松本健一x高岡大祐x瀬尾亮祖@師ヶ谷大蔵 深呼吸

松本健一(sax,etc.)高岡大祐(tuba,etc.)瀬尾亮(voice,sax,etc.)
バルセロナから突然友人がやってきました。
昨年クラッピーミニバンドのツアーで共演したラウルと妻君マール。
ラウルはスペインの売れっ子ミュージシャンでメジャー系音楽シーンのプロデューサー。
初対面はこんな感じ
http://d.hatena.ne.jp/daysuke/20081212
2008年12月12日です。
羊のような優しい目をした柔和な男、とあるが、そのままです。
ほんといいやつ。この日の写真、ニコの隣での笑顔はたまらない。


昨日は昼に待ち合わせ。
彼らが泊まっている旅館は池袋であり僕が飲んで撃沈していたのも池袋だったので
よし、ランチはそこで、となったのだが、
直前の電話で「いま上野にいるんだ〜」ということであっさり待ち合わせ変更。
こういう急な変更が多いのは向こうの人との付き合いでなれているし嫌な気もしない。


お昼は何がいいかなあ、と歩くが日曜のアメ横は人がいっぱいで気楽な飲み屋も満員。
とっておきは中国北部料理、ごめんね日本なのに。
そこでのスペシャリテは羊の串あぶり焼きと犬のスープ。
犬です。しかもご飯つき。犬定食。


羊はクミンと唐辛子をたっぷりつけて焼いて、ああうまい。
犬スープも辛く味付けしてあって肉片もごろごろ。葱や香味野菜もたっぷり。
歯ごたえは牛肉に近いかな、独特の香りがある。
スープにご飯をぶち込むとうまい。
ラウルもマールもおっかなびっくり、でもおいしく食べてた。
これを食べると体にとてもよいそうです。
なによりボリュームたっぷりでご飯つきで千円、一人では食べきれない量。
上野に来たらこれです。


ほんでもって和服専門店で浴衣とかジンベエとか買い物連れてって、
祖師ヶ谷大蔵へ。
自分のライブの前に佐々木彩子のライブがあるのでそれに。
ギターかき鳴らしちょっと苦悶の表情といっても良い顔で絞るように歌うチャン。
久々に挨拶。

1部を見たら移動してマッサージ店深呼吸で即興ライブ。
ハーブの香りが最高に良い。
共演はマツケンこと松本健一とここのオーナーで口芸の瀬尾亮。
1部はソロで。
マツケンさん尺八を吹きながらマッサー個室を渡り歩く。
尺八を間近で聴くのはとても楽しい、いろんな音がいっぱいするのだ。
やっぱ日本の室内向け楽器だもんなあ、木の部屋が良くあう。

僕は座ってtubaソロ。
こないだムリウイで試したものをさらに突っ込んでみる。
自分の基本テクニックのひとつ、声との重奏だが、2音の音程をほとんど同じにして
自分の意思ではコントロールしないでおく。
微妙にずれる音程が勝手に唇を振動させて周期的に音がゆれ始める。
それを少しずつコントロールしていくのだっが、
久々にアナログシンセ的な音色だけの演奏をするのはとても楽しい。
これはまだまだ発展の余地がある。


瀬尾さんの演奏はもはや口芸としかいえない。
普段ここでのマッサー業と社長業、加えて家庭業に大変多忙な彼だが
久々に見聞きしたら、いや、やはり凄い。
見かけもそうだが今回はサウンドで完全にやられた。
口から発する音と手で作った二つのラッパから漏れる音の三重奏は凄かった!
 

尺八でかんたんのため息をつき、僕の演奏で笑い、口芸で顎落としてたバルセロニアン。


2部はセッション。
これが面白いというかひどいというかどこまでいくんだまったく。
即興演奏するときは共演者と違うことを選ぶ、という性向なので
おもわずクールに演奏してしまった・・・。
もう二人とも10年オーバーの付き合いなのに驚かされることばかり。


みんなで泡盛で乾杯。
日本語英語スペイン語カタラン語入り乱れ話題もあっちこっちへ。
マツケン率いるSXQの新作アルバムゲット、江古田で聞いてよかったやつだ嬉しい。
みなさん、これお勧めです。
(販促用のチラシの写真はどうかと思うけど)


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久々に英語で会話するとやはり僕の英語は無茶苦茶で申し訳ないのだが
自分でもどうかと思うけど下手糞でもガンガン話す。
だって楽しいから。
ラウルはほんとに、なんていうか、全身でいい奴でさあ、
気持ちよいのです。
彼に限らず、欧州の友人に共通する心地よさ、なんなんだろう、とちょっとだけ
考えてみた。


みんな、すねてないんだ。
必要のない自虐や謙遜はスポイルされた態度から来るものが多い。
日本の謙譲の精神、とかそういうのを持ち出す人たちは他人にも黙してそれを望む。
自分なんて、とか、いや大したことないんです、とか。
僕には必要ない。
過度に卑下することも、ことさら自分を大きく見せることもなく、
あなたが見ている僕が自分のすべてなんだ、ということ。
そんなことも何も考えずに。


とにかくラウルはスイートだ。
誰かを楽しませよう、なんていうあざとい気持ちはまったくなくて
たあだひたすら僕は彼を楽しんでいる。
欧州にいたときのあの空気が、自分の周りに蘇ってくる。