solo/with friend@Ateliers Mommen

daysuke2007-09-11

さすがに起きるのが辛いのだが今日は午前からリハーサルだ。
その前に急いで朝食。食べないと持たない。
ベルギーのなかではかなり時間に正確な(まあ英国人だけど)ダニエル到着。
住んでいるところですぐにリハ出来るのはやはり便利だ。
前回やった曲のおさらいと、新しい曲。トイポップだそうだ。
ダンがギターを弾くのは珍しい、しかもメーカーは「Danelectro」。
相変わらず変わったサイズを覚えるのは一苦労だ。
それでもなんとか終了。


その後は子供鉅人とダンの打ち合わせなので少し時間がある。
今日の売り物用にCD-Rを作らねば、商店街に出てRを買いに行くのだが
プリンタブルの盤面白のがまったくない。大体1種類しかないし高い。
しょうがないので普通のを買ってジャケを作るのを考える。


帰ったら焼き焼き、盤面にはメモ程度でジャケに漢字多用で作成。
日本でそこらのパーツを組み合わせて激安で作ったDVDドライブは三世代くらい前のスピードでしか
動かないので遅いのだが再生は保障できる。


もうぎりぎり夕方まで走り回っているので、正直休みたいがそうもいかず、
ちょい押しで時間が来ているのでヤニックの車に荷物を積み込んで出発。
今日の会場は前に僕のソロをやったモメン、5階建ての古い建物で画家のアトリエビルとして有名らしい
その昔、ゴッホが来たこともあるとか。
番人のように黒猫がいる。コイツが物凄いかわいい。

荷物を置くと必ずその上に座ろうとする。


建物の雰囲気は最高だが上まで行くのがかなり大変だ。
まずはヤニックのドラムでかなり往復。
全部置いたらそのまま再出発して車に乗り込んで昨日ライブをやったRTTに行く。
ベースアンプを借りるのだが、地下にあるスタジオに行くとあるのは先月の日本橋でも借りた
acousticの馬鹿デカアンプ。
ありがたいが、非常に重いので後が思いやられる。
車の後部席をつぶしてもギリギリ、というサイズなのだ。


やっぱり小さいのにしておけばよかった、と思うくらい持って上がるのつらかった・・・。
ぜーぜーいいながらなんとか持ち上がりセッティング開始。
今晩はソロとセッション、ホストなので中央に陣取る。
テーブルを借りて真空管マイクプリ、小型ミキサー、ディレイくらいでシンプルな。
ミキサーからは粗悪コンタクトマイクを2本、色々取り付けられるように。
そろそろとお客も集まってきている。
なんだかんだ準備していると凄い人の数になりほぼパンパン満員御礼。
凄い人ごみになってきた。


40分押しくらいで始めることにする。
最初に挨拶少しだけしてまずは生ソロ。
昨日のをさらにヒントに、揺れるリズムから高速変拍子的な感じへ。
生でやるのはやはりダイレクトで一番速い感じがする。
またしても途中で演奏しながらサンダル脱ぎ捨てて足を踏み鳴らす。
大きな拍手。


その後はコンタクトマイクを繋いでtubaに2箇所取り付けディレイも軽く使用して
金属打撃音によるトランシーな打楽器ソロ。とはいえtubaなのだが。
このアンプ、運ぶのは本当に大変だが音は滅法良いしパワー絶大。
今までacousticのアンプとは相性が余りよくなかったが考え直す。
この後は最近気に入っているマイクを口の中に入れて色々やるやつ。
コップの水を飲みながら歌い怒り唸りゲップが止まらずそれが拡大されていて滅茶苦茶。
最終的には吼えまくって柄激悪ボイス暗黒大陸
これもお客のツボにはまった模様。


やっとここらでtubaを吹きはじめる。
自分のスタイルをblowbassと説明しておいてありとあらゆるtubaの音を拡張して重ねる。
悪乗り一歩手前の無茶苦茶サウンド。我ながらひどいものである。
終わり方、どうしよう、と思ったのだが正面切って生音に絞って〆る。
大歓声の中、一部終了とに二部の説明をしてインターミッション。


その間に参加する予定のミュージシャンの顔ぶれや楽器などをヤニックに説明してもらう。
こないだもあっているギターのニコ、ボイスで色々使うリン、初日に出会ったサックスのフレッド、
BLOからはグレッグ、ギタリストのマニュ、などなど。
組み合わせを考えてセット。
アンプを使ってよい時間が23時30分までと言われているのであんまり時間はない。
最初はヤニックとニコと僕。
ニコはかなり小さなアンプでめいいっぱい、ヤニックは最初は今日買ってきたカリンバをエレキ通して
僕はやっとアンプ通して落ち着いてtubaを吹きはじめる。
ヤニックが途中でドラムスに切り替えたあたりからかなりロックなムードに変調。
それぞれの感じだけだバラバラなままにサウンドは相当良い感じだ。
バシッと終了、こういうのは単純に気持ちが良い。


二つ目はフレッド、グレッグ、僕のトリオ、生音で。
まさか、と思ったけどかなりジャズっぽい感じになって、最初はハーモロディックのゆるいのか
みたいで少し面白くなりそうだったんだけど、なんかジャズっぽくエゴ俺道みたいで
すぐ飽きてしまった。しかもこのあたりで飛び込んできたラッパ吹きの男が冴えない。
非常に空気読む力無いくせに花がない。飽き飽き。
そんなときに頭上を見上げるとスクリーンに我らの姿が投影されているではないか。
しかも凄い遅れて投影されるので分身の術みたいだ、これのほうが面白いので
tubaを振り回して絵を描いて遊ぶことに専念する。
そうこうしているうちに僕が関わらないのでさらんびジャズっぽくなって退屈。
ぐずぐずで最低の終わり方だが、僕は関与していない。


次にはリンとヤニックとマニュ、僕。
リンはelectro-harmonicの新しいタイプのエフェクトをもって来ていて非常に興味深い。
声の出し方などですぐに優れた演奏家であることが分かる、マニュもこちらに関せず良い演奏している。
ヤニックは綺麗な音のループ、僕はマイクを加えてボイスのほうに専念する。
このセットは、白眉だったと思う。


最後にミュージシャン全員で最小音量、という制限だけつけて全体即興。
時間も時間だったし、エゴ出しあいで大音量の即興になるのは好きではないのだ。
これが感じの良いサウンドになった。
皿に飛び入りで非常にキュートなフルートの女性も良い感じで
小さい音だと音をよく聞きあうので、良い。
まあtpのおっさんは小さい音を出す能力自体がないみたいですぐうるさくなりそうで牽制。
全体的に良い感じのままこの日最後の演奏をエンド。


あー疲れたがおもろかった。
今日はとにかくお客が多い、中でも日本人が多い、挨拶など。
やはりブリュッセルの日本人は女性のほうが多い。
チリ人の女性に写真を撮ってもらい、彼女は今後日本にいくということ、ヤヒロトモヒロさんとか
知己があるらしい。
ミュージシャンたちにねぎらいの言葉を。特にヤニックには感謝。
店のスタッフも大喜びでまたやろう、今までのベストライブだったとのこと。
このあと少し手分けして大量の荷物を積み卸して車に積み込んで帰途へ。


ここから思いもかけないトラブルに。
鍵を預かっていたのでRTTのスタジオにてアンプを返却。
ヤニック曰く、荷物をとりあえず全部建物の中に入れることを言われる。
この辺は最も治安の良くないところで、なにがあるか分からないということ。
なるほど、tubaを扉の中に置く、これが失敗の元。
もうふらふらのふたりで地下のスタジオにアンプ下ろして鍵閉めてポストに入れて車に乗り込んだ時点で
「tubaは?」オーノーーーーーーーーーーーーーーーーー。
もうほんまごめん。うっかりしてた。今年最大のミス。
開けようにも鍵は中、人はいない。もうこのまま独りでこの寂れた地区で朝まで待つか、
と思っていたらヤニックが離れた扉をノックする。
随分待つと中から人が出てきた、良かった!しかし・・・。
出てきたのが絵に描いたようなダメ人間でまあいわゆるジャンクな感じさ、二人。
歯抜けの刺青だらけとグズグズ野郎。
中に通してもらい訳を話すと、ヤニックは良いが僕は中に入れないとのこと。
なかなか帰ってこないヤニックを待って屑二人とひどい空間で過ごす。
何故か片方が珍しいビールをご馳走してくれる、ウェストマルのデュッピオ黒。
うまいんだが、こんな奴らと飲んでいると味がしない。
んで、帰ってきたら「礼の変わりにソロでもしてけ」とか言う。
物凄い面倒くさいけどまあ助かったし、ややこしいし、なにせ面白いので3分間ソロ。
あはは、大受けでやんの。


これでやっと車に乗って宿へ帰る。
ヤニック、本当にごめん。
帰ってからあまりの空腹にラーメン野菜大量投入で食べて死に寝る。
凄い夜中だった。