イガキ、亀デビュー@ベルギーLa filature

この日からベルギーの日々、うってかわって毎日ものすごく忙しいのでモロッコ日記よりも簡略になります。
現時点で11月は毎日ライブ、多い日は一日2本以上あります。


昼からブラックライトオーケストラのリハ。
12月にパリに行くのに同行するので僕のために。
久々の参加、新曲についていかねば。
思い出した、このバンドの曲の難しさ、覚えにくさ。
なのに楽譜ないもんなあ、と思ったら初めて楽譜見た曲がひとつ。
そりゃそうだ、これはさすがの彼らにも難しすぎるわ。
まだ仕上がっていない曲をやってみんなが重くなってしまった。


そうこうしているうちに僕は出発の時間でイガキ亀両名がやってきたのでお開き。
歩いてすぐのラ・フィラチュウは昨年ボリショイズやったところ。
ここのバンジャマンはお人よしぞろいのベルギー人の中でも群を抜いている。
ものすごいいいやつなんだ。
あいかわらずの無茶苦茶オープン。


今日はパクヤンとイガキ亀、それに初めてライブするダンサーのダフニだ。
彼女とはこないだアントワープで身内ワークショップをやった。
顔も身体もこれぞダンサー!って感じ。


久々にきたここにはステージが出来てた。
もともとはただのバンジャマンの家だったのにね。
音楽の愛情が彼の自宅をライブハウスに変えた。
それだけで尊敬する。


バンジャマンが飯の用意とかPAとかに忙しい間にアコースティックメンバーは楽で
猫と遊んだりする、ここの子も異様にかわいい。


直前に決まったライブだったので客は来ないだろうと思ったらふたを開けたらすごいお客さんの数。
みんな去年の僕のライブを覚えてくれていたらしい。
嬉しい限り。
ライブはインプロの組み合わせで、ダンサー一人のためダフニには休みも取る。
組み合わせは僕が決めた。
パクヤン僕ダフニ、イガキダフニなどからはじまる。
イガキダフニのデュオは鮮烈だった。
ダンサーより動いていたんじゃないか、イガキさん
寝転びローリング、何の容赦もない素晴らしい演奏にダフニは「彼女は殺し屋よ!」と叫ぶ。


幕間にニコとマルティのデュオが挟まる。
マルティは昨年一緒にやった、優秀なサックス吹きだ。
フリーで入り込む彼とは対照に、ニコの曲をやる彼
楽器はなんとバスサックスとクラ。さすがサックス発祥の国だ。
短い曲をたくさんやって、最後は全員でセッション。
大編成でも良いダンサーがいるとピリッとしまっていい感じ。
楽しかった。



終わったあともみんなで談笑して楽しんでいいかんじ。
みんな近所から来ているこのサンジールの町の魅力に京都ズはさらにめろめろになって喜んでいる。
帰り一人になって小腹を収めるためにフリッツへ。
前に並んでいるいかついにいちゃんがこないだ僕のライブを見に来た、と話しかけてきた。
その日は彼の母親の誕生日で、プレゼントにつれてきたらしい。
母も俺も大喜びだ、ありがとう、という。
こんな極東の謎のtuba吹きのライブを、こういう大切な日にしてくれて、本当に嬉しい。
あつあつのフリッツをほおばりながら寒い夜空に一人感激した。
この町はどこまで喜びを与えてくれるのだろう。