ブリュッセル二日目

daysuke2008-10-23

朝起きて、ネットなどで連絡仕事。
到着を知らせてない人たちにいまここにいることを
無事に到着したことを知らせる日本へのお知らせも。
昨年一緒にここらに住んだみんなにも。
(まだのひとたちもたくさんいる)


ご飯は念願のスーパー買出し。
なじみのGBへいそいそと。
何にも変わってない。
一番に飛び込んだのはパン売り場。
800gの大きな丸いパンが1ユーロちょっと、パンドカンパーニュのフランスパンも安い。
セロリやたまねぎ、マッシュルーム、忘れちゃいけないジャガイモ。
ゴーダーチーズお得サイズ、ハム詰め合わせ3種盛り。


帰り道我慢が出来なくてフランスパンをかじって食べた。
胡桃でも入っているのか、というくらい香ばしい。
帰ってきたなあ。


なじみのキッチンで軽く料理。
サラダはオリーブオイルと塩コショウだけで十分。
パン最高。
ここで完全に帰ってきた感覚を取り戻した。


うかつに昼寝すると結構時間がたっていたけれど焦らない。
夕方にふらりと散歩。
相変わらず古着屋が多くて目移りするけど今回はがっちりいくつもりでまだ入らない。
我らが町サンジール。
友人のうちをめぼしつけて行くも留守。
でもその途中の裏道でこれまた偶然の再会。
長身ダンディのサックス吹き、フレッドだ。
抱きしめ片頬にキスする挨拶は男女関係なくベルギースタイル。
再会を喜び、是非の共演を願う。


ふらっと歩いているだけで素敵な出会いがあるからこの町から離れられない。
夜になる前に家に戻り、エリックに連絡する。
今日の彼らのライブに行くのだ。
さいわい近所ってことで歩いて迎えに来てくれた。
実はうちの裏は刑務所なのだ。まだ囚人在住の。
そのとおり近くにあるタンゴ向けの場所が会場。


とてもいい感じの場所で和む。
今日の出演は前に共演経験のあるギターのクレモンとカタルーニャの男ダンサー。
そしてエリックと歌手のカリムだ。


いい感じで人が埋まり開演。
クレモンはエレキギターとエフェクト、小型アンプ。
ダンサーは平服だが鍛えられた体が美しい。
動きと演奏がシンクロしたり独立したりの間合いがとてもよい。
インプロかな、と思ったら作曲と打ち合わせによるものだったり。

言葉のない即興的表現が多いところだけど、動きや音や表情によって
会場の雰囲気がころころ変わる、お客はよく笑うのだ。
この応酬が、僕の知るこの地の観衆のムードだ。
小音量なのにロックを感じさせたり、映像作品の一部を見ているかのようなステージ。
非常に楽しんだ。


次のエリックとカリムのセットは歌と生ピアノ。
カリムはほとんど生声でマイクは効果として使う。
久しぶりのエリックのピアノは柔軟で強い、伴奏のオーソドックス性とさりげない自己主張の
バランスのよさがさすがだ。
カリムの歌はすべてが変幻自在。
といっても即興歌手のそれではく、非常にかっちりとした楽曲の中で
歌い方も表情も、技法もムードもすばやく変化する。

これはすごい歌手だ。
フランス語がほぼまったくわからない僕にはサウンドで楽しむしかないのだが
それで十分に楽しめた、すごい音楽性。


そしてお客、すごい反応する。
とてもとてもフランスの歌、だったらしいのだが、本当によく笑い、時には話しかける。
カリムは自在に応答する。
けして押し付けがましかったり、客の顔色を伺うのではない。
奔放なのだ。
お客もそれを楽しんでいる。


小さい会場(といわれたけど新宿のピットインとあまり変わらない)でも
客の拍手は止まらず、カーテンコールにアンコールあり。


あとでエリックに聞いたところ、シャンソン、なのだそうだ。
日本でのイメージとぜんぜん違う。
昔を懐かしむためだけではない、今の歌が生きている感じがした。
汚い言葉を吐き、パンクとしかいえないようなロックな表現もある今のシャンソン
これが歌が生きる町での普通のことのような気がした。


あちこちで人が一人、歌っている。
鼻歌も酔っ払いの大仰な歌も。
自分の楽しみのために歌う人を見るのは気持ちがよいですよ。
毎日その楽しみを味わえる。


会場でたくさんの再会と出会い。
初対面でライブ行くよ、といってくれた人はかなりの確立で見に来てくれるだろう。
ニコとエリックと男の子的馬鹿話盛り上がる。万国共通だ。
日曜に共演するオードリーも見に来ていた、彼女は妊娠7ヶ月でかなり腹がでかい。
大丈夫?と聞いたら、サックス吹かないでいたらストレスで頭がおかしくなっちゃうって。
医者もOKだそうで、やっぱなんかすごいな。


ライブ会場で飲むベルギービールは格別の味。
普通のビールはマエスで前回はションベンビールと思いあまり飲まなかったが
到着1杯目はいける。
でもレフ奢ってもらったら、やっぱそれくらいじゃないとだめなんで
ウーガルデンに切り替えた。
それでも安いよ、ライブ会場で酒飲んで一杯200円くらいからの感覚だもの。


帰りはエリックに誘われて久しぶりのフリッツ屋に。

昨年の夜には散々通ったフライドポテト屋である。
日記見てた人は周知だろうけど、この国の主食はこれです。
いたるところに揚げ芋屋。
中でも評判のこの店は夜中まで行列が出来る。
ここでしか食べられないカルボナードソース(牛肉の黒ビール煮込み味)でもらう。
ミドルでこんなにでかかったか。久々で美味いよ。
野郎どもで歩きながら重い重いポテトを食べながら家路。


いきなり超ブリュッセルな夜を堪能。
明日は今回の初ライブ、ベルギーの大阪、酔いどれタウンのリエージュで。
勿論ですが無茶苦茶楽しみ。
必ずいいことが起こる予感がする。


これが家の目印の役所、家の真裏。
いつ見ても美しい建物だ。