BOLSHOIZ@chaff BXL

daysuke2007-10-14

加速し続けていくボリショイズの日々。
いったいどこまで転がり続けていくのだろうか、このバンドは。


夕方にヤニックの車に機材と自分を詰め込んで近所のカフェchaffへ。

ここは来てすぐにデグルチーニトリオのサポートで入ったことがある。
毎日フリマをやっているという広場に面した人気のカフェ。
主な客のほとんどは体中刺青だらけ。
隣の教会を挟んで有名なタトゥー屋があるのだ。
パンクスかなり多し。店員フィリップも勿論だ。
こいつは頭の横を剃りあげたらそこからスミが出てきた。


まだ時間が早いのでぼんやり準備。
ヤニックは今日もシンセ系オンリーでワンドラム。
後で歩いてやってきたデグルチーニとワタンベも準備に入る。
なにせここの演奏スペースは狭い。
お客が入るところはほとんどなくて表のオープンスペースにほとんどの客が集まる。
狭いから音量はそこそこに絞る。
それでもかなりの音量だ。


どうも告知に色々違いがあって時間に2時間くらい差がある、開始。
一番早いのは7時から、本当は9時から。
なんとなく早くやれ、という声も聞こえる。
まあ無視する、柄の悪い連中だ。


劇のダイレクターでどこかの学校の校長もやっているやたら身なりの良いアーメルという人もやってきた。
我らのファンクラブを自称し、今日は劇団関係者25人を引き連れてのお成り。
もうむっちゃくちゃ、店内も店の回りも。
いきなりボリの曲からガンガンはじめる。
ここは近隣で慣れていて乗りも良い、初めの躊躇はここにはない。
全開で飛ばしていく。凄まじい。
興奮して狭い店内で踊り狂うもの多し。
こちらもよく狂う。
1部の最後のほうで足の不自由なパンクス爺とその連れが店内で何かを壊し、
俺らに向かってパンとか何とか投げつけてきやがった。
運が悪いことにそれが演奏中の我が頭に当たってむかっ腹が立ったが演奏中なので
循環呼吸で吹き続けながら中指を立てて馬鹿でかい音を吹いて威嚇。
このおっさん、この少し前にもなんか揉め事を起こそうとしていてアフリカンバーで
知り合ったセネガル系の結構いかつい兄ちゃんらが止めてくれていた。
今日は白人嫌いのヤバイ系アフリカンは来ていないのでまあ傷害沙汰などなし。


休憩時間に外に出てベルギービール
もう帰ったらビールは飲めないな、こりゃあ。
男は飲むならウェストマルだぜ、とフィリップ。
この酒、ベルジャンでも3本以上は飲みません、なんか痺れる。


2部に戻ると店内は暗くなっていてマチューがなんかやってる。
この人は本と凄いしいいんだけど、基本的に自分のステージのときに人がこちょこちょやるのは好きではない。
あげくにまだあのレッグアンフリー爺がうるさい。
頭に来て久々の呪いモード。
もともとインプロで始めるつもりだったのでマイクで増幅しただけで叫ぶ。
最初はいつもうるさいベルジャンも何故か長くのろいが続くと黙っていく。
顔と口調でだいたいの内容を感じるのかもしれない。
詳細はとてもじゃないけどかけない。


なんか勝手に入ってきた鍵盤ハーモニカ野郎も気に食わない。
挨拶一つないとはなんやねん、こら、でまったく見せ場など渡してやらず。
こちらにきてジャムセッション、少し嫌いになった。
本当にいいってのは凄い少なくないか?
んで弱者扱いして追い散らかす。
グレッグ参加、別に仲間だからとかではなくて、彼の音は力強く共演者をどこかへ連れて行く。
力のあるものがちゃんと立てる、という普通が一番良い。
弱肉強食・自然淘汰の歌。
怒涛の渦はまったく止まるところを知らず、セッションはあまり得意でないデグルチーニ
途中で参加してきた。
ギターのキーに戸惑っている様子だったが耳元に言って「やっちまえ」というと
何にも関係なく引き始めてこれがまたナイス。
エナジー
そして怒涛のダンスチューンからまた1部と同じ曲を2曲やってエンド。


終わった後の気持ちよさは格別だ。
夜気にさらされてビールがうまい。
暴れた後の爽快さ。いくつやねん。
ここはライブ後もうまい。
足悪パンクスは呪いが効いたの仲間たちに囲まれて路上に倒れている。
きっと酔っ払ったのだろうな。うん。


ちなみにこの日はギャラが決まっていた。
フリーライブである、客はタダ、店が結構な額を払ってくれる。
客も店も音楽が大好きで、だから。
こんなの日本じゃ絶対にない。


もうすでに客が帰ってしまった後に店員フィリップはたった一人で店内外片付けるので手伝う。
見かけは滅茶苦茶だが凄いいい奴だし働き者だ。

働き者が好きだ。
客追い払った後には店内にライブよりデカイ音でフランスの80年代パンクをかけまくり。
友達たち歌い踊り狂う。

酒も大盤振る舞い、パスティス片手にダンスダンス。
この日のライブも警察来ちゃった、ごめんフィリップ、って言ったら
「警察がなんぼのもんじゃい!!!!お前ら愛してるぜ!!!」といつものこだま。
ステージで歌いながら自分で彫りまくっていったという謎のタトゥだらけの彼。
デグルチーニ曰く「今まであったやつの仲で一番アホ」とのこと。最高。


さすがに荷物もあるしええところで帰りたくなったのでヤニックカーで先に帰る。
素晴らしい、パンクナイト。