THE CRAPPY MINIBAND japan tour2008@池袋バレルハウス

daysuke2008-03-28

the crappy miniband
LYNN CASSIERS (voice, effects) aka Ying;
NICO ROIG (toy guitar, effects, omnichord, little toys and more stuff)aka Yang;
GIOVANNI DI DOMENICO (toy drums and little percussion) aka Yung;
PAK YAN LAU (toy accordion, toy piano, effects, toys...) aka Yeng
ゲスト:高岡大祐tuba
飛び入り:クラッシー(djembe)


長い長い、そして大切な一日。


池袋バレルハウスはいま一番お世話になっている場所だ。
それ以上に愛情と友情で支えてくれている店長園山氏の存在は大きい。
ここでのライブ、気合入る。


ここでやるときの恒例で少し早く入って馴染みの美味しい中華屋で食事。
驚いたことに中国系であるパクヤンにもここの言葉はほとんど分からないらしい。
彼女はカントニーズは話せるが(読み書きは出来ない)マンダリンは分からない、とのこと。
標準語である北京語は分からないということか。さすが中国は広い。


ここでも僕のお勧めで注文を取る。
野菜だけの料理はある?と聞いたら即答で答えてくれる。
出てきた料理は欧州人には見慣れないものばかりらしい。
ここは東北田舎料理のもので四川の辛いものもある。
ニコは特に辛いものが苦手であることがここで分かる。
パクチーもダメで、注文で要らないといいかけた彼に
「俺らが食うからいいの!」と同時に言ったのはジョバンニと僕。
そろそろこの辺でみなの食嗜好がはっきりとしてきた。
ニコは和食が好きだけど好き嫌いははっきりしている。
柔らかいテクスチュアの物がすき、結構ジャンク好き。
辛いものと香りの強いものはあまり好まない。
リンは北部欧州大陸の人、さらに女の子って感じで、結構保守的。
臓物ダメ、生ものも少し苦手そう。
パクヤンは書いてあるとおり菜食主義、ただ本当に「主義」なだけで
それほど食事にコダワリがあるようには思えない。
僕の友人で味覚が鋭すぎて肉類をあまり食べれなくなった人がいるがそれとは違うよう。
だって避けようのない微量なものに関して、感知しているとはちょっと思えない。
ジョバンニはさすがイタリアン、というか食に対して好奇心も強く何でも食べる。
どんなものでも美味しさを発見するというか、結構僕と好みは合致する。
辛いものも香りの強いものも好きだ。


最後に杏仁豆腐(これも誰も知らなかった)を分けたら皆驚く。
ここのはちょっと特別美味しいのだ。
満腹で今度はショッピング池袋。
オモチャと楽器を見たいという事でサンシャイン、ドンキ、東急ハンズ圧縮陳列コース。
結構ショッピング苦手な僕はめまいがしてきた。
モノたくさん見すぎるとくらくらする。
東急ハンズなんて入り口から階段に行くまでに20分以上かかったもんなあ。
それだけのものみてるってこと、ふうふう。
ここでみんなサングラスショー。
  
 


僕は本当にふらふらになって皆はご機嫌でバレルへ戻る。
セッティングはそろそろ慣れてきたころでPAなど環境の違いにも対応していく、
僕はあらかじめある程度把握している範囲で事前に係りの人たちに伝えていく。
微妙な調整を経て完了。


今日は飛び入りゲストに柏のライブでドラムの用意を手伝ってくれたクラッシー、
そしてお客で東京に来ていたご近所ダンサーのかんちゃんが現れた、再会を喜ぶ。
開演時間までの間に店長そんちゃんは小出しにもてなしの料理を出してきた。
刺身こんにゃくやはたはたの一夜干し、葉唐辛子味噌つけて食うヤッコ。
なにもかもうまくて開始前にこれでいいのか、と少し陶然となる一同。


開演はこの調子で非常にリラックスして。
ここまでの二日間もお店側の期待感があって、その高揚感がわれらにやる気を与えてくれる、
この日はもてなしも楽しもうという気もマックス。
こちらにも勿論伝わるもの。
嬉しそうな気がカウンターの向こうから溢れてくる。
こちらの演奏だってハッピーだ。



休憩中もちょこちょこと小料理が出てくる、もう駄目ですよ僕らは。
そのメロメロで2部に向う。夢見心地な演奏が続く。
笑い声や会話が飛び交う愉快な演奏の場。いつもこうありたい。
最後にいつも決める「no words day」は気持ちよい合唱だった。
アンコールにもこたえて大団円。


ここからがこの夜、さらに凄かった。
そんちゃんは厨房に篭り渾身のもてなし料理を次々と出してくる。
初めて作ったというニョッキは全て手作りでローマっ子のジョバンニも舌を打ち
もう怒涛の料理攻撃で夢の中、全員がうっとり。
菊姫にごり酒なんて俺も飲んだことない、みなで乾杯さらにめろめろ。
全ての料理にべジー用のものを用意してくれていた、そんちゃんの気持ち横溢。
最後にこっそり出てきたものは鯨の竜田揚げ。
パクヤンは論外だが勿論残る三人もこれが初めてで恐る恐る口にする。
「どう?」と聞くと、「もうひとつ」という。
あの罪深いものを食す顔、たまらんかったなあ。
パクヤンには何を食っているかさえ内緒にしていた、たぶんダメなんだな。
菜食は極端な「好き嫌い」だ。


気持ちはどんどん盛り上がっていく、楽しい仲間と楽しい宴。
料理を切り上げたそんちゃんにDJを頼む。
彼の選曲はいつもジャストミートだ。
踊り狂う私たち。止まらない止まらない。
パクヤンの見事なタンゴダンスに驚き。
皆がソロダンスを取ってそれを囲む。
 
楽しい楽しい。
かんちゃんが「ベルギーとまったく同じやん!」と叫ぶ。
そう、あの感じ、楽しいものが渦今いてる自由な風。
一人の楽しみがみんなの楽しみになる、安易なつながりなんかではない。
そんちゃんがまぶしそうなはにかんだ笑顔で見てる。


どうして彼はこんなによくしてくれるの?とメンバーたちが聞いてくる。
そんちゃんのことだ。
もてなし好きの世話焼きのベルジャンたちが言うんだぜ。
それは彼に聞かなくても僕が知っている。
「彼は本当に音楽が好きで遠くから来てくれた君たちに本当に感謝しているから
 日本語には「心意気」という言葉がある、それを彼は示してくれたんだ」
万感の想いで言葉もないベルジャンたち。
これだけで僕はここに彼らを連れてきて、良かったと思った。


呑んで呑んで踊って踊って。
たまらないノンストップ、ほんまにベルギーの夜と同じ。
企画にいつも徹夜の僕は少しだけソファーで休息。
この後もまだ予定はあるのだ。


起き上がり始発近い時間から準備。
みんなで築地に行こうという話。
最近の外国人はよく知ってるなあ。
しかし築地は朝早いよ、という事でこの日の運びに。
そんちゃんは市場にも詳しい、ガイドをお願いする。


朝早い地下鉄乗り継いで築地へ。
まだ外はほのくらい。
場外の神社を参って場内へ。
実は僕も場内へ行くのは初めてだ。
河岸の人たちが乗る不思議な乗り物が高速で動くのを必死で逃げて。
僕にとっても驚きなのだから彼らからいったら異世界そのものだろう。
見たこともない食物の原形たちに囲まれて言葉を失う皆。
 
なんとかギリギリ最後のマグロのせりにまにあったようだ。
巨大な魚たちがゴロゴロ、あちこちへ運ばれていく。
周りを見ると結構環境客らしき人たちも多い。
パック旅行ではなく一人旅の人たちが。


そんちゃんの案内で市場内をうろうろ。
お勧めのお茶屋さんでショッピング。
こらこらここで玄米茶なんか買うなって。
しかしうまい、ここのお茶。


さて朝飯でも食おうか、となって歩いてみるとめぼしいお店は凄い行列。
さかなさかなさかな。並ぶのは大嫌いだ。
さてどうするか、となるとやはりそんちゃんは冴えている、穴場に連れて行ってくれた。
自動券売機で勝手から注文する定食屋。
魚料理もあるけど半分くらいは普通の中華や和定食。
そりゃそうや、毎日魚に付き合ってる人が毎日魚だけ食うはずない。
河岸の人たち向けの食堂、それはうまそうやわ。


またしても景気付けにビール、クラッピー面々のためにオーダーを取ってやり
僕は2色丼、そんちゃんはしぶいしょうが焼き定食だっけ。
ギンむつ定食なんかもシェア、こらあどえらい美味い。
最早かわいそうなのはパクヤン、白ご飯に豆腐のせて醤油かけてぐちゃぐちゃにして食ってた。
好き嫌いやもん、仕方ないわ。
他メンバー、またしても当然うっとり。


荷物を預けてある関係で池袋に戻る。
そんちゃんはこのまま某所に呑みに行こうなんていってるのでちょっとそこを見学。
池袋で最もディープな飲酒プレイス。
さすがにもう呑めんわの我々は、ここで解散することに。
去り難しを去り、別れを惜しむ。
必ず帰ってくるよと皆がそんちゃんを抱きしめる。
朝日を浴びて写真を撮ってもらった。
この旅の中で僕が一番好きな写真。

いいことばかりだった。
こんなに楽しくて嬉しくて良いのだろうかと心底思った。
そんちゃん、みんな、ありがとう。