リエージュから移動、ブンブンバスツアー@ブリュッセルRTT

daysuke2007-09-10

アーメッド宅で目覚め。
彼は昨夜は夜更かしの様子で僕より遅くまで寝ている模様。
起き出した所を見計らって階下に下りて一緒に食事。
手が焼けるほどのおいしいパンが嬉しい。


彼が庭で作業している間にこちらはパッキングなど。
pcの作業も少ししておく。
何よりこの近くを散歩したかったのでする。
あまりの美しいダンジョンのような場所に卒倒寸前。


またしても彼の作業を中断するのは悪いなあ、でもそろそろ集合場所へ行かなくちゃなあ
と思っていたらもうその時間に。
「そろそろ帰ろうと思います」と言いに行こうとしたら呼び出されて
「おーい、daysuke、ちょっと手伝ってくれ」と行ってみたらスタジオで録音とな。
彼のオリジナルに参加してくれ、とのこと、ぎゃふん。でもやりたい。
アラブの古い詩をフランス語で詠唱、リズムは勿論ゲンブリでそこに仮演奏でキーボード、
後半にはなんと打ち込みで和太鼓の音が入っており、「ジャパニーズドラム、ジャパニーズチューバ!」
となんだか喜んでいる様子。
ゲンブリの揺らぎたっぷりのリズムと後のせで同期するのは結構難しいことが分かった。
得意なほうではあるのだが、やはり生でこちらに伝わってくるものと保存されたものだと
無意識の中で自分の感じ方が違うようで、少しやりにくい。
後半のほうはかなりずれてしまっていたが、これでも良いということで2テイクOK.


んで急いで出発、歩いていこうかと思っていたのだが、車で送ってくれることに。
子供鉅人たちとの集合場所は彼らが2,3日に公演することに急遽決まったというTIPIという場所で
最初の宿のLa zoneのすぐ近く、路地を入ってエスニック系飯屋が点々とする場所。
行ってみると、誰もいない・・・。参った。
滞在先の連絡先も何も知らない、このまま電車で一人で帰るか・・・。
と思っていたら急に全員登場。
なぜかマルタンと昨日から付き合い始めた彼女と一緒。
どうも話がずれていてTIPIは閉まったままらしい。
目の前の小さな広場の一角でアーメッドと亡き父上はグナワの演奏をしたことがあるらしい。


アーメッドとはここで別れて再会を約束。
現地人モアーとマルタンカップルとでバス停まで歩いていく。
ここらへんで雨が降ってきた、来る時も帰るときも雨。
来る時に使っていたパスがまだ使えるのでそれで特急に乗り込む。
ブリュッセルまでは約1時間強。


ついたら幸い雨は上がり気味で良かった。
駅からエリックのうちまで戻るのはずっと坂を上るので荷物ありでの移動は大変きつい。
数駅分くらいはあると思う。
それでも安らぎ求めて単身根性出して汗みどろになって到着。
ふっと落ち着いて久々のネット接続などしてたら電話がかかってきた。
なんでもこれからグレッグ邸でミーティングがあるらしい。
まあ焦る気持ちすらないのでちょっとだけゆっくりしてから向かう。


グレッグ邸には相当は人だかり、そうか、デグルチーニの後発隊が到着しているのだ。
みなに挨拶。今回参加のtbスミくんはゼブラ刈りになってた。
マチューと通訳でミクさん、後はメンバーで今後の予定把握。
明後日にはまた旅に出るわけだし、メンバーが制作サイドの予想を超えて多くなった分
ギャラや移動手段、宿泊場所諸々全てで頭を悩ませるマチュー。
まあ来たくて来た人は自助努力が必要なのは当たり前。そこらで解決策を練る。
他にも段取りは紛糾するのだがあまり強く関わらないようにする。
非人間的なまでに能率主義な僕はこういう話に関わるともめる(話は早いが)。
自分の道が分からなくなるのはイヤなのでそれだけ確認する。
後はいざとなれば自分で何とかすればよい。


話が終わったら速攻帰る、久々にしっかり自炊がしたいのだ。
慣れたキッチンに帰る前にアラブ系商店でインゲンとセロリを買って包丁片手に料理。
明日からの仕込みのために根菜類たっぷりのスープを仕込んでおき、その間に晩御飯は別に。
インゲンとセロリ、玉葱やニンニクなどをオイルサーディンと炒め煮てタイ米にかけるご飯。
たっぷりあったかくて滋養が着く。今夜は長そうだ。
ここで日本より新たなる客人マキ凛花嬢が到着。

しかし時間は全然ないので大急ぎで片付けたら出発の準備だ。
今日はリエージュで会ったブンブンバスツアーの最終日。
会場の予定地だった場所には警察が多数張っていて阻止されそうだったので
急遽場所を変更することになるらしい。
公表されていた場所へいった人の運命は知らない。


RTTはデグルチーニが初回に演奏した場所のあたりだ。
寂れた工場跡地のような感じ、カナル。
重い門を開けると早速準備がされている。
各人と再会を喜ぶ。
セプテンバリストの演奏がキャンセルになったのでdaysukeソロをやらせてもろうことに。
色々交渉、歌手でオーガナイザーの一人でもあるリザは「いくらでもお好きに」とのこと。
控え室代わりにレンガ立ての古い建物、非常にスクワットっぽいがそうではないらしい。
ぼろいソファーなどでくつろぐ。
移動したてのからだは休息を求めているが、夜は長い。
下世話でしょぼい影絵芝居の後はギター二人にドラムのトリオ。
白人の歌が趣味ではないのですぐに外に出た。黒人ギターはトムウェイツとなんかもやってるらしい。


我らと言えばフルになって大所帯のデグルチーニメンバーなんかと談笑。
でぐっちゃんはどうも少々風邪気味の様で逆にハイテンション。
振る舞いのテキーラがボトル空くまで皆で飲み干される。
久々に酒って奴を飲んでいる感覚。


デグルチーニのセッティングの確認を見届けてソロを少しやらせてもらう。
急に思いついて、「デディケートtoリエージュ」ってことに。
グナワの揺れるようなメロディーのイメージ、それにかの地に住んでいたというドンチェリーの
晩年のアフロポップな交錯があの町から来たということ。
なにせ独りなのでどれだけリズムをぐちゃぐちゃに難しくしてもいいのが楽だ。
あげくになっかん使用のドラムを吹きながらたたきバスの窓からベル出して吹き散らかし
天井が低いおかげでノーPAでも十分響き渡るので思いっきりやらせてもらった。
狭いながらも満場の拍手と歓声を頂く、ここは勿論バスの中。


すぐにデグルチーニに受け渡して居場所もないので客席最前列でtuba持ったまま。
今日は特にデグルチーニ氏ハイテンション。狭い車内が暴れ調子。
濃密で濃縮で、友人のバンドながら非常に素晴らしいエナジー
2曲目あたりではすでに我慢できなくなってぎゅうぎゅうに詰め掛けてきた客が立って踊り始めて
バスがものすごい揺れ始めた、これが本当のブンブンバス!
ほとんど漫画である。
デグ氏のテンションとどまるところを知らずこちらでの名台詞
「belgium like heaven,we are from hell!」もばっちり。

数曲参加する、前のほうにいる勢いのまま。
リエージュから着いてきている青い服ばかり着ているおっさんの高見沢みたいな通称「ブルー」が
まえで写真ばかり撮っていて邪魔だしうっとおしい。
ほんとに腹が立ってきたので一度引っ張りあげて、「お前の写真のために演奏してるんじゃねえぞ馬鹿」
といったら急に大人しくなった。
こういうヤカラには何を言ってもまったく罪悪感がない。
ライブのほうはしゅんとしたブルーがもう一度盛り上がるくらいに素晴らしく、猛烈なアンコール、
それも少々手伝わせていただく。


外に出るとわがソロ、ならびにデグルチーニの感想をそこかしこで聞かされよい反応を得る。
これもこちらでは毎度のこと、だが勿論嬉しいものだ。
なかなか急には移動は出来ないのでそのままそこにいて軽く喉を潤したりぶらぶら。
バスの中ではリザのバンドの演奏、今度はリザがサンプラーやってて凶暴で面白い。
フランス語の歌詞が相当面白いらしい、歌はそんなにうまくはない兄ちゃんのほう。
デグ氏とヤブリンコが乱入しているのなども見れた。


もう相当良い時間だ、明日も実は早い。
積み込みをして揃って退散、帰ったら仕込んだスープを軽く飲んでバタンキュー。