石橋英子x高岡大祐x山本達久xタカダアキコ@池袋バレルハウス

daysuke2008-06-22

石橋英子p,vo高岡大祐tuba山本達久ds,perタカダアキコdance


とてつもなく凄い夜になってしまった。
とうてい説明なんて出来ないので流れだけ簡単に。


達久君のつながりで石橋さんをお誘いして初顔合わせ。
以前達久君が石橋さんとのライブのリハを苦労していたのが記憶にあったのでいやあこれはまずい、
と思っていたけど手加減してくれたのか楽譜もあってリハもスムーズ。
譜面でというより歌に寄り添っていけば分かるというかんじのもの。


お客は大入り、この日バレルハウスは定休日だったというのに。
最初から全員で石橋さんの曲を。
アキコさんはダンスだがマイク握って踊りながらコーラスも。
いい声で少しびっくり。


1部を終えて実はここでお知らせを。
アキコさんは別の仕事もあってこのまま渋谷でひと踊りしてまた帰ってくるということに。
急遽3部構成に変更。
第2部はミュージシャンによるソロ。
最初を飾った山本達久メタルパーカッションソロ。

これが凄かった、椅子などの上に並べられた鉄板やシンバルなどの金属ものをいろいろなスティックで叩く。
ほんの15分ほどの間に微細にして壮大な変化、会場の熱気が即興演奏に合致する。
終演直後、鳴り止まない大拍手。
そのまま石橋さんのソロはピアノで。
1曲やったのだがもっとやって、ということで石橋さんはお客さんの中から一人突然呼び出し
ドラムを叩くように指示。
しかしこのお客さんは楽器経験もなく非常に緊張している。
あまりそれに気を取られることもなく石橋さんは自分のペースで自作曲を演奏している、
僕はちゃちゃを入れてドラマーの緊張をほぐしてサポート。
非常にユニークなステージだった。
我々ミュージシャンだとこうはいかない、すでにわれらは知識や経験によって汚れているのだ、
僕らにはもうできない演奏だ、と意見が合う。


ソロ最後は僕。
マイクにかけたままになっていたアキコさんの青い衣装を借りて目隠しのようにする。

ソロ@目隠しプレイはギタリスト渓さんのお家芸だが借用。
視覚遮断してやってみたかったのもあるが、この大いなる盛り上がりのなかで
少数斜に構えて拍手もせず演奏中喋る人らがいて気になって仕方がなかったのだ。
このライブはカンパ制だからいろいろな人が来れることは確かだが
イヤなら帰るのも自由がいいところ、長くいてくれるのは店にもありがたい話だが
うるさいとかなんとかより(大変非論理的な話だが)場の空気の一点の汚れのようなものが
文字通り気になって仕方がない。
まあこちらの修行の足りなさもあるが、本当に嫌な感じだった。
馬鹿にする態度は出さなくても、臭うものだ。


というわけでこの日の前の独興の流れを踏襲、しかし良かった演奏をイメージすると
悪くなることが多いのでそれにとらわれずに。
3人中一番長くなってしまったが、吹き抜けたかと思う。


アキコさんが帰ってくるのを待って最後の第三部。
これがまた凄かった。
細かいところの文章化はもう完全に無理だ。
においや音を言葉にするよりも難しい。
とにかく最後のシーンで全ては飛ばされた。
我々は全力で持続力の限界のように演奏している、
アキコさんが輪舞する、その手から雪が降りその口許から真っ赤な毒々しい血糊が吐かれる。
からだに広がっている赤い血を塗りひろげ永遠に続くかのような輪舞が収束する時にエンド。
お客さんが何人か、輪舞と雪と血反吐の中、号泣している。
たまらない時間だった。


終わったあとも会場の熱気が収まらず、日曜日にもかかわらずお客さんたちは帰ろうとしない。
ミュージシャンも踊り手も手に取れるような充実感を握り締め興奮が続く。
来てくれたミュージシャンの友人たちはバレルハウスを大いに気に入ってくれたようだ。
本当に嬉しい。
このまま深夜まで気に入りの店で大いに盛り上がる打ち上げ。


生きてて良かったなあ、と思うことや思ったライブはたくさんあるが
この日死ねばよかった、と思うくらいのライブは初めてだった。
あそこで死ねば、相当キマッてたのに、と思う。
それでも全然構わない、気持ちよかった。
これからまた死んだ気になって全部やり直しだ。楽しみだ。