泉邦宏x高岡大祐@池袋バレルハウス

泉邦弘as 高岡大祐tuba

今年初のバレルハウスライブ、泉さん初登場。
やはりこの人は天才だ。
天に愛された才能をそういうならばまさしく。
一緒に繰り出す音音の楽しさは格別。
楽しかったです。


久々のバレル飯も最高。
あの歯ごたえは尋常ではない伸びないパスタは絶品。


そういえば夜中に酔っ払っている最中に珍しく電話がなったなあ。
タカダアキコから同じくこれは絶対酔うとるだろうという声。
バレルだよ、というと、きゃあきゃあと。
前から気になっているミュージシャンの方を紹介してくれた。
おおきに。
また新しい出会いが始まる予感。


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こないだ書きかけたエイドリアン・ボーシャ。
誰か詳しくご存知の方はいますか?
僕は最近知った、超自然学のライアルワトソン(引かないでくださいね)の著書で。


ボーシャは普通のイギリス青年だった16歳でただの憧れだったアフリカへ一人で向かった。
ナイフと一握りの塩だけを手に、ジャングル、ブッシュへ徒歩で。
何の経験も知識もない彼はそこで生き延び22年を過ごした。
大蛇の生け捕り(素手)や癲癇の発作でアフリカ人の尊敬と畏怖を集め
アフリカ伝統社会に受け入れられ白人としてはじめて霊媒・占師となり
何も持たず生き延びたことによって「人類300万年の進化を再現した男」といわれた
伝説的人物。
78年水泳中に死亡。


以上かいつまんで実話。
彼のことが書かれたワトソンの著書「アフリカの白い呪術師」lightning bird、
毎日読んでいるが驚きの連続。
やはり人間の可能性は無限なのだ、と確信する。
そんなことは出来ないよ、といった瞬間にその人の可能性は死滅する。
命を懸ければなんでも出来る。
こういうことを知ると本当に勇気が沸く。


サバイバルといえばあの日本兵みたいな、とか思う人多いけど違う。
言語も社会規約も知らなかった彼が自然と人と対話して身に着けたことは
他人と断絶して孤立した残留日本兵とはまったく違う。


ますます突き進めたくなる対話の可能性。
音楽と人と、対話を試みる。


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昨日夜中に店から人がいなくなってからお願いしてかけてもらった、
ベルギーのドラマー、エリックシールマンスのソロ作品a snare is bell。
アナログ45回転片面のみのスネアのみのソロ演奏。
一度バレルハウスで大音量で聞きたかったのだ。


見える、教会の内部に反射するスネアの反響と倍音が。
演奏者がどんどん増えていくかのようだが、たったスネアひとつ。
まったく未調整のまま刻まれたレコードだ。
こんな音が、こんな音が。
最後の瞬間、息が出来なくなる。


こんな音を聞いていたのかエリックは。
ミュージシャンは音を出す人だと思われているが、僕はまず聞く人だと思っている。
この音が聞こえていないと、この音は出せない。
特殊な技術は何も使っていない、といえるだろう、しかし。
鍛えられた確かな技術と研ぎ澄まされた感覚の錬金術


彼はこういっていたなあ。
「アフリカに行く欧州人ってのは大抵あれだろ、向こうの伝統習ってしたり顔でさ、
 それでそれからどうするんだ、他人も持ち物でいい気になって、
 くそっ、俺は自由になるために音楽をやっているんだ」

ロッコのグナワのリズムを正確にテーブルで刻みながらこういってた。
ありとあらゆる国籍人種の音楽家との共演を経て行き着いた境地。
でもこのソロ、しっかりアフリカや世界の音楽への回答になってるよ。
思想なき純粋音楽、でもこの美しさは宗教的ですらある。


聞きたい方いたら連絡ください。
大音量で聞きましょう、連れて行きます。


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最近直感だけで行動してます。
そうして思うのだけれども、これから近いうちにいろいろなことが起こる気がする。
自分の身にではなくて、周りに。
生まれてくる命や場所は新たにあるけど、大事な物事が消えていく予感がする。
その足音は少しずつ聞こえてきているし、恐ろしい。
いつまでもあると思うな、のあとは「親と金」であるが
それとともに身近にあるものにもっと目を向けていきたいと痛切に思う。


最近はじめて不況ってのを実感してきた。
自分の身に起こっていることではない。
大切な場所や人たちの持つ場が窮地に立たされている話をよく聞く。
後で悔やむことにならないようにしましょうね。
なくなって嘆くのは簡単なことなんだから。


好きな店には行きましょう。