会話リレーマラソンの日

二日目のオフ。この日はとにかくよく歩いて話をした。


まず第1のコース。
こちらに来ている日本人友人女性ミュージシャンをナイス古着屋などに案内。
かんかんでりの1時スタート。
いきなり初めての店で靴ゲットしてはりました。
僕は数日前から悩んでいたサンダルをついにゲット、外歩ける靴下なしの生活万歳。
しかし安いなあ。

こんなあほな名前の服メーカーあるんや。


次ははじめてきたときに狂ったように通ったプティリエン、巨大リサイクルマーケット。
いつもたいしたものは見つからないのだがとにかく大量に雑貨があって楽しい。
今日はアフリカ民芸コーナーに珍しくあったモロッコの楽器群に狂喜。
巨大タンバリンというべきベンディール、向こうではタブラといってた陶器製の細身の太鼓2つ。
そんなにハイクオリティじゃないけど、前から欲しかったのだ。
しかもアホみたいに安い。
陶器製のに値札がなくて、なんぼ?てきいたら1個2,5ユーロでええわ、やて。
感覚的に250円、それってコップやんか!

中心街に案内する前に銀行よってさらに歩いて街へ。
その前にお気に入りのBIOアイス忘れず。
スペキュラースはベルギー味、ラベンダーは驚くようなオリジナル。
その後各種楽器店を案内。一箇所素晴らしいところがある。


歩きつかれてのどかわき以前一緒に演奏したカフェでビール。
久々にゆっくり話し。
ここにくると自主独立ミュージシャンたちは思うことが多いのか
お互いにたくさん話すことがある。


パクヤンから呼び出しがありわが町サンジルの中心のカフェで合流して
あ、またおなじアイスの店やんか。
ここでもビール、BIOでうまい。
ここで会話は大阪弁から英語に切り替わる。


パクヤンと二人になり、彼女のチョコアイスクレープをおすそ分けいただく。

うんまい、ああ、一口で思わず幸せになる甘物がこの国にはある。
太陽中毒の彼女とまたしてもかんかんでりの日の下にいると
今度はヤニックがやってきた。
彼は一番付き合いの長いベルギーの友人だ。
三人で話をして、パクヤンは昼寝を取りに家に帰る。
とはいえいま7時過ぎてんだけどね、夜の。


ほんでヤニックと二人で場所をかえてビールと会話。
日本のことベルギーのこと。お互いに自分の音楽をこれからどうして行くか、
相談じゃなくて道をどう持つかということについて。
こちらで結構驚かされるのは、同じコミュニティの人間が同じことについて
話していても、驚くほど見方や見え方が違うようなのだ。
良い悪いという分け方ではなく、とにかく感じ方の違い。
興味深い、もっといろいろな見方も知りたい。


そうしているとフランスからこっちにきたクラリネット吹きのヤンがきた。
僕は初対面、彼はすでに僕のライブを何度か見ているという、ヤニックも彼の演奏は
未見だということ。
生粋フランス人で英語は僕より苦手そうだったがみんなで楽しく数時間。


この間どこのカフェも人でずっといっぱい。みんな僕らと同じように会話しっぱなし。
呑みっぱなしでもある。
ベルギー人は話し好き、会話が一番の娯楽だとも言う。


そろそろ腹も減ったしさすがにくたびれてきたから帰ろうか、といって
外に出てまた一緒に歩きながら話す。


家に帰ったら0時過ぎ、家主はこんな時間に大掃除をやっていた。
軽く残り飯を食って寝る前の準備。


ラソンとリレーを会話と散歩でやっていたような。
よく歩きよく話した。
いろいろなものの見方を万華鏡のように見せられ、軽いめまいのようなくらくら。
ライブはしなかったし見なかったけど、いろいろと得ることが多かった。
自分はそれをここブリュッセルで得る。
そのために、生きるために、生き延びるために、ここに来たのだ。