高岡大祐alone@池袋バレルハウス

帰国後初のソロライブは池袋バレルハウスで。
そういえば出発前に夜中にいきなりソロライブさせてもらったのもここだった。


昼間はミレーナのおともでギャラリーの下見に。
東東京にある下町の工場後ギャラリーはかなりいい感じで
オーナーさんの考え方などにも共感、これは良いところだ。
短いけど有意義な時間を過ごしてそのまま移動へ。
途中で昼食などを取ってミレーナがお世話になっている家へ移動して手伝い。
僕は唯一の男手ってことで力作業、とはいえゆずの木の収穫。
2階建ての家くらいの丈のある巨大なゆずのきに脚立を使って登って刈り取る。
こんなでかいゆずの木は初めて、棘が物凄くでかくて皮の手袋を突き抜ける。
近くにいるだけでよい香りのする、すばらしい仕事。


その後に池袋へ移動。
バレルに着いたらまだ店長はいなくてそこらへんで軽く立ち飲み。
時間になって戻って準備。
最初はそんなにお客はいないけれどもソロだしカンパ制だし気楽なもんだ。
地ならしのようにゆっくりと、すぐにトップスピードに至る即興演奏。
ウォーミングアップすらしないではじめたが連日のハードな演奏のおかげか非常に立ち上がりが良い。
循環呼吸による演奏、というのをさして念頭に置かないでいる。
必要なフレーズの長さが足りない場合だけ鼻から補助すればよい。
リズムの流れを一人で全部コントロールできる、完全に自分と同期して演奏する打楽器奏者がいるような
感覚で演奏する。
自分の意思で演奏しているというよりは、自分と共演しているかのような感触だ。
意思を放棄しているのでもなく自分の体と感覚に蓄積されたものの延長に自然とあるような感じ。
自分の演奏が物凄く楽しい。
だいたいはわかっているけれども、次にどこに行くのか自分でも分からないし、
行く先に着いた時にまるでそれを他人かのように楽しめる。
たまらない新境地だ。


短めに1部を終え休憩を取る。
友人が少し出かけて帰ってこないのでそれを待っているうちに時間が結構経ってしまった。
待たせてしまった人、ごめんなさい。
2部の最初は少し話を混ぜて、ベルギーでのエピソード、そして彼の地で知った曲にトライ。
前持った準備も練習もしていない状態で臨むのが無謀なのは分かっているんだけれども
フレッシュな感覚のほうを大事にしたい。少々の間違いに何の意味があるか。
どんどん無謀な試みに突っ込んでいく。
数人分のパートを無理くりにどんどん演奏していく。
体の限界はもう当に超えているけれども演奏することの面白さのほうが勝つ。
もっともっと突っ込んでいく。
演奏しているのは自分独りだからどんな無茶をやっても自分以外に迷惑がかかることはない、
ある意味凄い楽な状態だ。
前のめりに自分の能力以上に走っていってもうこけてしまいそうなんだけど
危ういバランスでこけないままどんどん前に進んでいく、そのスピードが今までにない、
という感じだろうか、言葉にすると。
終了。


充実感とともにこんなに楽しかったライブは今までなかったかもしれない。
ソロの中でも一番。
いろいろなやり方でソロをやってきたがついにここにきたのかもしれない。
完成とかではないが自分の聴きたかった音楽。
たまらなく楽しい。
というわけでこの乗り絶好調のまま飲みに入り店長そんちゃんや友人たちとも熱く語り飲み。
この元気が持続するままに。
友人、潰れるまで飲む。
朝ラーメン食べてうろうろして終わり。