日本橋@リエージュ

daysuke2007-09-07

起きたら自己朝食、毎度のこと。
午前中に宿泊場所の事務所でLANを借りてネット作業をちょこっと。
昼頃に車が来て積み込み乗り込み会場へ移動。
昨日のクラブに結構近い。
ちょっと古くて静かめな住宅街、工場跡らしい場所で
寂れ加減が良い感じだ。
 
劇場とライブハウスの折衷のような。
担当の女性が良い感じ(そういえばベルギーでは珍しい非喫煙者だった)で対応してくれる。
機材の準備などであちこちへ予測なくいってしまうマチューたちに任せて
少し周辺を散歩。アラブ系の商店でチーズやハムを念のために買っておく。
いつでも食料は自力で確保しておかないと少し不安だ。


戻ったらこちらのスタッフで食事が用意され始めていた。
こういうインフォメーションがあらかじめまったくないのがこちらの困るところ。
リエージュ産のとても臭い(こちらでは強い、という)チーズにこれも地元のジャムをつけて食べる、
それにプラムのパイ。

どちらもとても美味しい手作りの味だ。


昨日時間のことをはっきりせよとオーダーしておいたのでタイムテーブルはあるが
まったくそれどおりは進まない。人には向き不向きがある。
細かいことにはなるべくタッチしないでおく。
ボリショイズで僕にはアンプが必要なので準備をしようとすると、ヤネックが持ってきた
キーボードアンプにしろ、というのだが、会場に備えつきのベースアンプが大阪はサオマイで
よく使っているタイプとまったく同じなので、これにしたいというが
強くキーボードアンプを使うように言ってくるのでいい加減面倒くさくなって英語の物言いが
きつくなる。
善意の押し売りは、面倒で苦手だ。
使って判断する、やはりベースアンプのほうが調子が良いので変更する。


そのうちブリュッセルから車で駆けつけたヤニック、エリック、グレッグ、マルタンらとも合流。
生粋のブリュッセルっ子でシティーボーイのヤニックが田舎ぶりに少々驚いている。
そういやここにはなぜか下水道がないみたいで、出した水は外の溝に流し、
トイレは見たこともない、用を足した後はおがくずのようなものをすくってかけるもので

これはこれで意外と匂いもしなくて不思議なものだ。


今日は8月28日にshifasでやった3ステージでピンポンでやるものを1ステージでやるので
いろいろと段取りが大変だ。
僕はデグルチーニ、ボリショイズ、セプテンバリストで出番があり、ボリショイズ以外では
ノーマイクでやることにする。
音量的にきついが、面倒に巻き込まれないために選択。
マチューたちとアコースティックでのリハも完了。


夕食はテラス部分でクスクスを頂く。
大鍋から牛肉の塊や野菜がごろごろ、コリアンダーの葉(ようはパクチー)とニンニク唐辛子薬味を
かけて食うのだが、これがまたうまい。
食ってる最中にもリハや準備の声がかかるので食いかけをのこして飛び回ることに。
落ち着かないことおびただしい。
意外と段取りが好きな自分に今回は気がつく。
というかされなさすぎだぞ、この地というか人は。


続々集まる多くの人たち。
1週間滞在してあちこちで知り合った顔が勢ぞろい。
いろいろな顔が集まってなんだかどよどよしてきた。
9時過ぎに開始。
直前にころころと指示の変わる構成に引っ張られながらも。
劇団主催マー君の口上の直後にボリショイズがパンクかます
昨日のセッションで「あなたみたいなジャズtubaははじめてだわ!」と感激して最前列に来てくれたおばさん、
ごめんなさい、僕は違います、残念賞。
ミチさんのウクレレステージからデグルチーニへ。
ここでも数曲参加。非常に好評なこのバンド。


デグルチーニが終わったらすぐに子供鉅人の演劇へ。
日本語を使っているので分かりにくいかと思いきや、ブリュッセルより受けている様子。
全体的にリエージュは反応が大きい。
直後、再びボリショイズがやかましくがなりたてる。
ここでのデグルチーニ(個人)のギターソロは白眉。
やってくれました。
この後はマチュー率いる毎月バンド名が変わるistこと今月はセプテンバリスト。
ここでもグレッグbsと一緒に参加、独りで生音なのでかなり音量的にきついが奮闘する。
おそらくマルタンdsは酔っ払っているのか、リズムが滅茶苦茶。エリックがピアノでキープ。
空間がぐらんぐらんするような演奏でこれはこれで面白い。


再び子供鉅人の演劇、こちらは最終的にお客を巻き込んで謎のラジオ体操。
この後は全員参加でセプテンバリストを主体とした合奏。
ステージに乗り切らない大人数で押せ押せの大セッション。
ちょっとやりすぎじゃないか、というくらいやりまくって本編終了で〆はミチさん主導。


もうこの辺で仕事は終了していたので裏手に回りビールを貰って乾杯。
この時点で開始から3時間半もたっていた。そりゃ疲れもするわな。
リエージュ各地で知り合った面々と挨拶。
クレアムの人たちや昨日のクラブで知り合ったミュージシャンや客、バーで知り合ったり
近所にいた人まで沢山来ていた。
面白そうなことが縁であれば足を運ぶ人たちが沢山入る。
袖振り合うも他生の縁、はもはや日本の諺であるのを止めてベルギーのものにするべきだ。


昨日のセッションのベーシストがやってきた、えらい気に入ってくれたようで
アドレスの交換など。またの共演の機会を狙う、かなりテクニシャンなのだ。
ロッコ人のアーメッドも来てくれていた、ボリショイズをとても気に入ってくれた模様。
この人は伝統的な音楽をしているのに音楽の守備範囲が広い。
この地で珍しい在住邦人トシさんも来てくれた。
こんな日本人もいるんだねえ、嬉しいねえ、と大喜びしてくれていた模様。


この頃会場内では老けた高見沢みたいなおばさんみたいなおじさんがステージでマイク乗っ取り、
マチューの謎ピアノとマー君、そして昨日もいた謎の激しいダンスを繰り出すおばさんとのカラミ、
なんかこう、ものすごい謎のエネルギーがどろどろと煮詰まる「本物のアングラ」の様相。

これは・・・なんだか凄い。
でも参加する気にはならないのでお外でぼけーっとビールを飲む。


人当たりもしてきたし、自分だけでそろそろ動かないと辛くなってきた夜、
鍵を預かってそっと抜け出して宿へと帰ることにする。
僕は本当にまったく協調性なし、団体行動まったく出来ない。
とにかくいつでも独りで動ける準備がないと落ち着かない。
他人任せで自分がどこにいるのか分からないと不安になる、
いつ他人から放り出されるか分からないと思っていて、その時でも
自分でやっていけないと怖いのである。
他人を無条件に頼ることは出来ない。
自立心とかとは違って、長年の習性だ。
大荷物抱えて歩いて帰るにはここは遠いのだが、それでも他人任せの移動よりすっきり。

週末の路上には若者の姿が多い。
ちょっと迷いそうになるくらい、かなり歩いて何とか宿にたどり着き、独り落ち着く。
夜食を煮込みで作って食べ、ベッドへ。
かなり後、4時くらいに賑やかに一行が帰ってくる。
マスクと耳栓を着用して完全就寝。