天使たちとの朝/レコーディング

daysuke2007-10-30

朝起きたら天使が三人、僕の上に降って来た。
驚いてみてみたら、腹の上でニコニコ笑って飛び跳ねている。
天使の名前はアンジェロ、バジル、サラ。

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アンジェロはすでに友達だったけどバジルとサラは初対面。
名前も聞く前に僕の腹の上で飛び跳ねている。
こんにゃろめ、と全員抱きかかえて放り投げたり相撲を取ったり。
合計1時間半ベッドの上でくんずほぐれつしていた。


ひとしきり暴れた後にはルラの朝食。

どこで手に入れたのか最高にうまい、パンとチーズ。
ロッコのクレープは彼女の手作り、その辺で取れた野生の果実で作ったジャム、
半熟卵をくりぬいて塩をかけて食べたら、これがなんだか信じられないほどうまかった。
マチュートリオは昼過ぎまで夢の中、僕は天使たちと女神と朝食を。
「僕の人生で一番最高の朝食!」というと皆が笑った。
ほんとにそう思った。


三人の子供たちの出自はよく知らない。
多分ルラの子供たちだろう。
 

天使たちはそれぞれ海賊船の格好に着替えてリアルパイレーツごっこ
1937年製というこの船だもの、本当の海賊たち!
岸と船は子供一人分ほど距離が離れている。
ルラに「この子達、川に落ちたことは無いの?」と聞くと
「いまのところはないのよ、泳げないんだけどね」って。
危ないとか、そういうこと、何も言わない。


ジムとレジスは「この辺のウサギはトロイよ」という。
早速子供たちとすぐそこの森へ行きパチンコ片手にウサギ探し。
おもては、もうとてつもなく美しい世界。
 

「ラパーン、ラパーン!」
見つからなくても楽しい時間、川辺には野生のミントがびっしり。

みんなで畑のほうへ散歩。
水溜りに突っ込みたがるのは全国共通。
一緒に草刈して島を作って遊んだ。
慌てて走るサラが泥の中にぶっこけて泣いてる。
泥払って手を繋いで、ボートに戻ろう。


天使たちにボリショイズのバッヂをあげた。
ちょうど三人、ちびっこボリショイズ。
君たちはパンクキッズだ。
アンジェロは飛行機で帰る僕に飛行機のオモチャをくれた。


帰り際、何度もルラがいうことには
「あなたがベルギーから居なくなるなんて、変よ」
strange、という言葉を使う。
あなたの音楽、大好きだから、待ってるね、と。
心臓がぎゅっと握り締められる。


遠くまで手を振ってくれる女神にさようならを。
別れはいつも、大の苦手だ。


彼女とマチュー曰く、この船は1時間以内にここから4カ国へ移動できるという。
川沿いにバグダッドまでだっていけるよ、って。
将来、この船でコンサートツアーをする約束をした。
船に暮らして世界ツアー!
夢にも思ってなかったけど、新しい夢が生まれた。


なんだか夢みたいな生活をしている。


ブリュッセルに帰ったら準備してレコーディングへ。
来年来日、お世話するクラッピーミニバンド、僕入りのCDつくりへ。
拾ってきたギターにエフェクトかますスペイン人ニコ、グランドトイピアノのパクヤンは中国系、
ピアニストなのにここではトイドラムをしばくイタリア人ジョバンニ、
エフェクトかけたボイスで飛翔するリンはフラミッシュ系ベルギー人。
ここにたぶん日本人のdaysuke。


僕はちゃんとベーアン使ってblowbass、ディレイも使用。
なんだろ、オンボロなおもしろ音楽。
トイ楽器使ってるけど、これはトイミュージックじゃない。

リンが吼えまくるパンクソングなんてボリショイズと同じ箱に入れる。
真剣に、むっちゃくちゃ楽しかった!
明日バルセロナへ向うジョバンニとアントワープへ今から向うリンにさようならを。
see you in japan!


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誰か日本人が僕に言った
「音=人間の価値なら君は無敵だろう」と。
こちらでは何かで判断されている感じがしない。
全身丸ごと、daysukeはdaysuke
それだけ、ただ、それだけ。


誰かが言った「あなたは真っ直ぐだ」
そうかどうか分からないけれど、ここには自分を曲げる必要も曲がれという人も居ない。
干渉することを最低の悪徳とする社会に、説教という概念は無い。


帰る途中に自宅をライブハウスにしちゃったロケンロー野郎バンジャマンの家に。
頼んでも無いのにデジタルマルチ録音の2台カメラ使いでボリショイズのライブDVD作ってくれてた。
「好きに使ってよ!」too much nic guyなんである。



夜霧のサンジル地区の坂を上る。
いつでも笑顔で歩いていると、この町に祝福されているような幸せな気分になる。
いよいよ残すところ、あと一日。
もちろん最後の夜も、ライブ。
life is beautiful!