carappy miniband with daysuke,akiko igaki,kame@espace ladda,gent

昨日朝4時帰りだったのに早起きしてしまった。
これも違和感のないのがいつもここの不思議。


今日はこの家のペンキ塗り替えキッチンに至るの日なので朝飯はいったんスルーして
外へ出て買出しや散歩。
そのままみくさんちで朝食をとらせてもらう。
偶然にみんなにも会えて楽しく会食。


今日のライブはイレギュラーな形で、オーガナイザーは近所で劇場をやっているフランツ(もしかした

ら間違っているかも)、
そこに昼に集合して、彼の大きな車にすべての機材と人間を詰め込んで一路ゲントへ。
今日は寒くてやはりベルギー天気が悪いそれでも昼間に数十分だけ太陽が見えた。
今月初めての太陽だ。


ゲント目的地に着くとなんだか見覚えがある。
VOORUIT。
なんとこは3年前に渋さ知らズのツアーで演奏を行った場所だ。
time festival、そうだ。
僕の初ベルギー体験の地である。
しばし呆然。
こんな風に、個人のつながりで帰ってくることもあるんだ。


今回の僕らの演奏会場はその一階にあるギャラリーESPACE LADDA。
なにやらグループ展をしていてそこで演奏する。
展示をぱらっと見るが、コンセプチュアル、コンテンポラリー、へだらな若者アートの
低クオリティは、どの国にいってもジャンクフードのように始末が悪い。
職人以下の仕事なんて見たくもない。つまらん。


サンドイッチ食ったりそこの飲み物もらったりして開始。
お客の入りはこちらにしてはやけにすくないが気にせず。
きままに配置した場所で一部はインプロ中心。
ここは音量がだせないということを聞いていたので緩やかなもの。
一続きの演奏の中にたまに曲がやってくる。
非常に心地のよい演奏。
ひとつ、たぶんここの展示しているカメラ持ちが写真撮るのがうっとうしい。
こういうのはセンスの問題だが素人でもOKの場合もあるしプロでもうっとうしくて駄目なやつもいる。
結局人間だ、すべて。


2部になったらなぜか実に来た客が全員奥のギャラリースペースに引っ込んでしまい
まあそこでも聞こえるのだが何でみにこんアート若者ども。
あらかじめ決めた組み合わせのクロスフェードで、周囲をまったく気にせずにこちらは演奏をする、
しかし馬鹿野郎が携帯片手にでかい声で話しながらそっちとこっちの渡り廊下をうろうろするので
「この馬鹿白人が、うろうろ携帯で話しながら歩き回るんじゃねえ!」と日本語で曲に合わせて
笛で指しながら歌ったら、さすがにわかったみたいでどっかいった。
まったく、この国でもがさつなやつはがさつだ。
すぐに忘れて演奏に戻る。
2部は全編インプロで最後は流れで全員に。
こういうときに親密な友人同士に演奏は本当にいいなあ。
愛情にあふれている。


1部の演奏が終わった時点で、一人のおじさんがすっごい泣いてた。
感動しすぎて美しすぎて、だって。
誰の知り合いでもないし誰かも知らない、2部はこの人しかまともに聴いてなかった。
感極まったこのおじさんに、僕ら全員で拍手をした。
クラシックが大好きで、それからヨーロッパの20世紀音楽に没頭し、いろいろなプロジェクトも
持っている写真家でもあるというおじさんは、本当に嬉しそうで感想が言葉になってない。
たった一人でもいい、人生丸ごとくらい感じてくれたらライブは大成功だ。
ありがとう。





終わったらちゃっちゃあとパックしてまた車に乗り込みブリュッセルへ。
さすがの寝不足でおきたらついてた、フランツのアトリエクラウゼ。
外は雹が降るくらい寒い。
中に入ってバーでビールをおごられる。
極上のオーガニックビアで乾杯。
フランツは音楽サポーターとして有名で音楽が大好きでたまらない人。
今回はこんな事情だったけどクラッピーとは末永くやってきたいって。
なんかすっごいいい感じなのだ。
われらもみんな気持ちよく楽しく、飲みながらこのブランコやはしごがある仕掛けだらけの劇場で
子供のように遊びまわって宴会。
フランツは自腹で財布の中にあるありったけをギャラでくれた。
今回は人数多いから一人一人ではそれほどの額にはならないけど、それでもすごいよ。
こういう人がいるから、やるほうも気合はいって、相乗効果でシーンが上がっていくんだろうなあ。


空腹になってお開きにしてセントラルへ移動。
みんながお勧めのお店へ突進、外は猛烈に寒い上に雨まで降ってきやがる。
やっとついたお店はよく前を通ったところで、手脳の高いこちららしいふるい建物を生かしたレストラン。
フードメニューはお勧めの黒板にあるもののみ。
ベルギー料理の店と聞いていたのでいろいろ奮闘して選ぶ。
僕は特大新鮮骨付きハムの煮込みマスタードソース、ほかにもみんなはウサギのクリーク(フルーツビ

ア)煮込み、羊のジゴーのオヴァル煮込み、カルボナード(牛肉の黒ビール煮込)などなど。
極上のトラピストビールで乾杯。


やってきた料理はうわさどおりのベルギー料理、一皿にすべてがてんこ盛り。
昔のフランス料理の源流らしい、おなかいっぱい食べる、ビールの煮込みがたくさん。
一皿に気の狂ったような量の肉が乗っていてこれは食の格闘。
しかし、うまい!!!うまいのだ。
わがハムの煮込みはハムになりかけという感じの新鮮さで中身がきれいなピンク色、
骨が異様に太くていかにも殺してきた動物の一部、という感じ。
とりわけあってもぜんぜんなくならない恐るべしな量に歓喜
ほかのみんなのもうっまいなあ、すごいすごい。


全員食べ疲れたのに、デザートにタルトタタンを頼んで、さらにジュネバー、オランダのジンですね。
それも食後に追加。
もう食えねえよ、って言ってるのに一口食うとこれがうまい!
どうなってるんだ!
しかも会計したらこんなに食って飲んで倒れそうになるくらいだったのにすごく安い。
ひとり20ユーロずつって、僕レベルの食事ではかなり豪華な出費だったけどそれでもとんでもなく安い


たまらなくハッピー。
亀ちゃんは店机のの引き出しにパスポートを捨てかけてた。
だってたのしいんやもんなあ。
みんな抱きしめて解散、車で送ってもらったらもう倒れるように寝る。