ワタンベ帰国/octbrist@pianofabric/BXL

daysuke2007-10-20

早起きしてジムとレジスで空港まで彼を見送りに行った。

レジスのシトロエンで空港まで。
物凄い楽チン。
元空港の職員ってことでこのあたりには非常に詳しいレジスに感謝。
見送り、ワタンベの姿が見えなくなるときに、ちょっと辛くなった。
ジムが頭を抱えてうずくまって
デグルチーニもワタンベもいっちまったよー、あー」
と嘆いている。
自分のときがくるかと思うと辛くなった。
別れの場面には滅法弱い。


毎日が目を見張るドラミングでこの地のミュージシャンと観衆をを魅了したワタンベ。
我らがボリショイズの素晴らしきドラマーに喝采を。
ここで一緒に経験したものは生涯の宝だ。
これで僕が滞在するエリック邸の日本人は僕だけになった。
日本語喋る機会がほとんどなくなるだろうなあ。
下手糞な英語とスーパー片言のフランス語、それと音楽言語で過ごします。


さすがに連日の遊びすぎで全員ふらふらなのでマチューんちへ。
軽い朝ごはんを食べてそこらへんにころがっているベッドへバタンキュウ。
眠っていたらレジスがその姿を絵に描いていた。
インクで書くペンでカラー。
軽くかいていたらしいイビキまで絵に書いてあった。

一杯あるあだ名の一つはレインマン、どこに行っても紙とペンを持って
絵を描いている男レジス。
いつも物凄く嬉しそうで、子供みたいに大はしゃぎする120kg大男。
彼の笑顔は最高だ。


起きるとマチューの息子アンジェロとその母親のルラも。
アンジェロは名前の通り天使みたいにかわいい男の子で
ルラは尊敬を集める美しい女優さん。
朝日の中、輝いて見える二人。

バイバイするときにアンジェロは寝転んでいる僕に飛びついてきて
腕にチュウをして微笑んだ。
こんなかわいい子供、日本には居らんぞ!
マチューの胃に優しいスープ麺(昨日のウサギの残り)で力つけて。
みんなでまずはエリック邸へ移動、ここは仮の僕の家でもある。


今日の夜のライブに向けて準備と出発。
ピアノファブリックは同じサンジル地区の歩いてすぐそこ。
フラミッシュ系の運営による文化施設であるそう。
建物が綺麗、スタッフがきびきび。ちょっと日本の施設っぽい。
床が黒いゴム張りで天井の高い「公共」って感じの場所。
PAが全部完備されていて設備は十分。
PAの人が気を回しすぎで音が決めにくかったり。


夜ご飯にとってもらったピザをつまんでビールをもらう。
ボリショイズを偲んでウェストマルを頼む。
やっぱうまいや、このビール。


会場に戻るとお客さんは結構まばらで態度でかくだらしなく座っている人多し。
すかん。
最初の演奏は僕のソロtubaから、というオーダー。
非常に響く上にPAもがっちりはいっている、弱音のソロでも良く響くこと。
ここから全員がそろそろと入ってきて象が歩むような曲へ。
いつもは客がざわざわとしているところで演奏することが多いベルギーでこの静けさは初。
背後ではマチューが仕掛けたプロジェクターが自動にフィルムをガチャガチャと映し出す。
マルタンのドラムがいつになく押さえ気味でクール。
エリックはアップライトとはいえちゃんとピアノだしマチューの声はどこまでも通る。
どんどん集中してきて雑念が無くなり演奏にのめり込む。
2部を通してこんな風にマチューのバンドist(毎月バンド名が変わる)の演奏に専念できたのは
非常に久しぶりのことだ。
良いライブだった。


終わった後はバーで集まってわいわい。
珍しいビールも出してもらって飲んでみるとめちゃくちゃ酸っぱい。
果物を入れて自然発酵させるここ独特のランビックというビールだ。

疲れに酸味が利いてくる。
さすがフラミッシュ系の場所、だらだらせず退出時間も決まっているのでおずおず退散。
近所なので寒さのなか歩くのも気持ちが良い。
今日だけはみなさんすばやく帰宅。ねむい。