芳垣安洋BC5@新宿ピットイン

daysuke2007-03-23

芳垣安洋(per,ds)青木タイセイ(tb,pianica,etc)木幡光邦(tp,etc.)
高岡大祐(tuba)佐藤研二(cello,etc)


ついにこの日。
芳垣さんのおさそいでのライブ。
昼間に会場近所のリハスタに終結
先日のリハには佐藤さん不在だったがこれでやっと全員揃い。
名古屋ロジウラのマタハリのりりこさんが引き合わせたかのような佐藤さんと初対面ご挨拶。
何か似ている、というのは髪型まで含めた何かだろうか?
笑顔を素敵な人である。
他面子に関すると、木幡さんは僕が10代の頃にジャズフェスがテレビ放映されているごとに
画面でお見受けしていた超ベテラン。
実家にはそのビデオがたくさんある。
まさか一緒に共演する日が来ようとは、10代の自分に伝えたい。
タイセイさんは意外と古馴染みで僕の20代のバンド活動をダイレクトに知っている。
いつも優しいお兄さん、という感じがする。
芳垣さんは言わずもがな、関西時代に大原裕のサイツで見てたしその後は東京で
渋さで一緒だった。
氏曰く僕と彼は「卒業組」だそうです。
僕、退学だけど。


リハははらはらどきどき、曲を修めると「これ本番で出来るかしら」という思いも起こる。
夕方会場に徒歩移動、昼のバンド終わり次第準備。
ドラムがサイドに来る半円系の並び。
このドラムが後ろにこない並び方が新しいのか古いのは知らないけど
ドラムが背後にいる並びよりずっと音楽的だと思う。
単純な伴奏と歌、という構造でない。好きだ。
僕が中央付近で右隣に木幡さん、左は芳垣さん。
左手端は佐藤さんで右端はピアノが近いタイセイさん。
合間に軽く飯食って本番に臨む。


さあ、はじまった。
CD持ってるので僕もなじみの曲。
スーフィーの輪舞の感じ。
今回はタイセイさんの作曲が多いがリーダー芳垣さんの選曲はやはりどこか「南」で
体にクルものが多いと思う。
広義の意味でダンスミュージック、
ならば僕もだ。
楽譜と格闘するのをやめてむずむずする体に動きに逆らわず
老舗ジャズクラブで踊り吹くtuba吹き。


しかしみんな芸達者だなあ。
木幡さんはラッパ吹きなのかギター弾きなのか分からないくらい今回はギター活躍、
タイセイさんは笛にトロンボーンにピアニカにピアノに、
芳垣さんは打楽器たくさんだし佐藤さんはチェロとベース。
単一楽器は私だけだ。
以前は鳴り物100個とか使ってた高岡大祐。
今は一つの楽器で百個鳴らしたい。
こだわりがあるわけではないけど体と楽器と声とで以前からあるたくさんの音を。
ストリートファイトと同じでその場にあるものくらいを武器に。


休憩中、楽屋はミュージシャンらしい馬鹿話に花が咲く。
ステージでメンバー紹介、「いろいろと物議をかもすtuba吹き」と言われる・・・。
そうかもなあ。
2部はもっともっとむずむずを音に。
周りから聞こえる音がさらに僕を動かす。
出すことよりも入れることのほうに忙しい。
うまく楽譜をこなすことが出来た部分ではガッツするも
それよりも止まらず進んでいく音の流れのほうが大事なような。
しかしみんな、音良いなあ。
自分に入れるのがとても楽しい。
最後は芳垣さんも勿論僕も敬愛する加藤崇之作曲「こーてい」。
ボレロのようにぼそぼそとはじまりあらぶる大河の奔流のようになるまで。
最後の最後に声も出る。
あ、そういや、なんかの曲で芳垣さんの奇妙な歌声、凄く良かった。


アンコールにすばやくこたえてイーノの曲を。
アドリブするでも即興するでもなくとつとつと音が増え音が減る。
旧来のジャズファンにこの演奏は届いただろうか?
(そうは思えないんだな、わしゃ)
最後の消えていく芳垣さんの大太鼓の美しさで幕。


終演後、直接カウンターへ向かいビール。
比較的長かった演奏時間だが自分にはあっという間。
終わるのいやだなあ、またやりたいなあ、と。
芳垣さんも忘れてしまった名前の意味BC5.
思い出しがてらに是非。
また美味いラムが飲みたいです
(写真は関係なし)