maiist@maison de purple

よくぐっすり寝た。
ただカーテンがないので明るさで目が覚めた、10時頃か。
二人はまだ寝ていてその間になんだかんだ作業。


おきてきた彼らと向かうのはMIDI駅の日曜マーケット。
ここは食料品が安くて人気だ。規模も大きい。
お勧めのクレープ食べようということでいったらオリーブ屋の屋台、
しかし半端じゃなくてデカイ、日本のファミレスくらいの大きさ。
パクヤンが行列に並んでジョヴァンニと席取り。
彼らはクレープにチーズ・オリーブ・ハニー。僕はそれに野菜を入れてもらう。
クレープはモロッコの油と卵たっぷりのもの。
カッテージチーズはともかく野菜が凄い、カリフラワーオリーブ、アーティーショー、
小玉ねぎ、ハーブ類各種、とにかく数え切れない種類が一つに入っている。
全部マリネードというかピクルス化されていて結構辛味もあってとても旨い。
蜂蜜がかかっている、というのも相当いい、ああ、うまい。
手もくちもべとべとにして頬張って、ミントティとの相性もばっちりだ。


家用の野菜を見て回る。
とにかく量も質も凄くて、売り子は元気に大声張り上げている。
活気のある市場の様子はどこも似ている。
しかしまあ、凄い量だ、何度も言うけど。
ロッコ系の人たちの出店が多く、久々のモロッコ菓子を歩き食い。
甘いなあ、旨いなあ。


途中でサンダル屋を見つけてみんなで物色。
今回僕は荷物が非常に少なく日用品もまたそろえる気で来た。
皮のサンダルによいでものがあって購入。
そういえばこちらではじめてのまともな買い物だ。10ユーロ。
みんなもそれぞれ買ってる。

この後家に戻りまたしても作業。
そして個人練習。
なにせ借りている部屋はスタジオなので(防音とかないけど)いつでも練習できる!
グレッグから借りてきたベルギスタンの飛び切り難しい曲をさらう。
別に演奏するつもりとかなくて、自分の中にないものを練習するのは良い鍛錬になる。
2:3と3:2のリズムが交錯する5拍子と9拍子と7拍子がランダムにやってくるメロディアスな曲。
久しぶりの初見もまだいけるようで安心。
結構いいスピードまで上げれるようになる。
出来るようになるとすぐに飽きてくるのが悪いところだ。
出来ないことはとても面白い。


出発前にジョヴァンニが作ってくれたサラダを食べる。
赤キャベツやビーツなど赤い野菜中心でナッツなどたくさん入ったおいしいサラダ。
マチューが時間計算間違いで急いでくれと連絡あって食い急ぐ。


車に荷物を積み昨日の会場アトリエクラウズへいき、クリストフのドラムや各種機材を載せ
今日は参加のギターのマニュとマチューも乗せてパンパン。
途中でマニュんちによってアンプを乗せてさらにパンパンで会場へ。
maison de peuple、訳して人民の家では前に2回ライブした。
アンダーグランドな人たちの本拠地。
今日はヤネックはいないようだ。
みんなセッティングに大変だが僕は生音なのでなんもすることがない。
マチューの音響の準備にやたらに手間取ったりするが、サウンドチェック、
かと思ったらこれがいきなり本番だった。
今日はまったくリハなしのぶっつけ。
昨日の今日だしある程度覚えている、ということよりもなんかエネルギーが全体的に高い。
マニュはいいプレイヤーだけどギタリストにありがちな自分の音を大きくする人、
しかし曲の構成やラインを抑えてくれるので他の人間がもっと自由になる。
共演者を自由にする、というのは大事なことだ。




お客の反応も昨日よりずっと良い。
マチューはここでは誰もが知るスターだし、良い交歓。
2部では更にぶっ飛ばし、頼まれてもいないのにソロではガンガンに盛り上げる。
ちなみにお客に向かって演奏する感じがするのは、ここではマチューと僕だけだ。
ほかは自分かバンドかに演奏している感じが強い。
曲の不可解なのはなかなか良いスリルを生む。
大盛り上がりで大団円。


終わったら賄が用意されていた。
豆と野菜のホワイトソースのかかった、饅頭のようなパスタ。
にんにくが利いていてとてもとてもうまい。
ものすごい空腹だったんだ。
ビールも良く進むしアラブパンとも相性ばっちり。
鍋のそこを見ると、あれ、これはどう見ても肉の塊だ。
小さいけど。どうも味が濃厚だと思った。
パクヤンを見ると気づかずに食べている。ほっておこう。
好き嫌いのない良い子になりなさい。


BLOのダンやヤニックも見に来てくれて久々に話。
それ以外にもマチューの息子アンジェルとその母親ルラや知った顔多数。
帰るときに見知らぬ客多数が僕の肩をつかんで、良かった、ありがとう、という。
こちらこそ、だよ。
僕はやはりお客に向かって演奏しているんだ。
マチューとも会話が一致する。
黒人のおっちゃんが良かったといってくれて、いやあんたも踊ってくれてありがとう、
といったら、いつも踊るわけじゃないんだぜ、といってた。


自転車で帰るクリスや残るマチューとお別れして、グレッグとマニュたち乗せて車移動。
マニュはもうすぐ1ヶ月のイタリア旅に出るらしい。
イタリアの即興シーンでの活動もしているのだとか。
来月の再会を誓う。


家に戻るとジョヴァンニが独りでご機嫌さん。
一服したらパクヤンがケニアでワークショップやったときの映像を見せてくれた。
ナイロビのスラムのすぐ近くの掘っ立て小屋のような学校。
子供たちが踊り歌う。
どう見ても全部最高にパーティーなんだが、これ授業なんだと!
凄すぎる!
習ったこともないという太鼓のアンサンブル、4拍子系と3拍子系に役割分担も自然にされて
適当に叩いているというのに凄いグルーブ、これが本当のグルーブだ。
ジャンプするともう一人の肩の高さまで飛び上がり、そのまま手を合わせて頭上で逆立ち。
さらにそいつを放り投げるとか荒業も軽々。