佐々木彩子+石渡岬+高岡大祐@御器所なんや

daysuke2007-11-30

佐々木彩子vo 高岡大祐tuba 石渡岬tp


かなり冷え込んでいた室内で目が覚める。
普通の人より寒いところで寝る耐性は強いほうだ。
出かけるユウキさんにお礼を述べて僕は近所のお勧め情報に沿って散歩。
中部地方名物の喫茶店モーニングを味わいに行くのだ。
同行の二人はまだ夢の中なのでそっとしておいて一人で出かける
途中の道が面白くてトーテムポールかと思いきや円空彫りの彫像が道の脇に無数ずらっと並んでいる。
凄く不思議な光景だ。作者名を見ても多分近所の人たちとかが趣味的に彫ったのではないだろうか。
味わい深い、かなりたくさんの写真を撮影した。
  
 



9時半頃に到着した喫茶店はほぼ満席で運良く座れた。
噂に聞く中部地方茶店の過剰サービスを初体験。
日替わりモーニングを選択。
コーヒーに厚切りトースト、ゆで卵、小皿のチーズポテトグラタン、ここまではいいのだが
ここに茶碗蒸しと酒のあてみたいなおかきのおつまみが付いている。

これで飲物代だけの350円というのはもうどうなっているのか分からない話だ。
満腹セットというのを頼むとこれにおにぎりが付いているではないか。
店内はほぼ99%が女性客で遅い朝食で昼ごはんまで兼用するのか凄い賑わい。
こちらも普段は読まない漫画雑誌などを読んでゆっくり滞在。
たしかに小食な人には拷問のようなメニューだ。


天気の良い道を歩いて戻りゆっくり準備できる。
この辺の町並みは本当に美しい。
起き出した二人と片づけをして車に乗り込み出発。
またしてもドライブだ。
ちょっと早めに出発して名古屋で行くところがある。
三重県亀山の月の庭の店主まさるさん(舞踏家の歌舞伎昌三さん)が入院療養している病院へ見舞いに。
まさるさんはガンの末期患者なのだがほんの少し前まで一切の理学療法を受けずに
食事などの自然療法を行い、医者もぶったまげる寿命ブッチギリの生活をしていたが
ある日を境に入院して投薬治療を行っている。
ちょうど一時退院の予定が決まったところらしい。
車の中にチャンを残して岬ちゃんと二人で出向う。
面会の予約もしないで向ったのだがあいにく昼寝の途中のようだ。
これはまずいかなと顔だけ見て帰ろうかと思ったところで、ぱちっと起き出したまさるさん。
朝6時からDVD見三昧の生活と投薬の影響で結構眠いのらしい。
カフェと称される病室はあちこちに絵やチラシや手紙などが張られていてきらびやか。
こんな派手な病室は見たことがない。
いままで入院などをせずに居たのでさぞかし不自由で大変かと思ったら
「楽やで〜、退院したくないわ〜」と屈託なくいう。
大変なのは変わらないと思うが前向きで人を気遣う思いやりも変わらない。
本当にすばらしい人だと思う。
ベルギーのこと、少し話したりしてあまり長くなるのも良くないとそこそこで退散。
手を握る時に自分の余ってる生命力がこの人にいきますようにと願う。
まったく、僕みたいな憎まれっ子が人並みはずれて病気もせず頑強で
たくさんの人に愛されている人格者が病魔に襲われたり苦労をしたりするというのは
なにかがおかしいと思う。
世の中が不公平なのは今に始まったことではないが運命は奇妙な成り行きしか見せない。


しかし会えた事で少なくとも我らは嬉しかった。感謝を。
愚か者は健康な体のためにすぐに腹が減るのでミスタードーナツによって食糧補給。
コンビニ飯にほとほと愛想を着かしたので最近になってミスドの理容率がアップした。
最低でもそこで調理したものくらいを食いたい。


車の中に残されたチャンは窓が開きっ放しだったこともあって冷えていた、ごめん。
再び道を戻り御器所へ向う。
今回は岬ちゃんがナビを借りてきているので移動も非常に楽だ。
なんやに到着するとまだぷよさんは来ていなかったので休憩がてらに一杯。
破壊王」という凄い名前の芋焼酎、初めて飲んだがとてもうまい。
瓶も美しいし何でこんな名前に鳴ったか良く分からないけど気に入ってこの日は
こればかり呑むことになった。


いつもの2階に上がってセッティング、今日はピアノがないけどPAはある。
毎回違うセッティングで演奏してもらっていてチャンには少なからず負担をかけることになって申し訳ない
と思う、しかしできれば楽しんで欲しいとも思う。
チャンを中心に置いた三角形を組んで全員譜面台も用意、この中部三日間の中で
もっともリハの時間も取る、なにせ曲のガイドになるチャンのピアノがないのだ。
演奏の方針に関しても話し合う。
必要最低限の音を、曲の世界に即していつでも変化できるように。
全然違うのだがフィーリングやムードを中心にするというところで少しだけポエトリーリーディング
ような感じも。


名古屋最後の日ということで久々に会う名古屋のお客さんたちの顔。
こちらは今回でもっとも緊張するライブ。
ここからは自分の内的な印象しか言えない。
一音一音を物凄く慎重にしかし迷わず、刹那起こる感情を即身一音成物(誤字に非ず)。
内部の感覚がひりひりと皮を剥かれて外に出るような、汗は違うところでかく。
音を出す時のイメージは、起こり、向かい、消えるときにやっと音の体を成す。
成した時にはもうそこにはないので印象しか残らない、すでにその時には次の世界へさようなら。
やったらいいよ、といったことでまた岬ちゃんとチャンのデュオ。
今日はさらに裸、チャンは声しか持っていないのだ。
出来云々いうよりなんか凄いものをオーダーしてしまった。
2部の後半とかは最早覚えていない。
貴重なライブだった。


終演後はお客さんやいろんな人を交えて乾杯を。
破壊王は進むよどこまでも。
話が弾んで止まらない。
この後に岐阜と愛知の県境という場所でのおちょぼ稲荷というのに誘われているので
もうかなりいい時間になってから車で向う。


気絶寸前の車内のドライブを終えたらこんなところには何もないだろう、
というような場所に凄い人だかり、交通量。
毎月月末に商売繁盛を願って主に水商売の人たちがお参りに来るという。
商店街のお店はもはや1時過ぎだというのに12時間前のごとく全部オープンしていて
飲み屋はみんな満席で凄い賑やかだ。

なかでも多いのはくしかつ屋で、味噌味のどて串と並んで凄い人気。
なんだか腹ペコなのでかじりつきに行く。
方式がよく分からないので聞くと、とりあえずモノも言わずに食って最後に串を見せて払うのだ。
さっきまでの眠気もどこへやら、全員凄い活気で揚げ物を食う、ビールを飲む。
好みでくしかつは土手の味噌の中に突っ込んで味付けして良いという。
これもうまいが特筆すべきはソースの味、長年渾然一体となっていてとてもうまい。
大阪のくしかつが本場とか言ってるの、もう終わり〜。
豚肉であるのも気に入った(大阪は牛串である)、本当にここのはうまい。
胃弱で脂物はダメ、というチャンが一番串の数を稼いでいたのがおかしかった。

活気のある町は疲れたものにも活気を与える。
ここに誘ってくれた張本人でもある照喜名君の先導でそぞろ歩き。
お稲荷さんはなんだか凄い人種が集まっていていかにもお水、である。
あちこちに名刺やチラシのようなものがはりめぐらされている。
境内の近所では笹に刺したお揚げ(お稲荷さんの好物である)が30円で売っていてそれを皆奉納する。
なんでもお稲荷さんは嫉妬深い神様なので、必ず通わないといけなくなる、とかで奉納はやめにしておいた。
もうやけくそのようになって飲み食い歩き、最後の最後まであいていたジャークチキン売っている
レゲエボーイたちの屋台に乱入してジャマイカの話とかいろいろ話して遊んで遊んで
朝方に車で送ってもらって最深部まで撃沈。