BOILERZ+渓@御器所なんや

daysuke2008-04-22

BOILERZ(高岡大祐tuba+ワタンベds)+渓g


名古屋三日間のはじまりはじまり。
ワタンベと近鉄上本町で待ち合わせ。
今回の移動は「近鉄株主優待券」による「ほぼ鈍行移動」である。
もともと近鉄電車は各種値引きが激しい。
学生時代は定期券の安さに驚いた。
特急券の値引率もよく、金券ショップで買うと4000円ちょっとの定価が千円引きくらいになる。
特急の値段の約半額で買える優待券、1600円(以前より100円値上げしてた)、
これで特急以外に何でも乗れるのだ。
しかも特急との時間の差はたったの1時間強。
時間と体力に余裕があるならこちらでいこう、ということに。
ワタンベは同じくらいのん気でタフなのでこの案に乗ってくれた。


トイレなさそうだからビールは我慢して水だけ持ち込んで。
天気の良い近鉄線の車窓風景は最高に気持ちよい。
あ、ワタンベはビール買ってやがった、ちょっと分けて。
彼がアテに持ってきたのはなんと「青唐辛子」だけである。
我らの近隣はコリアンタウンでこれがたくさん売ってる。
口がひん曲がるほど辛い、これで酒を飲む。
少しかじると、口の中がうひーっとなる。
辛さが引くと爽快で少し呑みたくなる。
これの繰り返し。
ビールは一本しかなかったが、空腹になったのでこれを二人でかじりながら
名古屋まで移動した。
空腹を唐辛子で押さえるのは昔の最貧民の生活だった、はず。
お似合いだ。
途中榊原温泉口駅で目を疑うような風景を見る。

なんだこりゃ、相当でかかった。



名古屋まで3時間ちょっとで到着、余裕。
そんでもって地下鉄乗り継いで御器所へ。
なんやまで歩いたことのない道でいってみよう、と思い知らない道を選択していると
ギターをかついだ渓さんがチャリに乗っているところに遭遇。
好みとを選んでよかった、そのままなんやまで同行。


店主ぷよさんにご挨拶して階上でセッティング。
ワタンベはいつもの特製ミニドラム持参、フロアタムの中に全てが入っているのでいちいち
全部をばらして組み立てるので少し時間がかかる。
渓さんはもうアコギ1本アンプもなしでやるということに、僕も当然生。
サウンドチェックすら必要のない素早さで準備完了。


近所のスーパーで買いだし、この時間いつも安売りで惣菜が凄い争奪戦。
目の前5分でなくなる。
揚げ物の多いメニュー、こっそり持ち込んでビールで乾杯しながら夕食。
うええ、濃いなあ、ちょっと胃もたれ


お客さん来るかなあ、と思ってたらほぼ満席状態でありがたや。
最初はウェルカム演奏という事で渓さんのソロから。
少し暗めに落とした照明の中、アコギを抱えた渓さんが床に直に座り演奏。
最近渓さんがさかんに行っている新テク「渓奏法」である。
これはうまく説明できないが、見るより聞くほうが早い。
音がリズムでなくて波でやってくる。
聞いている人がポイントを選ぶことが出来る。
物凄い長い時間かけて音楽の流れを楽しむことが出来る。
短めにね、といっても30分くらいやってた。
ちょっと物足りなさそうなところで終了。


当初は次にいきなりトリオでやろうと思っていたのだが急遽変更。
ボイラーズ、デュオだけの演奏にした。
われらが演奏する時には照明は明るくしてもらった。
暗いところで演奏するの、それほど好きではない。


アホな気合蒔き散らかしていきなりバリバリと。
三角形の天辺にあたる部分から、広がる会場へ音を放出。
あっという間に汗の洪水。飲食にはまったく向かない演奏ではないか。
生音での演奏で音の手ごたえがダイレクトにつかみやすくて演奏しやすい。
7拍子と3,5拍子が絡み合うオリジナル曲「1本足の取れた蜘蛛」が自在さを増してきた。
拍子にとらわれないようになって来ている。
ここのことろリハをしていないというのにこの感じは凄い。
リハでは手に中にあるのを見ようとしている、演奏で馴染むにつれ確認が要らない、ということか。
自分の演奏の中で意外性を発見するのは非常に楽しい。


休憩を挟んで2部は三人で。
渓さんはアコギ、増幅装置なし。
いくら演奏技術に優れた彼が鳴らしきってもドラムとtubaとの音量差は歴然、
しかし構わないという彼、かまわないで演奏する我ら。
思えばPAなどで全ての音量はコントロールされてバランスが取られているのが常識。
しかし、それもなんだかおかしかないか?
大きな音も小さな音もあるというのに。
確かに聞き取りやすくなるのはいい、しかしそれだけではないだろう。
とにかく今回は音量のバランスに重点を置くのはやめだ。
渓さんがいらないというのだからそれでいい。
良い演奏に心がけたい。
いくらワタンベがドラムの音量を控えてもギアーの音はその下にかき消されそうになる。
僕はその音を演奏しながら聞こうとする。
不思議な苦しさと楽しさが同居する。
聞こえるからって音楽が全て分かるわけじゃないもんな。
全部が聞こえなくても強烈にそこにある感じの演奏、
そんな感じで全編いけたと思う。
集中力を要した。


終演後はそのまま飲み会に突入。
お客さんたちと楽しく歓談。
久々再会の人たちも多く話も弾む。
そこそこで引き上げて徒歩で渓さん宅へ。
とてもいい感じの日本家屋。
長い長いおもてなしの夜の始まり。
ワタンベと二人で完全に渓さんワールドに落とされて撃沈。
この人、凄い人やわ。