モロッコへ行く前日

今日は夕方から荷物をもって家を出る。
明日から12日間、モロッコへ行きます。
飛行機とバスを乗り継いでマラケシュへ。


ブリュッセルのサックス吹きグレッグが連れて行ってくれる。
泊まり先はグナワのマーレムのうちだそうだ。
7日から三日間、リチュアル(永遠)と呼ばれる聖なる儀式に参加するらしい。
60年代からありとあらゆるミュージシャンたちを魅了した音楽の聖地。
何が起こるのか、ここまでまったくわからないで旅に出るのは初めてだ。


その間ネットが出来るかどうか、連絡がつくのかどうか、一切わかりません。
14日にブリュッセルに帰ってくる予定です。


12月には突然スペインにツアーで行くことになりました。
もう俺の人生、どう転ぶのか、さっぱりわかりません。
おもろい。



続き


小雨の中、荷物をまとめてグレッグ邸へ移動。
今日もたくさんのパーティーがあるし、なによりエリック邸の住人で昨年はよく一緒に飲んだ
ティエリが引っ越す前の夕食会に誘ってくれたのだが、移動のために全部断る。
彼はちょっと離れたところに住むらしいので会う機会が減るだろう。再会を約束する。
グレッグ邸からMIDI駅まで徒歩。tubaがハードケースなので結構厳しい。
駅でグレッグがやにわに走り出す。
tubaハードケースと荷物全部持ちで走るのはかなりつらいが何とかぎりぎり乗車に間に合う。
聞いたらこの日は聖人の日で休日ダイヤ、本数が少ないのでこれを逃したら2時間はなかったらしい。
ブリュッセルを離れたと見えてさびしい町並み。
一度乗り換えて合計1時間半ほどの移動で目的地へ。
ひげがふさふさのおじさんが車で迎えに来てくれている。
これからグレッグの実家へ行くのだ。
明日の朝出発が早い上、実家が空港から近いらしいので。


人気のない大通りから少し入って、レンガの古い壁に囲まれた不思議なお屋敷に到着。
おじさんにお礼をいい、中に入る。
古くはここは馬小屋か何かだったらしい。
すごく古くてものすごく広いお屋敷だ。
キッチンでグレッグが夕食の準備をしてくれている。
なんとこんな人気のないところでもどこからか無線が転がっていてネットが出来た。


ソースを煮込んでいる間にお屋敷を案内してもらう。
なんだか持っていく鍵の量が半端ではない。
教会のような扉をくぐってから、驚きの連続だった。
まずいきなり小劇場がある。
全部立派なレンガ造りで天井も高い。
ここでいきなり驚いていたら身が持たないことがわかった。
奥にいくらでも扉があり、開ければ開けるほど広い部屋が続いている。
月を模した美しい壁やバーなども完璧。
グレッグのお父さんが全部自分で建てたらしい。絶句。
結婚式場まであるし、しまいにはかなり大きな劇場まであった。
席数もかなりのもので、ここでコドモキョジンの公演をやりたくなった。
これ以降も部屋だらけでめまいがする。まるで城の中だ。


一度戻って、食事。
ボロネーズソースのパスタ、麺は全粒粉で肉もたっぷりでおいしい。
おいてあったレフェの大瓶を開けて乾杯。


再びお屋敷の中を探索。
敷地自体がかなり広い。
お父さんの本職であるガラス工房を見てまたも驚く。
この場所も、巨大なガラス群も工具も何もかも、お父さんが作ったらしい。
いったい何者なんだ???
ガラスも見たことがないくらい特徴的で印象に残る。
どこまでもすごいものが続いている。


教会がある、ときいていってみるとものすごくこじんまりとしていてかわいい。
中は広くないのに非常に良く響く。少し二人で歌など歌ってみる。
表に出て感動した、窓のステンドグラスのとてつもない美しさ。
ちょうど祭壇の裏側に当たる部分のものの美しさは壮絶で言葉を失う。
お父さんのお母さんが亡くなったときに、渾身の力で作り上げたものらしい。
美しさとともにものすごい力を感じる。
涙が出そうだ。
とてもすばらしいものを見せてもらった、感謝を伝える。
 
 
 
 
 

家に戻って、明日も早いので寝室を案内してもらって就寝の準備。
弟の部屋だった場所らしい、これまたでかくて広い。
アフリカの巨大な太鼓の横で寝ることに。