トゥルネー二日目BLO子供鉅人

daysuke2007-09-13


朝起きるとそこは築500年、非常に快晴。

周囲を見ると改めて凄い、石壁沿いに蛇行するお堀には鴨が泳ぎ庭園には子猫が遊びまわる。
そんなのを眺めながらの朝食、贅沢だ。

ハムパンチーズ、文句なしにうまい、カマンベールに自家製ジャムをつけるのが最高。


ボーっとしてたらもう昼の2時半くらいになっていて今日の予定をまったく知らない。
しかしなんだかのんびり脳になってしまって、まあいいやと。
今日の僕の出番はそれほど多数ではないし重要でもない。
準備が出来たらエヴリンの車で昨日の会場であり子供鉅人の宿泊場所でもあるダビッド邸へ。
相変わらず気持ちのよいかわっぺり、ここでネット回線を少し借りて連絡作業。
今日の夕食の仕込が進んでいる、なんでも40人前とか。
デグルチーニチームと微力手伝う、果物の皮むきとか。僕はゴミ拾いとか。

表は本当に気持ちよい、こんな時には少しほしくなるのでビールをみんなに。
昨日も稼ぎは良かったので少し振舞う。
なに、とはいえこちらでのビールは水より安いのだ。


なんだかんだして少しだけ太陽が赤く色づいたくらいからさらに劇場へ移動。
これも車で少しのところ。
会場内ではステージの準備、バースペースの準備などいろいろ。
特にまだやることが無いのでうろうろしたら控え室でぼやーっとする。
会場の中は結構埃っぽいのでマスク着用、きょうはどこそこでくしゃみが止まらない。
古いソファーのか石造りの家の埃かわからないけど。
子供鉅人の控え室はなぜかピアノが総計5台もあるという変な部屋でたまに中国人のやけに老けた
少年がぐわーっとやってきてぐわーっとラグタイムとかを弾き倒す。

物凄い早口で喋る、なんだか変なんだがなんだか憎めない。


ここで気がついたけど、自分で何かすることがないと、何にもしてないなあ。


腹ペコになっていたところで夕食に飛びつく。
セネガル人ジムがアフリカだぜ、いえーい、というので興味津々。
芯が残りまくっている白米に煮込みをかける。
主な具は鶏肉で野菜もとろけている、最後に大量のパームオイルを混入させていたと思う。
そこに軽くいためた洋ナシ、パイナップル、ピーナッツを挽いたものなどをかけ
お好みで辛いのや塩をかけるというもの。
これが日本人たちに大変不評。
まあ米はバリバリしているがたっぷり汁をかけるときにならないし煮込みはとろとろでなかなかいける、
大抵の問題は日本人が脂に弱いというところで、ひどい中華なんかに比べたら全然マシだと思うのだが。
個人的には全然平気、美味しく頂く。
バナナと白米を同時に食べたのは初めてだが、ないよりはあるほうが断然合う。


飯だってなんだってあるところでは郷に入りは郷に従い、楽しめるくらいの適応力や強靭さが欲しい。
どうも自分の中でバランスを取ろうとするところはある、
それは食べ物の場合、自分の知っている味とのバランスを取ろうとする、
ああ、ここに醤油があったら塩があったら鰹節をかけたら、味噌をつけたら。
そうなら自分でどこでも料理できるように(僕のように)すればよいのにしない人に限ってそんなことばっかり行ってる。
海外で暮らせる日本人の適応度は日本食にいかに固執しないか、とも聞いたことがある。
どうも自分の悪い癖で適応が出来ていないで愚痴ばかり行っている人がいたら軽く軽侮してしまう癖、
まあ自分でも良くないと思うんだけど。
和食に関しては以前に「食事右翼」ってのを良く見た。
僕がうまそうにパン食ってたら「なんでそんなもんうまそうに食ってんだ!」って怒られたり
シャンパンに向かって一人で指を刺して「これはチューハイだ!」って暗示をかけて飲んでる人。
勝手にすればよいのだがこちらの食事に嫌味を振りかけてくるのだけはごめんだ。
勝手に弱って勝手に体調崩して勝手に自滅していただきたい。
その横で俺はおいしく現地の飯を食って生きていくぞ。
この日は特に面白いことがないのでんなことかいてしまった。


最初は子供鉅人の公演、ブリュッセルでもやっていたもののこちらでの初演。
基本的に無言劇、好きなように解釈すればよい。
見ていたが反応は上々だと思う。
場所の違いや、準備期間の短さで大変だったろうに。


ここで結構時間が空いてブラックライトオーケストラのステージ。
数曲参加するので準備して待機。
今回はPAが潤沢にあるので出音の感じは上々だ。
お客はどうも結構な数が帰ってしまっているのがもったいない。
ここで対面ステージで何故か亀甲縛りの緊縛ショー。
このイベントを嗅ぎつけて出演申し込みをしてきたらしい若い男女。
リハも見たのだが何故か平服のままの女性を縛り上げて吊るす。

すごいっちゃあすごいのだがなんか中途半端だし、しかも意味不明。
ポスターの春画を見て思いついたと推測する。


だんだん不穏な感じになってきた。
ステージ前の部分で人が踊り始めたが、明らかに悪乗りして踊っている人たち
音楽なんて聴いちゃいないに等しい。
こういうの、BLOは嫌いだ、僕の見ていないところではスカートはいたいかれポンチの男が
逆立ちをして歌っているダンのマイクを蹴り飛ばし、酔っ払いがグレッグのサックスをつかみ
踊り狂っている連中だけがご機嫌という状態。
最後の僕が入る前に、途中でプログラムを止めてステージは終わってしまった。
もっとやれという客や、オーガナイザーたちとの悶着などこのあたり非常に面倒。
かかわらないようにする。


BLOの意見はもっともだと思う。
マッチしていないのだ。
これはどこかの客観性の欠如の問題かと。
非常に残念な結果。
現場を残してエヴリンにいって帰る組で帰宅。
ほっと一息ついてワインとハーブティーで歓談。

子猫ちゃんとでぐっちゃんと三人になって深夜の密談。