daysuke2008-06-09



デグルチーニ ロホレガロ チャンキー松本 高岡大祐 Dr.Djim Bour Sine 他

なっかん率いるロホレガロのイベント、エルチョコラーテ、
この日はスペシャルでベルギーから大阪に遊びに来ているセネガル人のジムと
カリファの二人が参加したスペシャルイベント。
対面でステージを2つ作りピンポンショーといって数曲ずつ交互に演奏を交歓。
これはジムらの住んでいるベルギーでやったもの。


ベルギーで一緒にやった仲間たちもたくさん駆けつけた。
MICHIさんはヤブッチの笛と一緒にウクレレ演奏、これが流れるとあの時を思い出す。
ロホレガロはこの定例イベントで本当に力をつけていると思う。
デグルチーニは暗黒のパワーが増大してた。
チャンキーさんの出し物のとっ散らかりようは凄くて(勿論良い意味で)
凄い特殊な芸能になっていたと思う、大阪ならではの。
あれを見るお客さんの反応も非常に大阪らしいと思った。


ジムのセット、カリファがハーモニカ、他にも大阪人たちが優しくサポート。
ジムの声は高くて柔らかい、聞きなれない言葉、
セネガル人の主要言語はウォロフ語だそうだけど、どうだろう、
画家でもあり歌い手でもある彼の弾き語り。
なによりもとろけるような笑顔、本当に凄い笑顔だよ。
嬉しくてたまらない、というのが満面に出ている笑み。
思わずこちらまで笑ってしまう。
 



歌も勿論いいのだが、こう最近思っていたことが氷解する。
いまこの国では音楽やってる奴もやりたい奴もいっぱいいるけど
なんかステージに立ってるの見てもしっくり来ないと思うことがある。
音楽以前にステージにいるの見てもなんとも思わないような奴見たくないよな。
しょぼい奴、華のない奴、おもろない奴、ブスに不細工、ドヘタ、自分探し。
オゼゼとって板の上で何かやる奴はやっぱなんかないとアカン、と思う。
西アフリカではプロフェッショナルの音楽家、というものが歴史的に育ちにくかったという。
音楽は普遍的にあって、名手は普通にそこらに存在し、お金を取って生業とする、
金を払ってそれを見る、という感覚はなかなかなかったらしい。
そんな中でも魅せる奴が音楽家になるのか。
その豊かさと厳しさの反対の世界に僕らはいる。


ジムはいい歌歌うけどそんなに上手い歌い手ではないが、
友人であることを差し置いても、板の上に出ている姿は見ごたえある。
これも才能だ。俺は笑いっぱなしだった。とにかく凄い笑顔なのだ。
あんなにどばーと放射するような笑顔ははじめてみた。


++++


で、自分のソロ。
エルチョコ、他のパフォーマーはこうなんていうか、ノリが良くて踊れて歌えて笑えて
というのがほとんどで僕だけはいつも異色。


マイク立てて少しリバーブも入れてもらって(これは初めてのこと)
大きな音でtubaソロ。
1回目は即興演奏で。


ここでやったものなのだが、自分のイメージが我ながらおかしい。
演奏前にイメージするのは自分が一本の弦になるということだ。
太い棹に1本、太い弦が張っている、おそらく皮だ。
基本音を鳴らす、ぶんぶん鳴るところで半分のところを押さえると
オクターブ上の音が出る(物理的に見た目的に)。
しばらくその2音で自分自身が揺れるまで演奏して
こう、なんというかうまくいえないけど、3分の1や4分の1くらいのところで区切って
素早く手を動かす(イメージで)演奏していく。


目に見えるところで音を区切っていく(あくまでイメージ)ように演奏。
口と指の癖から演奏が解放される。
一定のリズムも何もない。思うままに触るままのように。


ちょっと前まで長らくあった頭の中のイメージは
親指ピアノ(カリンバとかサンザとかリケンベとか)のように音が並んでいるものを弾く、
というものだったが、昨日あたりから一弦になった、模様。


ちなみに僕は弦楽器は一切弾けません。
聴く音楽が弦楽器と打楽器ばかり。
弾ける人のことが相当うらやましい。
しかし僕はもう20数年もtubaやってて後には引けないし
自分のなりの自分だけの演奏方法と演奏でやっていきたい。


これは苦しいなあ、と思うのは僕はいつも音のイメージが先でそれを具体化する、
だいたいtubaや管楽器らしいものではないので、身体的に物凄く苦労する。
ときに異常な苦痛を伴う演奏もある。
弦楽器の達人たちは楽器の物理的な事柄に即して演奏しているようで
凄いことをやっていてもなんだか自然な感じがする。
ますますもってうらやましい。


第一、触るだけで音が出るなんて、卑怯だ(うらやましい)
こちとら吹く前にイメージ固めて体の準備してせーの、あ、うまく出ない・・・。
いつも自分の思っている音しか出ない、というのは、非常につまらない。
そこから脱出するための演奏法でもあるのだけれども。


2部でのソロではtubaを笛にする奏法、大阪で初。
踊ったり歌ったりの大阪パーティーピープル唖然とするもじっと見てくれる。
ありがたや。
PAきーくんのダブ処理で遊んでもらった。
続いてグナワの曲を少し。
合間にジムとカリファに来訪の感謝を叫ぶ。


ああ、面白かった、自分の含めて。
表には出店も、ジムとカリファの絵が売ってある。
「日本に来て持ったインスピレーションで」というが僕らには非常にアフリカな感じ。
魚が入っていた木箱に書かれたカラフルな絵。
今手持ちがないけど、帰るまでに一枚は欲しいなあ。


ちょいと先にお暇する前に皆に挨拶。
ジムは「daysukeのためにマフェを作るよ、マイゴッド」といい
カリファは僕のtubaソロを口真似して
「俺はお前のクレイジースタイルが大好きだ」という。
この口真似、すんごいアフリカしてた、嬉しかった。


演奏の後に、楽しかったとか面白かったもいいけど
向こうでもよく聞いた「お前の演奏、好きだ」という方が分かりやすいし好みだ。
批評も何もいらない。
飯を頂いた時のご馳走様と同じで良い。


いいパーティーでした。
なっかん、特にありがとう。