日本橋ファイナル@Recyclart/BXL

daysuke2007-09-29

ついに最終日。
準備のことなどもあるのであまり寝ないで起床。
暖かい飯もまだ作る時間はなかなか無いので簡単にサンドイッチ。
とはいえそれでもここのパンとハムとチーズは安くてうまいので嬉しい。
一応弁当も作っておく。
荷物は午前中に積み込んだ、tubaは不安なので自分で持っていくことに。
小雨の振る中、徒歩でrecycleartに。
この場所は英語読みとフランス語読みでまったく音が違う、
フランス語特有のRを鼻にかけたような発音ではじまる、一番近いところでホシクラ。
電車の高架下をそのまま使い、駅の案内などが残っているラフでタフな印象、
有名アーティストやツアーミュージシャンもよく使うブリュッセル有数の箱らしい。
前もって入りの時間のことなどが伝達されていた、なんだかスタッフの段取りもやたらと良い。
何故かと聞くと「フラミッシュなんだよ」とBLOのダニエル。
ブリュッセルでは少数派のフラマン語を喋るフラミッシュは一般的にお金に堅くきっちりしている、
という噂、言語も宗教も違うんだっけ?こちらにきてカトリックのほうが享楽的な側面を持つと知った。


ともかくここの座付きスタッフは日本も各屋というくらいてきぱき働く、気持ちがよい。
ただPAが何度か関わったことがある若いやつで人間はとてもよい感じの奴なんだけど
無茶苦茶にハウリングを起こすのでとても困る。
人は良いが腕は悪い。
機材壊す気か、ってくらいの感じだ。
今日はいつもの日本橋ピンポンに加えてブラックライトの単発ライブや
なっかん、キョンキョンらのロホレガロ、ぶっきら兄弟にセネガル人シモネタ番長ジムが参加する
レゲエセットスペシャルバージョン、さらにボリショイズ、daysukeソロ
これが従来のセプテンバリスト、デグルチーニ、子供鉅人、ミチバンド、大合奏に加わるというとてつもない規模なのだ。


この日、ブリュッセル市内はホワイトナイトという年に一度のお祭の日。
市内中の美術館、ライブハウス、コンサートホール、カフェ、もうなんでもありで朝までライブイベントと
パーティーが乱立し、それがほとんどフリーチャージ。
とてもとても凄い日だ、それが市のサポートで、とは恐れ入る。
幸か不幸かこの日に我ら無名の日本人とブリュッセルアンダーグラウンドが組んでイベント。
後で聞いた話だが、1週間前にここのオーナーからマチューにキャンセルの申し出が来たらしい。
よく考えれば全市内でライブが朝まであるこの夜にどこの誰とも知れない奴らのイベントに人が入るか、
もっと有名なのを呼べば楽なのだ、しかしマチューが何とか頼み込んで続行。
いったいどうなる?


準備中の夕方にボリショイズのドラマーワタンベが到着。
日本からここに直行というのは凄い状況だ。
なんだかぼけーっとしてる、当たり前か。


チェックや段取りは難しい局面を何とか切り抜けて完了。
その時点でもう9時くらいになっていた。
食事が用意される約束が7時半、いい加減腹減りの限界。
そこでバーで食事の用意が出来ました、で喜んで向かい注文。
ミートソースのタリアテッレにたっぷりチーズをかけてさあ食うぞ、ってところで
マチューが「今から全体チェック」とのころ。全員の不満が膨れ上がる。
俺はもう完全に頭に来て「I eat!」とだけ叫ぶ。
どうせな、と思って皿を持ってステージ近くに居てみても所詮すぐには始まらない。
段取り悪いくせに人の食事の邪魔するんじゃねえよ馬鹿、寝言は寝て言え。
そこまで読めなかった皆がステージでぼーっと待ってる間に悠々と赤ワインでパスタをやっつける。
それでも最後の音リハには全然間に合ってやんの。



開演は10時半と知らされたのは直前。もう細かいことは聞かんよ。
最初はdaysukeソロ、これがこの日の開演なのだ、が、ベルギー人、うるせーの。
音が始まってもなかなか静かにはならない、この大きさならばねえ。
エフェクトかましていろいろやるが少々短めで切り上げる、そしたらブラックライトオーケストラと
ジョイントして「great white warm」という曲をやる、このときに中央花道状舞台で子供鉅人、
巨大な白い虫が小さな女の子をすっかり食べてしまう。
この曲、かっこいいんだ、難しいけど。
んで、ミチさんのウクレレソロ。
ここでトラブル、例のパリまでついてきたブルーマンが来てやがって、舞台袖や楽屋をうろちょろ、
あげくに階段を踏み外して落下ついでに奴のビデオカメラがミチさんの頭を直撃。
ふざけるなと怒る俺は奴の胸倉をつかみ端っこに突き飛ばす。


なんとかミチソロが終わったらブラックライトのステージへ。

客も沢山入って音も絞まっていい感じ。
ジーザスはヒッピーだった、という曲でダニエル、ヅラでオージーザス。
子供鉅人との演出絡みもばっちりで大変見ごたえ。
僕も数曲参加。


この後にはピンポンショーの流れ、セプテンバリスト、デグルチーニ、子供鉅人、カンジダンスが
昨日までのものを少しアレンジして流れていく。
セプテンバリストに数曲参加。

楽屋でいい加減腹が立ったのでブルーマンに激怒して怒鳴り散らし邪魔するなと告げ
係りのものにも厳重注意をしておく。
しかし「舞台には絶対上がるな」と警告していたにもかかわらずビデオ片手に上がってきやがった。
出番終わったら楽器置いて客席へ行き「言っただろうが!」と怒鳴っても降りないので
このクソ野郎の金髪をつかんで片手で床に引き摺り下ろしそのまま数m引っ張りまわして蹴り1発。
日本人だと思って舐めるんじゃねえ!お前のせいでどれだけ皆が嫌な気分になってると思ってんだ。
裏でぐちぐちイヤだイヤだ言ってる奴らも同じようなもんだ、いやなら態度で示さないと伝わらん。
楽屋でも座った席に蹴り入れまくりついでにわき腹にねじりこむ。
さすがにベルジャンにも無茶苦茶怒られてる。
視界に入るだけで全員非常に気分が悪いのだ、この迷惑タカリ男は。
絶対何にも金払わないで掠め取るし女には無理やりベタベタするし。
最低だ。クソ。


今日のデグルチーニは凄まじい受け方。

この頃にはとてもじゃないが入れないくらいの人ごみ、入場制限までしていたという。
楽屋越しに観客のどよめきが轟音と化して伝わる。
友人のバンドながら我がことのように嬉しいではないか。

カンちゃんのソロダンスはセプテンバリストが演奏、めちゃええ!
ブリーフ一枚で踊り狂う彼の姿を激写。

最後の大団円はやはりあまりに混雑に2ステージ同時演奏は困難を極めたがそれでも
客はあちこちを見回してこのスペクタクルを楽しんだ。


もうこの時点で相当遅い時間。
段取りをどうするか、とか言ってる間にボリショイズ、お願いします、だって。
ワタンベをたたき起こし、女の子につかまってるでぐっちゃんを引き剥がしヤニックに声をかけ
客席にいたサックスのフレッドにも声をかける。
今日はベーアンにろくなのがないので何とかラインでblowbassセット。モニタは限界まで上げてもらう。
客席にはざわつく客。さあ、かます
WWWWWWWWWEEEEEEEEEEEEE AAAARRRRRRRREEEEEEEEE BBBBBBBBOOOLLLLLLSHOOOOOOOOOOIZZZZZZZZZZZZZZZ!
咆哮とともにはじまるサウンドは凶悪にして重厚なギター。
起き抜けにいきなり全力後が無い疾走感でシバキまくるワタンベ。
単音アナログシンセでピコピコとヤニック、俺はといえばグチングチンに吹きまくる循環。
2曲目のデグルチーニのギターソロの凶暴な美しさ。思わずtubaをベースのように構え近寄るパンクスタイル。
チープなオモチャがファズで絶叫するインスト、フレッドを呼びフリージャズのテイストと
ヤニックのニューウェイビーな、さらに爆裂する我らトリオ。
アコーディオンが狂ったようにヒステリック、つんのめってずっこける直前のスピードで最後。
客、モッシュ状態やんか。ぐちょんぐちょんにかき回される見える風景。
いきなりベルギーの深夜に叩き込んだボム、大成功。
仲間たちの背中肩乱打、客の叫びにマイクをつかんで
「We are BOLSHOIZ, We have more gig in BXL but we want more and more!!!」
とデス声で叫びちぎって終了。


これで一気に高揚してしまった、先ほどまでの疲れも眠気も全部吹っ飛ぶ。
ぶっきら兄弟の練り歩き、蒲田行進曲かまして我らが番町ジムを呼び誘って
今回のために作った2曲。
1曲は「ボインソング」、もうシモネタ番長ったらボインボインいいまくり。
心なしか彼の目に光るものを感じた、喜びの。
彼の優しさやユーモアには何度も何度も救われたものだ。
レゲエチューンでも大活躍。
http://www.myspace.com/drdjim


これで出番は終わり、ってことで楽屋で一息。
ありとあらゆるところからボリショイズの話がやってくる。
ダニエルから店のオーナーがオランダのThe EXのイベントに出ないか、と
ちょっと耳を疑うようなことを言ってきた。
エックス!まじでかいや!12月・・・。難しい・・・が、なんとかしたい。
これは本当に凄いことだ。


ステージではロホレガロのラテンやいろいろが。
最後になんだかみなでドラゴン人形出して太鼓勢かステージでそれぞれ叩きまくり
ワシとかは笛吹きまくって後は客あおって踊り倒していた。
なにしとるのか。すごいグランドフィナーレ。

もう酒飲むのも飽きたのでひたすらオレンジジュースで乾杯。
この時点で時刻は5時過ぎてた。
ミチさんのバンドがどこかでやってるはずなので探すとなんと寒い路上でコンタンヤニックエリックらと
この界隈で最低の酔っ払いと思しきおっさんらに囲まれてトイポップやってるではないか!
これは凄い光景だ!隣で果物食いながら鼻歌。
おっさんらは話しかけてくるものの溶けすぎて何言ってるか全然分からん。
僕が来る前には殴り合いの喧嘩もしてたらしい。
終わったら5時半越えてたよ。


楽屋に帰ってヘロヘロの中機材を積み込んで機材と一緒に車の中にまぎれて
4人だけで大量の機材をエリック邸のスタジオに運び込む、この時間が辛かった・・・。
信じれんのは、キッチン見ると2階の住人で酒飲み番長のティエリが友達と酒盛り。
もう7時近いぞ!「daysuke、お前の酒買ってきたんだ飲め飲め!!」
パンク大好きのティアリがとても喜んでくれたものの、こっからは飲む気になれん。
こっそり抜けてシャワー入って死に寝まくる。7時越えてた。