沸騰祭@早稲田sabaco

daysuke2008-05-29

BOILERZ(高岡大祐tuba+ワタンベds) 渓g 徳久ウィリアムvo 山本達久ds


早稲田のsabacoにてボイラーズとその仲間たちによる沸騰祭。
あいにくの雨の中駅にて集合。
いったん会場に荷物を置いて近所のブラジル楽器屋マルメラアダに顔を出す。
違う道通ってうろ覚えで行ったために結構迷う。
東京は住所番地があまり街中に書いていない上に分かりにくい。
ようようついて店内を探索。


戻る途中で皆で夕餉。
久しぶりに大学前のカレー屋メーヤウ
今週の週代わりカレーがインドチキンカレー激辛だったのでそれを選択。
もともとここのカレーは結構辛いのを承知だったが、これはどえらい辛い。
でもうまい。演奏前にすでに汗だくになってしまった。
皆で美味堪能。


店に戻りセッティング。
ドラムは並ぶようにしてギターアンプとベーアンも並べる。
今日僕は久々に真空管プリアンプを使ったblowbassスタイルを使用。
ウィリアムはヴォ−カルマイク、渓さんはソロ用にコンデンサーマイクも準備。
この店のごついサウンドシステムを有効に使うつもり。


雨の中お客さんの入りもいい感じで開始。
最初はボイラーズ。
前回ここで二人でやった時にはまだこのバンド名もついてなく演奏の内容も違った。
今は違う、ジャズではない。
この時はどうも細かいタイムが気になってしまった。
何かが少し遅い気がしてしまう。
ワタンベ、寒さで少しだけ体調不良気味か、それがまた気になってしまった。
なんとかしなくてはと音量もアップしてなかなか苦しい。
うむむ。


次には渓さんのソロ。
この店の化け物スピーカーで渓さんのギターの倍音を聞きたかったのだ。
この日も渓さんは目隠しと耳栓を使用。
長髪でヒゲだし初めて見る人にはかなりオカルト系の怪しい人に見えるだろうな。
ここのところ毎日のように浴びている渓さんの音。
ギターの近くでしか聞こえない微少な音が良い感じに増幅されて皆に届く。
生でしか絶対に体験できない稀有な音楽。
聴く、というよりも浴びる、や体験する、のほうがしっくりする。
この演奏には初めて見るお客さんも含め初見のミュージシャンにも驚愕が隠せないようだ。
ばっちりだ。


休憩を挟んで二部。
ここからは組み合わせ即興セッション。
最初はボイラーズと渓さん。
昨日もやって味を占めているセット。
渓さんはブライアンメイモデルのギターにデジタルアンプ、僕はblowbassセットでベーアン使用。
ワタンベはミニドラムだ。
暴虐のエレクトリックサウンド
とはいえ自己愛的にならず破壊的でもない。
僕は音程の数がぐっと減る、一音か二音くらい。
大太鼓の快楽を味わう。
先ほどのボイラーズだけのセットに比べ非常に残すところない爽快感。


次はワタンベと山本達久君。
達久君は山口から上京してきた通称「山口組」ミュージシャンの一人で、
若手ドラマーで最も注目すべき人である。
東西で信頼の置けるドラマーを並べたのは僕の好奇心。
即物的ともいえる物音が無造作にでも確信を持って放つ達久君に対して
ワタンベは非常に動物的というかドラマー的というアプローチ。
二人の沸点が休息に近づいてスパッと終わるのが気持ちよかった。


お次は達久君と渓さん。
意外と共演経験はないみたい。
渓さんは再びエレキを手に。
このセット、嫉妬するほどかっこよかった。
まさにサムライセッション!
お互いの人知を超えた技で防御なしにぶった斬りまくる。
満身創痍の傷痕が音のようだ。
たまに笑う達久君の表情が印象的。
渓さんはもうなんか悪い神さまみたいになってた。
グレイト。


続くはウィリアムと渓さん。
渓さんはアコギに持ち替え。
口元にマイクを寄せたウィリアムからまったく途切れのない雑音含む風のような音が発生。
渓さんはソロでも使用する渓奏法(仮名、本当の名前はヒドイ)でこれまた違う意味で
風とか水みたいな演奏なので不思議なマッチング。
しかも音を聴いているだけで楽しい音楽。
さきほどまでとまったくテイストの違うもので楽しめた。


ウィリアム、ワタンベ、そこの僕。
今回基本的にやりなれた相手とのセッションは組まなかった。
ワタンベは渓さんが以外初、渓さんは僕ら以外初、ウィリアムは達久君以外初、
ただし僕は全員と演奏経験があるのでセッションにはあまり参加しなかった。
ウィリアムとやるワタンベのセットだけに参加。
抜ける管を全部tubaから抜いて最近開発した「イスラム奏法」にトライ。
ネタバラシしますがようは中近東のネイやカヴァルのような方法で笛のような音を出します。
ばらしたところでそんなに簡単には真似できない、世界で最も吹き方の難しいと言われる笛の
吹き方ですからねえ。
ベルギーでいろいろな演奏家を見た時にこれをやってる人が多かった。
リオグランデバスクラの人がこれで演奏したのにぶったまげて触発されてやりたくなったものの
全然出来なかったのが今回の上京時に突如何の気なしにできちゃった。
高音の倍音を操っているのかいないのかで演奏、ウィリアムは喉声中心で奇妙な声。
僕は徐々に管をつけていって生音tuba、その頃にはウィリアムはデス声になり
生音変なハードコアセッションに。おもろかった。


そして最後には無謀なのは承知で全員セッション。
この人数での即興になると単純に一人で全員の音を聞き分けることは非常に難しくなるので
エゴイスティックな放ちっ放し演奏になりがちなのだが
このメンバーでやってみるとさすがの辣腕揃い、轟音の中にもトンチのきいた、または
粋なことが随所に起こっている。
かっこええわあ。


というわけで余すところなく終了。
しかし進行しながら組み合わせセッションするのは久しぶりで
以前は渋谷のカフェで毎月行っていた。
このようにどのセッションも抜きどころもつまらないこともなく楽しめて
やってよかった、と思えることは実はなかなかない。
非常に充実した。
厳選した少ないメンバーではあるけれども、いま現在の高岡大祐の音楽を形成している要素、
それは多くは友人などの環境でもあり、尊敬し切磋琢磨している身近なミュージシャンであるのだが
それを端的に知るダイジェスト、とも言って良いメンバーであり組み合わせだったと思う。
わが好奇心を満たしてくれた皆さんに感謝、一緒に楽しんでくれた皆にも勿論感謝。


しかしやはり疲れ果ててアジトで酒一滴も飲まずに水飲んで寝ようとしたが
勧められてアボガドに砂糖とレモンたっぷりかけたのを食べたら意外にも元気満タンになって
危うく外にのみに出かけそうになったが、4時半くらいに本読んで寝た。
いいことを知った、元気のないときには砂糖レモンアボガドです。


この日惜しむらくは写真を取る暇がなかった。
持ってる人、送ってください。