THE CRAPPY MINIBAND japan tour2008@柏ナルディス

the crappy miniband
LYNN CASSIERS (voice, effects) aka Ying;
NICO ROIG (toy guitar, effects, omnichord, little toys and more stuff)aka Yang;
GIOVANNI DI DOMENICO (toy drums and little percussion) aka Yung;
PAK YAN LAU (toy accordion, toy piano, effects, toys...) aka Yeng
ゲスト:高岡大祐tuba


*現在旅が完全に終わってから思い出し書きです。
 簡略化したものになります。


いよいよはじまるCMBのツアー。
いきなり千葉への長距離移動。
まだ地下鉄の切符の買い方もよく分からない彼らと一緒に。
ひとり泊まり先の違うニコを待ち合わせるも予測どおりの遅刻。
原宿から柏まで一直線に行けるのは助かる。
なにせ凄い大荷物だ。
パクヤンのトイピアノ、重量はともかくハードケースが巨大で重い。
そのうえ転がしが初日に潰れた。大変だ。


ナルディスについた時間は予定のちょうど。
誰かの遅刻や移動トラブルの時間を大目に見て計算したのがまったくその通りで驚く。
マスター小峯さんと挨拶。紹介。英語堪能な方なんでこちらも楽だ。
クラッピーのメンバーはベルギーの人間にしては英語が早くて僕はこの時点で困ってる。


ちょっと落ち着いたらせっついてセッティング。
これが初めてのライブで、日本の電源や変換、各種試さなくてはいけないことでいろいろと大変。
パクヤンとリンはケーブルがたくさん、スパゲティ状態。
 
 

ニコは段取りのんびりしていてしかも途中で注文が来るので何度も往復。
アンプを使うかPAに送るかなどもこの日に試しておくことが多く、セッティングは一番大変だった日だ。


なんとか音が出るようになったときには結構僕はくたびれていたはず。
しかしなんとか全員の音が出て嬉しい。
昨年録音のときだけに演奏した曲を思い出す作業などにも忙しい。


一段落したら食事へゴー。
相変わらずパクヤンの菜食問題で頭を使わなくてはいけないが
このあたりであまり悩むのはやめることにした。
前から気になっていた近所のうどん屋へ。
いきなり全メニューを英訳しなくてはいけないのがかなり時間かかる。
全員細かいところ突っ込んでくるのでそれに丁寧に答える。
パクヤンは野菜てんぷらうどん、つゆは手をつけず(出汁が入っているから)醤油をかけて。
他はかつどんやいろいろ、いただきます。
ニコがカツ丼嬉しそう、以前ブリュッセル和食屋で働いていた彼は和食が大好物。
「ベルギーではカツ丼は2000円もするんだ」と嬉しそうにほおばる。
現地で美味くて安いもんが一番やね。


落ち着いたらナルディスに戻る。
馴染みのお客さんも集まり、そろそろと。
最初は4人でやるかな、と思ったら全曲参加することに。
このやりかたはツアー最後まで変わらないことになる。


このバンドは不思議です。
お互いの顔を見ない集中力を要するインプロからギター弾き語りの美しい歌モノ、
リンがロックスター張りにシャウトするロックチューン、ちょいダサディスコものまで。
幅広く節操がないけどどこかに統一感がある。
全員がオモチャのような楽器を使っている(ジョバンニはドラムのタムをキックしてた)こともあるし
ひとりの人間ですら多用な面がある、それをそのままバンドにしたような感じか。
演奏している時の軽やかさ、楽しさは格別。


1部の途中でやってきた中年男性グループが非常に不快だった。
音楽は酒のアテ、くらいなもんだろうが、それはいいけど
日本語だと分からないと思って汚い言葉を吐きかけ、静かな場面で他のお客さんが聞き入っている
ときでもわざとらしくあてつけのようにして大声で話す。
無視すりゃあいいんだろうけど、演奏のために耳をフルオープンにして全ての音を聴こうとするので
我が開いた耳にはどんどん飛び込んでくる。
こういうときミュージシャンはあまり何も出来ない。
不快に思っているならお金を払っているからこそちゃんと聞いているお客さんは
文句いう権利はあると思うが、いかんせん日本人は初対面の人間に弱い。
相手の立場が分からないと自分の意見もいえない人は多く、これは優しさの裏返しでもあるが
こういう場では、かっこよくないぜ。


中年、途中で帰る、良かった。
最後にはご機嫌で、彼らの皆で一緒で歌うナンバー「no words day」が流れる。
ハミングで皆で歌う心地よさ。
温かい歓声と拍手で幕。


終わったあとはお客さんと懇談。
差し入れを持ってきてくれる人、乾杯に来る人。
言葉が通じなくても果敢にコミュニケーションをとろうとする人。
印象的だったのは白髪の男性、こんな音楽聴いたことない、と不思議がっていたけど
最後にはパンクソングでは手足鳴らして最後は一緒に歌ってた。
とても嬉しかった。


この日の演奏ダイジェスト。
静かな場面ではうるさすぎる中年男性客の喋りで使えなかったそうです。


しかし終電は近いのでその前に退散。
みなさんに感謝の挨拶。
初めてのライブで柏の人たちの温かさに触れて喜ぶメンバー一同。
これから電車乗りっぱなしだからトイレはいっておいてね、と注意。


したのに、電車に乗った瞬間ニコが「トイレ行きたい」・・・。お前なあ・・・。
で、どうにも我慢できなくなった彼は単独飛び降りてしまった、松戸で。
僕はもうこれで遭難だと思った。
メンバーたちはたいして焦らない、自己責任で行動するものを引き止めたりはしない。
これは最初にいいことを知った。
ニコの無事を祈りわれらは無事に帰る。