EXPEリエンス!!@早稲田SABACO

daysuke2008-07-01

JINDESTROY!(Didgeridoo,handsonic,etc)YOSHITAKE EXPE(space guitar) 高岡大祐tuba 沼直也ds
今回の旅の最終日。
おなじみ茶箱でヨシタケ君、そして急遽飛び入り参加決定のROVOの原田仁さんことジンデストロイさん。
沼さんと僕はGYROのリズム隊でデュオ。


最初にジンさんのソロ、伸び縮みするディジュリドゥディジュリボーンに足元にはハンドソニック
(ローランドの電子パーカッション)、そして無数の光物(照明)。
マイクで増幅されたディジュの音が茶箱の化け物サウンドシステムで大増幅。
体中を響かせる。

足元のハンドソニック(これではハンドではないが)を踏みつけ断続的に痙攣ビート。
青いフラッシュを中心に自身の体に照射される光がビカビカ。
音楽、というよりももうひとつ何か別物の世界へ。


次に高岡沼。
僕はベースアンプを使用してblowbassで。沼さんはいつもの最小限セット。
黙々と(音出してるから黙してないけど)決め事なくリズムを決めていく。
人力TB-303と僕のプレイをマスター岡田さんは言うが確かにそんな感じだ。
シーケンスパターンを微妙に変えていくかのように少しずつ変化する。
ブレイクなどは意図的にやったように聞こえるが合図も打ち合わせもなし。
途中何度かアンプの接触不良で音が途切れたりノイズが出たが気にせず演奏。


この演奏の最後に非常に不思議で楽しい音響を耳にした。
僕はあるフレーズを高速ループ演奏してる。
沼さんも同様だ。
するとあるときからちょうど我々の中空2mほど目線あたりの先に
はっきりとした音の固まりがスクラッチ線を高速で描き続けるかのように現れはじめた。
無我夢中で高速演奏している最中に現れたそいつは
沼さんの数枚のシンバルが高速で叩かれたフレーズによって産まれた
金属の高次倍音の複雑な固まりで
まるで雲のように揺らぎかたちをかえながら
手を伸ばせばつかんで触れそうな実体感でそこにあった。


倍音の雲。
実際の雲も水蒸気の一つの形で手に取ることは出来ないけど
ちゃんとそこにある
すぐに形が変わってしまう
とても似ていた。


倍音について探求することはある時期からやめた。
つまらないのだ。
音遊びとして確かに楽しいのではあるけど
因果というものはあまり面白くない。
これをこうしたら、結果こうなる、がわかったところで?
急速にディテールに対する興味は失われた。
とき民族楽器ブーム。
ただの面白い音に飛びつくだけのえせ腐れヒッピーの
仲良しこよしの道具になりはてる倍音楽器。
以前は口琴の演奏教える講師していたこともあったが
人前ではほとんどやめた。
音のおもしろさだけでとどまるお客が多いのだ。
ますます音楽というものに興味を持った。


しかし最近、よく一緒にいる優れた演奏者たちとまた違った形で
倍音に関して言及するようになって
探求とは違った興味が湧いてきた。
たとえば今回の倍音の雲。


今後これを出すために目指して演奏するような愚は犯さないと思うが
あのような面白い音が演奏の中で自律して発生したときに
それを瞬時に捕らえられ音楽の重要な要素に出来るようになりたい。
あの偶然で無意味な、しかし心牽かれる音を愛でたい。
また楽しみが増えた。


そしてヨシタケ君のソロ。
多数のコンパクトエフェクトを使ってのプレイは唯一無二。
キラキラした音はどこか懐かしさを誘う。
フレーズが生まれては消えていくまでに自律して生きているかのよう。
打ち込みで精密に音を作ることなんかいらないのではないか、と思ってしまう。
もちろん非常にポップでサウンドは難しいところなんか一切なしにダイレクトに楽しめる。
今回はリズミックなアプローチが多かったと思う、大満足。


最後にセッション、実はやるつもりなかったのだけれども
サウンドチェック中に全員で音を出しているときが面白かったのでやってみた。
ジンさん、反則です、ハンドソニックの上でストンピング、逆立ち(ヘッドソニック)。
光物もオーロラ全開で、目はこの人に奪われる。
ヨシタケ君と高岡沼リズム隊はなんかこれでバンドになりそうな面白さ。
というかこの四人、ちょっとバンドっぽい。
楽しかった。


最近あんまりセッションに興味なくなっていたなあ。
やりたいこと詰め合わせやって、どうよ?みたいな感じで。
久々にこういう機会で面白かった、やっぱセッションやるなら玄人とだ。
楽家でない人を混ぜたセッションは楽しくないのではなくて、高岡大祐向いてない、下手だ。
またやりたいな。


充実の旅でした。
得るもの巨大でした。
また前進した。
みなさんどうもありがとう。
ささやかな打ち上げを極親しい人たちだけで。
思わず朝7時まで、全然眠くならん。
八丈島の味に舌鼓。あしたば。