リップサービス8@御器所なんや

daysuke2007-02-16

照喜名俊典euph 石渡岬tp 高岡大祐tuba 臼井康浩g
飛び入り:後藤篤tb 写真展示:中津真衣子


ついに最終日。
その前にとても思い出深い体験あり。


キヨシさんとミホさんのお宅で起床して山に登る話が浮上。
行くかいかまいか少し考えるも何かが行けと言うので決断。
尾高山という山へ。
車で5分程度のふもとまでキヨシさんに送ってもらい途中から徒歩で。
面子はリップサービス全員に集落ご近所のまーちゃん、きよしさん。


あるかなしかの登山道を登っていく。
木に赤いテープが張ってあるだけ。
キヨシさんの先導に従う。
勾配は比較的強い、足元には石英分が多そうな白い砂地が腐葉土がかった茶色の上に。
少しすべるが登りは楽しい。
ここらへんに文明の痕跡はない。
冷たい空気が熱い体に気持ちよい、活発に動く肺に流れ込む清涼な木々の吐息。


途中で休憩する、
突然大きな石が現れる、これが少し石垣っぽく古代人が積んだものらしい。
良くぞこんな斜面に持ってきたもんだ。
休んだ先の太い木に太い爪の痕。
熊だ。


足元のオトシブミの巣や熊か猪用の散弾の薬莢を拾い再び出発。
子供の頃よく山遊びをしていたことを思い出す。
箕面の山に水晶を拾いに、関西のあちこちの山へ生活をしに。
足が軽くなってきた、走り出す自分に驚く。
たまに開ける風景に見惚れる。
ある美しい見晴らしの場所の足元を見ると大量の何かの獣のうんこ。
獣もこんなところでしたくなるんだ。


山頂まであと2割、というところでまーちゃんがギブアップ。
熊よけのタンバリンを彼女に託し我らは山頂目指す。


ここら辺で岬ちゃんが寡黙になってきた。
目つきがヤバイ。洒落にならん。
再び走る俺。


着いた山頂はどこまでも見渡せるような。
もっと天気が良いと富士山が見えるという。
三重県から!
傾斜は強いがこの山は600mもないことが分かる。
まだまだ知らないことだらけだ。
展望台の上で風を感じる。


少し下に下ると逆のほうに「大石」という看板あり。
そちらにいくと更なる風景が待っていた。
文字通り大きな石が積み重なっている。
この大きさ、ハンパではない。
軽自動車くらいあるんではないかという石が積んである。
これも人の手によるものらしい。
信じられない。
木によってそうでもないように見える断崖の際に詰まれた石の上で感嘆。
とてもではないけれど自然にとは思えない縦一直線の割れ目のある石が木になる。
女陰(ほと)じゃないかな、とキヨシさん。


感動を胸に下山。
今度は岬ちゃんも元気だ、やたら早い、転がってんじゃねえか。
ふもと近くなると本当にすべるように降りていく皆。
ここらで慎重に降りる自分に年を少し感じる。


無事お宅に到着しおいしいカレーをご馳走になる。
山登りでぺこぺこになった腹に気持ちよく収まる。


そろそろ出発だ。
名残惜しい、もっといたい。
重々お礼を申す。
この場所の気持ちよさ、人の気持ちよさ。
都会的といってよいくらい主張のある皆さん。
ぬるくない。
必ずまた来ます、というと
「食い詰めたらまたおいで」とミホさん。
そんなのいつも、すぐですよ、と俺。


高速道路を使って一路名古屋へ。
ガールズは寝こけている。
俺も少しまどろむが意識はくっきり。
久々の大都会名古屋へ。


なんやに着くとすでに臼井さんがセッティング済ませていた。
店主プヨさんにもご挨拶。
挨拶に我らもセッティング。
もちろん中津さんの写真も。
前回のここでのライブ写真もあるのだ。


ほどなくして東京から後藤君が遊びに来た。
なんと彼はこれを見るためだけに名古屋に来たのだ。
脱帽である、しかしその価値はあるのだよ。
彼も加わってリハを少々。
この日は編成も大きくなるし即興の部分を多くしたいので曲数は少なめに。


なかなかいい感じでお客さんも入ってきた。
外から見ると変な色のチーズケーキのような三角形のお店なんや。
おいしいご飯とお酒と音楽が詰まっている。


演奏開始。
最初はリップトリオ。
ちょうどオクターブずつ離れてバランスの取れた編成。
三角形の頂点から広角に、そして足元から音が広がる快感。
続いて臼井さん登場。
全然違和感がない。
なんだろう、アフリカ?
多分みんなの思うアフリカと違うだろうけど。
なんか笑ってしまう。


2部皮切りは岬ベイベエの歌ではじまり
お次に照喜名君と後藤君の初対面同音域即興。
トロンボーンとユーフォの音の出方の違いが音楽に反映されて面白い味。
しかし二人とも真面目なやっちゃ。
最後にはフルの編成でルバートの多いあの曲とフレンチポップなあの曲をメドレーで。
三角形の頂点から放出されるアコースティック・スピーカー!
音の広がりがぐっと芳醇で豊か、言うなれば、美味しい音。
これが計算ではなく各人の感覚から生まれているのだ。ナイス。
ドラムもベースもいない、なのに感じられるグルーブ、
たった5人でオーケストラのようなサウンド


たまらずプヨさんも下で飲んでたお客さんも上がってきてくれて歓声。
これはたまりません。


これにて8days終了。
すばらしい旅に感謝。
すみやかになんやで打ち上げ。
うまい酒飯に舌鼓を打っているといきなり訪問者が。
松本健一さんではないか!
オリジナルラブのクアトロ公演の合間に遊びに来てくれた。
後藤君がいてマツケンさんがいて中部の皆がいてものすごい楽しい宴。
良いツアーのちょっとしたご褒美を噛み締めて味わい夜を更け行く。