遊び倒すよな。
いつ果てるのか、というような状態、ここは市内の僻地で帰る手段がない。
どうしようもなく手持ち無沙汰になってキッチンに夕食の残りをもらいに行く。
なんかライブ後に暇だから食う、っていうパターン多いぞ。
もう帰れる気がしないから、何でもいいから歩いてかえるわ、って言ったら2時間はかかるからやめとけ、
車手配するから、という言葉を信じてダイニングの静かなソファに避難して仮眠。
3時半くらいだっけなあ、やっと車が用意できたらしい、乗り込んで送ってもらいついたらバクスイ。


最後にこの日ではないけどベルギスタンの動画。