the crappy miniband@liege,L’an Vert

daysuke2008-10-24



the crappy miniband/playboy bend


今回の初ライブの日。
朝ゆっくりしよう、と思いつつ最上階で朝日で目が覚める。
1階でいつもの朝食、サラダ、チーズ、パン、ハム。
毎日同じもの食べてるけど飽きないなあ。
キッチンにはいつも猫がいるようになった。


昨年散々皆でお世話になったブリュッセル在住の主婦みくさんと待ち合わせ。
またしても再会を喜ぶ。


まず電話屋に同行してもらって携帯の復活を相談。
電源入れたらまだ着信自体は出来て驚く。
1年もつかってなかったのにね。
聞いてもらうと、どうもこの番号では発信は出来ない様子。
新しい番号を買うことにする。
ここらあたりがすごい簡単で、ただ単に選択肢の中から番号を選んで
そのカードを携帯にさすだけ。これでえ終了。
中のメモリーはそのまま残っていたので便利だ。
プリペイドカード携帯の便利さがこうだったら日本で僕も携帯を持つかもしれない。
(僕のはPHSである)
昨年ヤニックから譲ってもらった小型の端末、いまや相当昔の機種になるらしいが
シンプルで使いやすい、気に入っている。


みくさんと前によく行ったカフェでお茶。
皆の近況四方山話など。
この町の娯楽はおしゃべり、ってくらいみんなよく話しをする。
カフェを出たとたんに、今度は写真家のミレーナに遭遇。
なんて偶然!いや、もうこうなると偶然ではないか。
彼女とは昨年の旅で知り合い、今年は日本にもやってきた。
半年の世界旅行の途中が日本で、そのあとは南米を自転車旅行するといっていたっけ。
音信不通だったのが復活、うれしい限り。


みくさんとそぞろ歩きでまたお話。
よく通ったリサイクルショップまで一緒。
そこで別れて僕は入店。
今回あまり服を持ってきていないので寝巻きとかを物色。
あまりよい出物にあえずで何もかわずに退散。
根気よくものを見ようとするとひと財産失いそうな場所である。


なんだかんだしているともう準備の時間なので家に帰る。
楽器を出そうと地下の音楽室に下りると、昨日もあったフレッドがピアノ弾きながら
クラリネット練習してた。
本当になんというかこの町では、友人に会うのにアポイントメントが必要ない。
楽器を出して、今回この町での初めての音を吹く。
いい感じだ、乾いた空気、高い天井に心地よい。


昨日見たカリムとクレモン、それにフレッドとエリックはカルテットを組んでいて
どうも打ち合わせとリハをするみたい。
これも見たいバンドだ。


そうこうしているうちに赤い車でパクヤンが迎えに来てくれた。
彼女の横にはドラマーのジョアオ。一度会ったことがある。共演は初めて。
ニコは別で行くということで三人でレッツゴー。
ここでパクヤンの方向音痴を思い知る。
音痴、というか道を覚える気がまったくない人、あはは、しょうがない。
ジョアオのナビでなんとかブリュッセルを脱出、一安心。
一路高速道路でリエージュへ。
市内も高速も結構渋滞がある。
ちょっと時間がかかってリエージュへ。
どうもこの町なら僕のほうが土地勘がある模様。
セントラルの島の中だと聞いていたのであっちじゃない、とかいう。
まさかと思ったら、一度ライブを見に来たことのある場所だった。


ステージではすでにもうひとつのバンドがセッティング中。
なにやら見たことのないパッチングシンセやサンプリングマシーン、トイ類。
ガジェットバンド、といった様相。
彼らのチェックが終わったらわれらのセッティング。

今回は荷物の問題よりも気持ちの問題で電気機材を一切持ってこなかったので僕は生。
電気でやっていた以上の表現を生楽器でやってみたいのは今の心境だ。
ほかのみんなはいつものように配線も多いエレキとトイの融合セット。
ジョアオは彼のミニドラムかな、ちっちゃくていいなあ。
ハイハット忘れたっていって地面においてた、ワタンベよりも粗い。


チェックもそこそこに夕食が出たので食事。
ビールはジュピレー今回初。
夕食はショートパスタで、メンバーに味は不評。
このくらいでマズイ!と言い切るのなら、日本のパスタ屋には来ないほうがいいね。
パクヤンはベジタリアンなので別メニュー。大変だなあ。


このお店はお客少ないよーといわれていたわりに、遅れた開演だったけど結構人が来た。
プレイボーイたちの演奏は、好きな人にはたまらないものかな。
僕はいまサンプリングミュージックなどに興味がないので聞き流してしまう。
クラッピーの面々にはなかなか好評のよう。
途中でカーテンの向こうから声がかかる。
うわっ、トシさんだ!


リエージュ在住の日本人でふにゃふにゃのナイスガイ。
前に僕と会ったのは、僕がラジオインタビューに出たときに
日本語から英語、そこからフランス語に訳す作業のときに
日本語を英語にする担当としてきていたのだけれども、
上がり症みたいで、僕が英語でインタビューに答え始めたら
スタジオで「あんた英語しゃべれるじゃない!」と言い出して大笑い。
なんか市場を歩いてたら、お前日本人だろ、来い、みたいなあので無理やりつれてこられたらしい。
あの日々も非常に楽しかったなあ。


この町で日本人の友達があまりいないとさびしがる彼はことのほか再会を喜んでくれた。
積もる話、特に馬鹿話をするのが楽しい。


一緒に飲んでいると気がつけばもう出番だ。
僕はセットも楽なので気にしなくてよい。
酒もうまいよ。


4月に彼らが日本を去って以来、久々の共演のクラッピー。
ドラムのジョバンニはいま旅に出ているのでジョアオが代打。
新曲に関しては何も知らないのだけれども不思議と不安がない。
ジョアオもぜんぜん曲知らないよ、だって。
久しぶりのなじみの曲も新曲も同様楽しんだ。
彼らにとってもアウェイのここでばっちりアンコールもいただいて。
そこにはパンクソングを。
ジョアオがミニドラムたたきすぎてベードラとタムの部分が吹っ飛んでいって
大笑い、そのまあぶっ倒れたドラムをたたきまくる、パンクだねジョアオ。


カウンターのお姉さんも喜んでくれて笑顔だった。
片付けなんかおいておいて楽しく乾杯していたら底にさらにうれしいゲストが。
アーメッドだ!
昨年この地でたくさんの思い出を共有したモロッコ人、グナワミュージシャン。
非常に元気そう、とてもうれしい。
忙しい中をわざわざやってきてくれたらしい。
泊まる場所がなかったらうちにおいでよ、といつものように言ってくれる。
皆に紹介し談笑。
どうにかして今回のうちに共演したい、ニコなんかも焚きつけてみる。
アーメッドはなかなか人前で演奏しないミュージシャンだ。
製作するほうが疎ましいことから離れていられる、みたいな雰囲気もある。
しかし、なんとかやりたいなあ。なんとかしよう。


ここらへんでなんかお勧めされた甘くて強い酒をいただく。
ここまでにベルギービールのいいところを飲んでいてこのキックで結構酔っ払う。
さらにおかわりが振舞われて、あはは、飲むしかない。
そうこうしているうちにもう2時近いんじゃないか、お暇の時間だ。
アーメッドに再会を約束し、来たときの車で出発、今度は運転はジョアオだ。
すっかり高速で心地よく寝入ってしまって体感距離は半分。
エリック邸まで送ってもらってバイバイ、また明日。


ここでショックなことが。
音楽室に下りるときにtubaケースのストラップをひとつが外れて楽器がケースごと階段数段を落下。
あわててみるとベルが少しへこんでいるが機関部には問題ない。
こういうのはあまり落ち込まない、まあいいさ。


とにかく楽しい幕開けな一夜だった。
ふらふらでそのまま就寝ダウン。